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専門看護師の頭の中はやたら回りくどい〜専門看護師って何?Part 1〜


こんばんは、あきです。

去年の友人の結婚式での写真を載せてみました。写真のチョイス、すみません。笑顔をお届けしたかったのですが、なんかすみません。

今回は専門看護師の内容について書いてみようと思います。

専門看護師と名乗っていても、実際に特別な権限が与えられていたり、昇給するわけではないので、「専門看護師って何?」という質問に一言で答えにくいわけです。

なので、専門看護師の6つの役割(看護実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究)という点で少し業務内容をお伝えしたいと思います。

専門看護師3年目のまだまだひよっこの私がどのようにして役割開発、役割獲得ができるのかは、このnoteで共有していけたらいいなと思っています。これから専門看護師を考えている方、プレ専門看護師の方はイメージがついたら幸いです。今、試行錯誤中なので、成功体験ばかりではないことをご容赦願います。

このnoteは一見専門的に見えますが、できれば医療従事者以外の方にも知っていただきたい、そんな思いからできるだけ専門用語に頼らないように書いています。

ふらーっと読んでいただけたら嬉しいです。



看護実践

まさにこれは根拠に基づいた、医学に基づいた質の高い看護を患者さんやその家族に実践しているか、というところです。

よく言われるのは、『複雑で解決困難な事例』『卓越した看護実践』というキーワードが出てくるのですが、なかなかこれが難しい。ベテランの看護師だって、十分に困難事例に対応しているし、それこそ卓越しているなと私も感じます。では専門看護師って?

数年臨床に戻り、実感というか自然とやっていることは、まず仕事はじめに受け持ち患者さんに限らず自部署の患者さんの情報を確認しておくこと。これによって『複雑で解決困難』そうな対象者へのアンテナが高くなります。記録上、ちょっと大変そうだな、治療上いろいろな問題がありそうだなという時には、すぐに介入しないでも気にかけるようにしています。ここで首を突っ込んでいたらそれこそ自分の受け持ち患者さんの看護やケアが疎かになるので。余裕があれば、スタッフの困りごとになっていないか探りつつ、必要な時にはケアの相談に乗りつつ「実践」を行うわけです。

私の中では、たまたまでも大変そうな患者さん、重症な患者さんへ受け持ちしながら直接介入した時には「直接実践」、スタッフの困りごとや、大変そうな時に一緒に考えたり、ケアプランを共有した介入は「間接実践」と区別しています。

実はこの辺の介入の意図や「相談」を経て系統立てて?戦略的に?考えているところが専門看護師っぽいのかもしれません。専門看護師の方と事例検討会をしたり、情報共有をしているとこのような話がたくさん出てくるので、特性と言えるのかもしれません。

なかなか人工呼吸器が外せない重症な患者さん、医師もどうしたもんか...と悩みはじめます。肺炎なら抗生剤での治療ですし、無気肺(細い気管に痰が詰まってしまう)なら気管支鏡と言って胃カメラの気管バージョンを行って痰の吸引をするなどの医学的な処置があります。ここで看護師の出番です。痰を出しやすいような体勢にしてあげたり、必要な時に痰を吸引して出してあげます。患者さんが苦しくないように、でも早く人工呼吸器が離脱できるように支援していくのです。人工呼吸器がついていることによる合併症もあるので、起きないよう工夫も必要になります。それでも長期的に外せなければ、呼吸筋(呼吸をするときに自然と使っているき筋肉)は弱まり、より離脱できなくなります。なので看護師はケアプランを立てて計画的に支援して行きます。それでも難渋してくると、私も身を乗り出して何が問題になって人工呼吸器が外せないのかを分析し、より問題点に焦点を当てたケアプランを練ります。呼吸に関する先行研究文献を読んだり、専門書を出して肺のこの部分の痰にはこの姿勢がいいなど、より医学的な知識を集めながらケアを模索して行きます。

長期的な介入が必要そうな(重症集中管理がしばらく必要そう)(身寄りがいなくて今後の療養にも介入が必要そう)(積極的な治療が必要なのかどうか、倫理的な問題が生じている)対象者の場合、プライマリー看護師がつきます。

プライマリー看護師とは、メインでその対象者を担当する看護師を指します。チームプライマリー制と言って、複数の看護師でチームで担当する場合もあります。私の部署では対象者に対して、プライマリー看護師を2人つけるようにしています。

ご存知のように、看護師は勤務交替制なので、いつも毎日いるとは限りません。夜勤明けで3連休なんてこともあり、その間は担当できないので2人の看護師をメインとしてプライマリー活動をしています。

