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鴨川南下大作戦頓挫回顧録

白馬の殿下の奇跡の勘での爆破 はくばのでんかのきせきのかんでのばくは スーツのまま夜行バスに飛び乗り、肩の凝る6時間後、早朝の八条口に降り立つ。タワーを拝まずそのまま南北線へ。 北大路で降りて資珈琲。チャイラテとフリーバナナ。 犬を愛でる。 ふたばで豆大福を買い、荒神橋の飛び石、上流に向かって座る。 ひんやりと冷たい。 帰宅。ゆうくんとあつこさんは元気そう。自転車に乗ったあいのさんともすれ違い。 大好きなルミさんはパリに。 ukiでメロンパンを二つ買って、丸太町通の入口

    • 2022年11月スマホのメモ

      今年も映画をつくろうと思ったのは思ったよりも監督の存在が大きくなっていたからで。 去年映画を作ろうと思ったのは面白い人たちに出会えたからで。 面白い人たちに出会えたのは何かできることがないか自分で探したからで。 何か探したのは世界が息苦しかったからで。 もしあの時何も起こってなかったらあのままアメフトを続けていて。 そもそもアメフトを始めたのはバスケに飽きてきたからで。 飽きるほどバスケを続けたのはチームメイトに恵まれたからで。 彼らとプレーできたのはもちろんそのスポーツに出

      • また横断歩道まで戻って

        雨にもまけず 風にもまけず 土日でも 夜中でも営業できる丈夫な仲間を持ち 汚れは無く お客の節度も良くて いつも黄色く賑わっている 1日にコーヒー牛乳1本と 味噌とたくさんの納豆を食べ 川のほとりの住宅街の 誰でもふらっと入れるところに 壁には立派な富士山を描き 面白そうな本と 部屋に飾りたくなるようなお花を売り 扉は小さな映画館に繋がっている 東に病気の子どもあれば 足湯か手湯に浸けてやり 西に疲れた母あれば サウナ券をサービスし 南に死にそうな人あれば 風呂で思い出

        • 匂い / ふりさけ見れば春日なる

          目が覚めると、アラビアの空にいた。 乗客はみな、時速900kmでの移動を気にも留めていない。海は東へ流れ、EK319便は時間を遡る方角に機首を向ける。 木曜日 第2ターミナルの3階、チェックインカウンターがずらりと並ぶ。中東を代表するエアラインはそのど真ん中、余裕の笑みで僕を迎え入れる。砂漠をイメージしたベージュのジャケットと真っ赤な帽子、白いベールが持つインパクトは他のどの航空会社の制服にも負けない。黒いスーツを着たイスラム系の職員たちが、荷物を運び入れるベルトコンベア

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        • 旅行記
          4本
        • 空想
          5本

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          真実はいつも一つ!

          ついに江戸川コナンが100億の男になろうとしている。 今までの私なら「おれは昔からのファンなんだ!最近の映画は面白くないし、安室さん目当てのキャピキャピした女の子たちなんて!ふんっ」と斜に構えていただろう。 だがしかし、私はもう大人になった。老若男女古今東西みんなにコナンの魅力を知ってほしい。 ということで、カトウプレゼンツ「劇場版名探偵コナン超個人的おすすめランキング」をここに発表いたします。 ※2024年4月12日更新 去年は灰原が100億の女になりました。 キッド

          真実はいつも一つ!

          左京区民への道

          2024.7.15追記 新幹線の窓から鴨川を見ると結構本気で帰ってきたと安心するので、もう心は左京区民。 七条大橋 京都国立博物館で「茶器」展とかを見て、庭をちょろっと歩いて、それからマクドナルドでシェイクを飲んで、京都タワーを眺めに行く。 正面橋 正面って何に対して?と考えながら角の和菓子屋さんで抹茶の饅頭を買って、食べながら歩きよったらその由来のお寺の跡にたどり着く。 五条大橋 京の五条の橋の上 大のおとこの弁慶は 長い薙刀振り上げて 牛若めがけて切りかかる って歌

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          喫茶銭湯メモワール

          古事記によると、四国というのは本州よりも先に誕生したとされている。 神話というのは"信じる"とか"信じない"とかではなくて、遠い昔から物語がきちんと受け継がれてきたという真実を、誇らしく感じるためにあるのだと思う。 「伊予の国を愛比売といひ」 明治に入って、日本で唯一古事記から名前をもらったのが愛媛県である。 愛媛県は松山というところで、私は大学の4年間を過ごした。 心地よい風のふく街だった。 部活の先輩の夏目漱石さんも、同じ学科の正岡子規も、ほのかにみかんの香りがするこ

