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「さなコン3(一部さなコン2)」感想まとめ
ただの、感想置き場。
今さら感がありながらも。「さなコン2024の感想」はまとめたので、せっかくならと昨年までのものも。
感想を送るのが不慣れでドキドキしながら書いた覚えがあります(今でもドキドキしますが)。懐かしい。
後半に載せるのはさなコン3入賞作品の感想です。
「酸性雨」辻井豊さん
(現在は上記リンク先のkindle本に収録されている作品です。エックス内のリンクは切れています。)
酸性雨 | 辻井豊 #pixiv https://t.co/6PZ3L5zWNZ#さなコン3
— 夏原秋 (@aki_veins) June 10, 2023
次元がいくつも重なって、読んでいるうちに自分の位置がわからなくなる、SFをリアル体験するような読書でした。最終的に行き着いたのは一体どこであったのだろうか、という混乱が心地良いスリラー。
ラストがスカッとお洒落です。
「まずは笑ってもらおうか。すべてはそれからだ。 」 冬寂ましろさん
まずは笑ってもらおうか。すべてはそれからだ。 | 冬寂ましろ #pixiv https://t.co/jh9zKc3HCk#さなコン3
— 夏原秋 (@aki_veins) June 11, 2023
明るくいいなあ。なのにほんのり物悲しいのは宇宙が世界が壮大すぎて、ちっぽけな存在の二人組が起こす笑いがとても儚く感じられたから。笑って読み終わったのに目にしょっぱい水が滲みました
「神はサイコロを振らない(ファンタジー小説) 」あぼがどさん
神はサイコロを振らない(ファンタジー小説) | あぼがど #pixiv https://t.co/ThaXNja3oe#さなコン3
— 夏原秋 (@aki_veins) June 14, 2023
RPGかなと読み始め、途中からSDGs的な何かを垣間見た気がするし「バイブス」でお茶を吹きそうになり、読後は「パリピウェーイ!」と叫んだ昼休みでした。
何言ってんのって?読めばわかるのです…
「銃後の爆弾」坂水さん
銃後の爆弾 | 坂水 #pixiv https://t.co/jdax4TzZtm
— 夏原秋 (@aki_veins) June 15, 2023
こちらは終戦にまつわるSF、という私の認識は合っているだろうかと、ラストで月日が気になったがあらすじにちゃん書いてありますね。散りばめられた言葉を探すのが楽しい。緻密。
一万字と思えない重みにため息が。千里さん色気美人。#さなコン3
「ミゼムの上底」龍野陸さん
仕事でめげていた時に、相互さんのRTで流れてきた作品が、美しかった。感想は短いけど、私の擦り切れた心が洗われる情景のあるお話です。
https://t.co/yeEpZUg4hG
— 夏原秋 (@aki_veins) October 26, 2023
雄大な鯨を前に、人間のゴタゴタがちっぽけに感じられた。そして静かに収束してゆき、最後は一粒の青色が残る。美しい。#さなコン2
ここからはさなコン3入賞作の感想です。コンテストの冊子はずっと手元にあったのに、直近一週間以内に読んで感想を書きました。一次落ちしたから買ったのに、一次落ちしたから読んでいなかった、みたいな。
当たり前だけど、どの作品も素晴らしかった。
「ただよう世界の中で」 だいたい日陰さん
「無重量空間」での人間の生き方の描写が細かい=設定がしっかりしている。そしてキャラクターが立っているところがこの作品の魅力だと思った。最後の一文が全部持っていきますね。
「デスゲームアオカケス」 廉価(roncele)さん
鳥の鳴き声がおかしい。途中何度もふふっと笑った。現場主義者と、机を愛でる研究者の、落差が滑稽であった。スマホと会話するアオカケスとか楽しく想像してしまう、そんなお話でした。ずっと楽しくて好きです。
「潮時」kla:moriさん
ぐいぐい引き込むナチュラルな語り口で、思いもよらない場所に連れて行ってもらえた気分。選評にある通り課題文の関連が薄い印象はあれど、さておいて会話のゆるさがとても好きなお話でした。
「グッバイアンドハロー、アンドロイド」 冬野みはるさん
穏やかな雰囲気ではあるが、小出しにされる情報に翻弄されるのがおもしろい作品でした。後半にかけて、凝っているなあ、となる。最初の方で言及される「設定」が、後からめちゃくちゃ効いてくる。同じ作者さんの、さなコン2024の作品もとても好き。
「歌声は風に舞い」 なかさんさん
突然呼び起こされる衝撃の過去。ディストピアの人情SF、とでも言いましょうか。「未来」って、暴力さえもスマートで綺麗なものになっていそうなイメージがあるのですが、泥臭い残虐描写に、不変の「人間らしさ」を感じました。