プライマリー看護師がメインとなってその対象者の看護ケアプランを練るのですが、やはり対象者の性格やこだわり、ご家族の希望や思いだったり個別性を考えながら検討していくことは難しいことも多いのです。


相談〜コンサルテーション〜

そこでたまに、私に相談してくれるのですが、それが、専門看護師の役割②、「相談」です。相談といっても、○○ってどこにありましたっけ?挿管(呼吸状態が悪化した人に喉から気管に入れる処置)ってどう介助ついたらいいですか?から、この患者さんのケアプランがどう立てていいのかわからなくて...あの患者さんのご家族が精神的にしんどそうで、どのように関わっていいかわかりません。など「相談」と一言で言っても様々です。

相談内容に関しては問題の明確化が双方で重要だと聞きます。相手の相談内容が、場所を聞いているだけであれば、そこに意図は必要ないですし(もしも物品の場所があまり適さないのであれば介入は必要になるかも)、挿管の介助方法がわからないのがそのスタッフ一人ならその場で伝えればいいかもしれませんが、複数いるのであればそれは部署のニーズとして考えなくてはなりません。すると問題の明確化としては部署内での挿管介助方法を学ぶような機会設定が必要となります。

患者さんのケアプランや家族とのかかわりの相談であれば、これは相談(コンサルテーション)として受け入れ、相談者(コンサルティ)との情報共有から問題の明確化を行い、相談者(コンサルティ)中心の問題なのか、患者(クライアント)中心の問題なのかを捉えて行きます。

実際にそのようにする場合、同じ部署内で堅苦しいことをしていてはスピードを持って対応が難しいので、さらっと問題の明確化をして具体的な提案をしてしまうことが多いのですが、コンサルテーションを学んだ時には思考として整理するのにとても役立ちました。

川野雅資(2013). コンサルテーションを学ぶ. クオリティケア

同じ部署内で相談されるということは、信頼関係が必要となります。普段から自分が実践して、ある程度的を得た看護をしていないと、「あの人に相談しよう」にはなりません。そういう意味でも、自分の看護実践が重要になります。率先して看護実践をすること、そして聞いてみようかなと思ってもらえるようなかかわりが必要だと痛感します。

このように記述していると、一般に言われている看護師の仕事とだいぶ雰囲気が異なってきていますね...このような思考過程をさんざん大学院で事例検討を通してやった気がします。ペーパー上、机上で検討してきましたが、これがまた臨床に戻って患者さんやスタッフを目の前にして行うとなると綺麗事ばかりではいかないこともしばしばですが、後追いでもいいから必ずかかわりのリフレクション(内省)をしてから一日を終えるようにしています。

リフレクションは色々な定義があるため、これというのは難しいのですが、わかりやすかった定義は「状況との対話をしながら、実践家が行動について意図的な選択を行い判断するために、経験を注意深く根気強く熟考するものであり、自己との対話を通して自分自身や自分の行為に意味づけをするプロセス」by 田村由美先生 です。

「なんであの時、あの子はそんな相談をしてきたのか」、から始まり、「私はその時どう思ったのか」、自分の感情の振り返りまで行います。この感情の振り返りをしておくと、自分がどんなときに嬉しいと感じるのか、悔しいと感じるのか、怒りがわくのか、自分自身の特性を知ることにもなるので、リフレクション、すごくおすすめです。

田村由美・津田紀子(2008). リフレクションとは何かーその基本的概念と看護・看護研究における意義. 看護研究41(3).
東めぐみ(2009). 看護リフレクション入門 経験から学び新たな看護を創造する. ライフサポート社.

この相談役割、コンサルテーションとも言っていますが、学び始めてから一気に看護師、医療職の枠を超えて様々な職種の方との話が理解できるようになってきました。

そうやったら自分を活用してもらえるのか、という点ではコンサルテーションをもらえるような工夫、広報活動も必要になるわけです。自分の部署に限らず、私を知らない他の部署のスタッフがどうやったら私にコンサルテーションしようと思ってもらえるでしょうか。

こうなると、コンサルタント と言われる職業の方の話はすごく勉強になりました。

私の場合、院内で活動する多職種(医師や理学療法士、臨床工学技士など)で活動するチームに入れてもらえたので、組織内、病院内をラウンドする機会がいただけました。なので、迷惑にならないよう、かつ負担に感じさせないよう、便利だ、活用できると思ってもらえるような接遇や姿勢が重要となります。顔を見せて、そういえばちょっと相談が...くらいの気軽なところから、が目標です。草の根運動です。そんなことを続けています。

