13.速杉ホクト_大人たちの過去(1)
13.速杉ホクト_大人たちの過去(1)
シンカリオンの魅力のひとつは、大人たちを主軸にしても十分成り立ちそうな構成があるのに、それを惜しげもなくバックボーンに回している所である。正直非常に勿体無いし、感謝祭で監督の仰ってたジャンパーの引継ぎの話、凄く凄く知りたい気持ちでいっぱいなのだが、その辺りを人柱として沈めて、あくまで子供向けに作っている辺り、贅沢の極みである。
しかし、しかしですよ、その人柱の部分を後々でもいいからやはりどこかで打ち明けてほしいのである。ホクトを中心とした大人たちがどのような心持ちで日々を積み重ねてきたのか、それが光のもとにさらされた時、シンカリオンという物語はますます厚みを増すと思う。スピンオフで構わない。いつか…叶わない思いかもしれないし、それまで自分が生きているのか知らないが、仮にあの世へ行っても夏色の天国から通販申し込みますから。
若い頃のホクトのまだ甘ッちょろくてぼんやりした感じからするに、突然の事に驚きながらもこうしたヘッドハンティングは男なら一度は憧れるだろうし、出逢った先の清洲さんがまた実に憧れの対象であったと思う。いわゆる「メンターを持て」というやつだ。
明日に続きます。