3歳になった娘に、風邪薬と明言して渡した話 -前編-
産前産後でいろんな情報を取り込んでいた私は、子どもが2歳になるくらいまで、子どもの食に少し過敏だった気がする。
だから与える市販のお菓子も、対象年齢が明記されているもので、与える種類も少なかった。
飲み物も、水か麦茶がほとんど。たまにココアや牛乳。
そのためか、3歳の娘はジュースがあまり飲めない。レストランや自販機の子ども用ジュースは、一口飲んでダーッと吐き出す。果物としてみかんやりんごは好きだけど、ジュースはダメ。果汁100%みたいな、本物に近い味のものは良いらしい。クレヨンしんちゃんか。
ちなみに夫は、果物の加工されたものが苦手らしい。レーズンパン、アップルパイ、フルーツタルト、果物入りゼリーなど。果物本来の味と異なる人工的な甘味が嫌なのだとか。あと食感も。
話を娘に戻そう。
お菓子に関しては、徐々に取り入れた菓子パンや夫が内緒で与えたチョコから甘いものに目覚め、いまや寝起きや帰宅後の開口一番は「なんか(お菓子が)食べたい!」だ。なんてことだ。
そんな娘のことですごく困るのは、風邪を引いたとき。
まず水分補給としての飲み物だが、経口補水やポカリは「なんか変な味がする」のでだめ。甘いじゃん?甘いお菓子は好きじゃん?なぜ?
最大の難関ミッションは、風邪薬をいかに飲ませるかだ。処方される風邪薬は、だいたいオレンジ風味。
しめた、娘はみかんが大好物だ。いけるだろう。
粉薬を“おくすり飲めたね”のゼリーに混ぜても、オブラートに包んでも、水で練って上顎に擦り付ける手法も、ことごとく撃沈した。
薬剤師さんおすすめの混ぜものは、ジュース、ココア、練乳、アイス、ヨーグルト。
ジュースは前述の通り、単品でも飲んでくれないので除外。
練乳は甘味が強すぎて、今後癖になりそうだから避けたい。
そうして、ココア、アイス、ヨーグルトに混ぜて渡してみた。見事に食べてくれていた。一安心だ。
しかし成長して体重が増えれば、粉薬の量も増える。
次第に、しれっと混ぜて渡しても「なんか酸っぱいよ…?嫌だ!」と頑として受け入れてくれない。
なんてことだ。
こうして、熱を出しても鼻水が出ても、処方薬は飲めないまま、自然治癒することが続いていた。
自然治癒だと治りも長くなる。子どもも辛いだろうが、共働きの我々もつらくなってくる。
なんとかせねば。
娘が3歳になった。
ある日、発熱と鼻水のため、保育園から呼び出しがあった。その日のうちに病院へ。
いつも行く近所の病院は休診だったため、以前通って行いた小児科へ。恐らく単なる鼻風邪でしょうと、早々に熱は下がっていた。しかし鼻水は続く。
処方されたのはシロップ。粉を希望すればよかったかな?と心配したが、これがかえって私を決意させた。
もう、薬を何かに混ぜるのはやめよう。
薬は薬と認識させて飲ませよう。
そして、その日の夕食後にミッションを実行した。
後編へ続く