17.速杉ホクト_けれども、その先に

17.速杉ホクト_けれども、その先に

八代所長と話す為に地底へ赴くホクトたちだが、この時の無防備ぶりには正直驚いた。殆ど遊園地のアトラクションに入っていくかのように武器も持たず徒歩でてくてく歩いてゆく。

そもそもなぜシンカリオンから降りてもパイロットスーツなのかということを差っ引いても、いや、逆にあのスーツに凄い能力があるならまた別なのかもしれないが、ポケットもなさそうだし、武器を隠しておけるとは思えない。出水はもしかしたらボールペン型の凶器くらいは隠し持っているかもしれないが、少なくともホクトとハヤトは自分たちがやられるとは微塵も思っていないのだ。私はこのシーンは概念なんじゃないかとずっと思っているが、それにしても無防備である。


しかしおそらくそれこそが、この作品の特色であり、底辺を流れる何かである。人は分かり合える、少なくとも互いを尊重出来ると。そのように進化していくことが理想であり、その具現化がハヤトとホクトに流れている血なのだ。だから相手を信じようとするし、ユルい。

たぶんそういうことなんだなと思いながら、ハヤトの「元」になったホクトの立ち位置に今日も思いを馳せるのである。