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SNSで話題の絵本
息子がまだ小さいので、本屋に立ち寄ると必ず絵本コーナーもチェックしている。
自分が子供の頃に持っていた絵本を見つけて懐かしくなったり、最近出たものでも気に入って衝動買いしてしまったり、とにかく絵本コーナーはこの歳になってもわくわくする場所だ。
先日も絵本コーナーをぷらぷらしていて、「SNSで話題沸騰!」みたいな感じの帯が目に留まった。表紙の絵が可愛かったこともあり、手に取って読んでみたのだが、そこで私は衝撃を受けた。
こんな絵本、自分の子供には読ませたくない。
正直なところ、そう思った。
「こう読んでほしい」「こういう感想を持たせたい」という書き手の想い、嫌な言い方をすれば欲が、あまりにも出すぎているのだ。
いい話だし、大人が読んで感動するのはわかる。でも、だからと言って子供にとっても"いい絵本"なのかは、また別のお話だろう。
昔から読まれ続けている絵本を挙げれば、"いい絵本"がどういうものか、よくわかる。
例えば「はらぺこあおむし」。これを読んだあとに子供たちがどんな感想を抱くのか、私は想像がつかない。「蝶々が綺麗だった」と言う子もいれば、「食べ物が美味しそうだった」と言う子も、「お腹が痛くなってかわいそうだった」と言う子もいるだろう。それは一人一人で違うだろうし、また、同じ子供でも年齢によって着眼点は変わってくると思う。
絵本の存在意義は、「子供の感受性を健やかに育てる」ということだと私は考えている。つまりそれは、子供自身が、自分がどういうものにどう感じるのかを知る、ということだ。ご丁寧に答えを用意された物語なんて、その大事な作業を阻むものだとすら思える。
そもそも、子供に"感動"なんて必要なんだろうか。私たち薄汚れた大人とは違って、彼らは生きているだけでいろんなことを発見し、考え、学んでいる。そのたびに、心は大きく揺さぶられるはずだ。あえて私たちが与えるまでもないと思う。
ちなみにうちの息子は赤ちゃんの頃、「はらぺこあおむし」のお腹が痛くなるところで毎回必ず笑っていた。