#7 古着屋にネットショップはいらない。(2)
こんにちは。akishowです。
なんと前回の更新から1ヵ月も経ってしまいました。もし続きを待っていていくれた方がいたらごめんなさい。今回ボリュームを増やすから許して。
新しい古着屋開業サポートの案件が入り、おかげ様で少し忙しい日々を送っていました。
22歳の大学生が相談に来てくれ、場所は公開できませんが年内オープン予定で準備を進めています。
どんな感じで話が進んでいくのか、手順やサポート内容など新規の方へ向けては、また別のタイミングで書いていければと思っています。
前回の続きになります。未読の方はまずこちらをお読みください。
せどりとか、転売とか。
悪いとは思っていない。複雑で目に見えていないから分かりにくいだけで、根本はどんな商売も同じようなことだし。
古着屋は商売の基本みたいな楽しさがある。
安く仕入れて高く売る。需要が低いところか需要の高いところへ流す。
これに加えて醍醐味は自分で需要を生み出せることではないだろうか。
この醍醐味こそが古着屋の本質であり、リサイクルショップやメルカリなどとの線引きできるポイントだと考えている。
これが今回のタイトルの意味と実店舗をオススメしている理由で、店舗ないし人に対してお客さんがつくかどうかということを意識しよう。
昔と違うのは単純にモノに対して対価を払うのは終わりつつあるということだ。
モノやサービスの品質は均一的もしくは底上げされ、もし何かあろうものならレビューされ淘汰されていく。インターネットの登場で同じようなものは簡単に比較することができるし、スマホの普及によって歩きながら、実際の商品を手にとりながら調べることができるようになった。
ではどうしたらいいのか。モノ(は当たり前として)ではなく、"この店がセレクトしているから"、"この人がオススメしてくれているから"といった体験が必要であり、古着なので実際には同じものは無いんだけど、
"何を買うか"より"、どこから買うか"、"誰から買うか"
が求められている。ファンを作れるかどうかと言った方が早いかもしれない。
ネットショップやメルカリではこの関係構築が難しい。画像や言葉での訴求は限界があるし、洋服で1番大事な生地感や肌触り、袖を通した後のシルエットは、実際に自分のもとに届くまでは確認のしようがない。
リスク面で言うとそれはクレームに直結するものだし、もし突如プラットフォームが閉鎖されたり、同じような、だけどより利便性の高いサービスが現れた場合、完全な移植は難しいだろう。
1から作り直す?確かにSNSなどの繋がりがあれば元に戻すスピードは速くなるかもしれない。経験は無駄にならないからスムーズに再開できるかもしれない。
ただ、顔を合わせて、膝を突き合わせて、実際の空気に触れて共有した体験・感情に勝ることはないだろう。
おまけ1
1:5の法則
というマーケティング用語がある。これは新規を獲得し販売するためのコストを1とすると、既存客(顧客)に販売するためのコストの5倍必要になるというものだ。
急にそれっぽいことを言ってみたけど、実際これはけっこう重要なことで、当たり前のように聞こえるけど、分かっていないことが多い。
ほらよく新規フォローで何とかキャンペーンとかやってるじゃん?あれが良い例で、売上を上げたいからやっているんだと思うけど矛盾してない?
たぶん売上が良くならないからキャンペーンをやってお客さんを増やそう!的な発想だと思うんだけど、コスト(時間やお金)の概念が抜け落ちてる。
やる事は簡単だし、新規顧客の獲得も必要なんだけど、それは事業を拡大させるフェーズに入ってから(もしくは開業当初)の打ち手であって、低迷または横ばいの時にやることではない。
売上は上がっても利益が下がっているなんて悪循環に陥って、最終的には八方ふさがりな状況になりかねない。売上=利益ではないことには十分といっていいほど注意しよう。
ついでに付け加えると5:25の法則なんてものもある。
顧客離れを5%改善すれば、利益は25%改善されると言われていて、要するに既存顧客を維持する為の施策の方が大事てこと。
がっつりマーケティングの話になっていくから、興味のある人は各自調べてみてほしいけど、この辺りの話が分かってくると僕が実店舗をオススメしている有用性に気づけると思う。
おまけ2
全員に当て嵌まる訳じゃない新規顧客獲得の方法
書くか迷ったけど特殊な条件だし、今の時世では取りにくい方法だから公開する。
きみはお酒飲む?行きつけの飲み屋があったりする?
個人事業で10年やってきて広告やプロモーションなんかよりも、よっぽど費用対効果が高い方法は、飲みに行って他のお客さんと喋ること。
これだけ。
実際の広告を打った際の効果としては良くて1桁%、体感で申し訳ないけどこの方法は60%~80%ぐらいが来店して購入してくれてる。
しかも(自分の飲食代はかかるけど)ノーコスト、1杯奢ったとしても1000円ぐらいだろう。
飲みにいきたい気分の時に行って、店主と喋って、スタッフと喋って、そんなプライベートの延長線上で楽しく話すだけだ。
店の選定をして顔なじみになっておく。出来そうな人はすぐに、開業前の人も実践してみてほしい。お酒が飲める前提になってしまうけど、計画書より僕は重視している。