          喫茶銭湯メモワール

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          ばいしんじ

          ばいしんじ

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          走れアキラ

          アキラは激怒した。必ず、かの疫病なんかに負けず、試合に出場しなければならぬと決意した。アキラには大人の世界というものがわからぬ。外でプレーをするスポーツに、何の危険性があろうか。けれども部活動というものは、大学のルールを守らなくてはならない。当たり前である。 アキラは去った。他にやりたいことも見つかった。私のことを良く思わない人間も少なからずいたであろう。3年生の夏であった。 アキラは4年生になった。10月の土曜日、久しぶりに試合を観に行った。彼らのプレーを観るのは1年と

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          2日目のカレー

          夕暮れ、11月の6時はもう暗い。 それでも地球は丸いから、空はもう少しだけ明るい。沈んでいく太陽が、遥か上空を飛行する鉄の塊だけを照らす。暗い下界から、光る”昔の夢”を見るのが大好きなんだ。 帰り道では、焼き魚の匂いがする。日本の家庭の匂い、子供の頃の記憶の匂い。もう少し寒くなったら、灯油の匂いなんかが漂ってくるんだろう。あの匂いも好きなんだよ。 炊飯器を開ける瞬間、中から溢れ出る湯気に顔をうずめる。カレーにはスーパーで買ってきたとろけるチーズを3枚も入れる贅沢ぶり。

          2日目のカレー

          「僕の京都案内。」〜おれもPOPEYEにあやかってみる〜

          いつになっても左京区民になれそうにないので、もういっそのこと他の地域のことも好きになってしまおうと思う。そうすれば左京区も嫉妬して、僕の方を振り向いてくれるかもしれない。 大成氏は生粋の"のんべえ"で、酔うとすぐに踊り出してしまう愉快な人なので、これを読めば間違いなく、あなたも京都をフワフワと歩くことができる。 魅惑のシティを紹介するのが23人から24人になっても、みんなお酒案内を読んで踊っているから、気が付かないだろうとたかをくくる。 踊り疲れてぐっすり眠ると、朝の目覚

          「僕の京都案内。」〜おれもPOPEYEにあやかってみる〜

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          古都を散歩してきました

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          檻の中から空を塗る、よりも

          山鉾巡行は今年も凄まじい盛り上がりを見せた。見物客で京がはち切れるかと思ったほどだ。毎年の群集で四条通そのものが広がっているのではなかろうか。このまま放っておいたらそのうち建物が立って、新たな道が誕生するやもしれぬ。その通りの名は一般募集で決められ、例えば「あんこ通」なんて甘ったるい名前が付いてみなさい。時すでに遅し。古都は甘味処に支配されてしまう。 まあ年中清流を飲んで暮らす私の知ったことではないが、きぬかけの路を歩く彼らにとってはどうであろうか。 「なんたることか、今

          檻の中から空を塗る、よりも

          じいちゃんのはなし

          「じいちゃんは思い出しとおないけえ、あきらくんたちだけで資料館行ってきんさい」 話をちゃんと聞いたのは小学生の時の1回だけ。あの朝、6歳のじいちゃんは己斐(今の西広島)におる叔父さんのところへ。 そしてピカドン。 あたり一面に人が倒れとる。焼け焦げとったり、腕とか足がもげとったりするけど、多分人。垂れ落ちた目玉を手で受け止める人、泣かんくなった赤ちゃんを抱えて叫ぶ人。地獄。 「ばあちゃんにも話してくれんのよ。本当に辛い思いをしちゃった人は話しとおないよね」 原爆資料館は

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          サマーカンバス

          納涼床がオレンジ色に灯る。鴨川と空の白さは物語の終わりを告げるようで、ぼくらに向かって「青いですねえ」なんて笑っているようにも見える。これから最後のカット。夏というのはこんなにも、一瞬で過ぎ去っていくものであっただろうか。 302のCに移った。 「外が見えた方がいいでしょ」 ルミさんにそう言われて。彼女は今日もワンピースをふりふりさせている。最近入れたインナーカラーが気に入ったみたいで、心なしかぼくへの「行ってらっしゃい」にびっくりマークが付いている気がする。 「ルミさん、

          サマーカンバス

          京阪の桜 ハル告げる

          先に言っておくと、私は今から旅行記を書くつもりである。 しかし旅というものは私の頭をフル回転させ、 壊れた時計のようにぴたっと止めるもので、折れるのではないかと心配になるほど感情を揺さぶったり、それを瀬戸内の海よりも静かにさせたりするものであるから、 つまり何が言いたいかというと、 おそらくとてつもなく長く、読みづらく鬱陶しくて、近くの壁に向かって力の限り投げつけたくなる文章になることが予想される。 いやなる。 画面が割れないうちにアプリを閉じるか、途中で甘いものを口に入れ

          京阪の桜 ハル告げる