相談を受けたときもどれだけスピーディーに、かつ有益に、かつ継続性があるようなかかわりが重要だと思っています。それこそ私も勤務交替制なので、いつでも対応可能ではありません。限りある資源の中で有用だと思われる最大限と考える必要があると思っています。

ここまでくると、営業活動に近いと思っています。(本職営業の方、そんな簡単じゃないよって思われた方、失礼いたします)

たまに私は看護師なのか、関連部署や関連職種間の調整人間なのかというくらい色んな調整をしていて終わる日があります。

調整〜コーディネーション〜

そこで専門看護師の役割その③、調整が出てくるわけです。それぞれ役割が独立しているようで、全て絡み合っているところがまた説明を難しくさせるなといつも思います。

調整とはそれぞれの職種(リソース)を十分に理解した上で、患者さんや家族に必要なケアを円滑にするために行われます。

そのため関係のある他職種とは日常からコミュニケーションをとり、情報共有をしておく必要があります。集中治療が必要な患者さんが少しずつ回復してきたところで、今後は一般病棟、そしてリハビリテーションのために別の病院へ転院かな...と道筋が見えてきたところでソーシャルワーカーさんへ早めに相談していく...など。他の職種の得意技を知っておくことでより有効活用できますし、何より良いタイミングで繋げられるとそれぞれ介入しやすいんです。

集中治療を終えてから、リハビリテーションのことを理学療法士さんへ相談しても、今や集中治療を受けている患者さんに早期リハビリテーションが推奨される時代。そんな後手後手の調整なんかしていると信頼関係は無くなります。まあ、リハビリテーションに関するコンサルテーションは担当医が早期にしていることが多いので、私が出る幕でもないのですが。

医師と患者さん、家族の間の調整役割が多いかもしれません。医師からの病状説明や治療の提案の場に看護師として同席して、終わった後で少し立ち話程度に感想を聞いたり、思いを聞いたりすることで、何を不安に思っているのかを知ることができます。医師としては自分がわかりやすい説明ができたのか、気にしているようなので、後から患者さんや家族の反応については共有したりします。もしその場で患者さんやご家族の不安の要因が情報の不足なのであれば、補足説明をしたり、日を改めて医師からの説明を追加したりしています。

これらは私だけでなく、看護師みんなしてくれます。特に時間の調整や、情報共有というところでは一生懸命しているようにみえます。私が心がけていることは、医師からの説明の前に一度看護師として話を聞く、「何を思っているか」「懸念していることがあるか」患者さんご家族が抱えている問題の明確化をしておくことで、医師からの説明が随分と焦点化され、理解しやすい上に医師としても一緒に治療に励んでいるという目標の共有ができるので、大切にしています。また終了後にも家族と話をして、ご家族の率直な思いや考え方や信念、価値まで時間があれば共有します。そうすると、患者さんに何かあった場合、家族はどうしたいかがすこーしだけわかるのです。少しでも状態が変われば連絡してほしい家族なのか、家族の事情があって、本当に危ない時しか病院にこれない、などそれぞれの状況は異なります。なので、家族と話せる時にはなるべく話すようにしています。

ついつい家族のことになると熱くなり過ぎてしまうので、本題に戻します。

調整ということになると、これは入れていいものか悩みますが、スタッフと管理者のちょっとしたつなぎを意識して担うことがあります。専門看護師として部署外で活動するときはもちろん、自部署内で何かやる時には管理者(看護師長・看護副師長)に相談のうえ行うので、管理者と話をする機会はスタッフより多いと思います。また、勉強会にしても部署の業務改善にしても部署の目標や意向には合っていないといけないので、必然的に計画立案の時点で管理者と話しています。管理者が何を大切にしているのか、管理者が抱える葛藤、スタッフへの思いも聞くことが多いので、私はなるべく言葉でスタッフに伝えるようにしています。まさに草の根運動。スタッフに何でもかんでも話すのではなく、必要に応じて、その人に必要なことを伝えます。

逆に、私はスタッフと同じように日勤も夜勤も行い、同じ業務を行っているのでスタッフがどんなことが大変で、どんなことに困っているかを感じることができます。経験年数の差から感じ方の違いはあれど、スタッフが教えてくれる愚痴を聞いたりすることでスタッフ目線でいられると思っています。なので、その現場のことを管理者に伝えるようにしています。管理者も人員配置だけでなく、患者さんの安全、スタッフの環境整備と色々なことに気を遣ってくれるので、スタッフの反応は気にしています。なので、フィードバックという形でなるべく伝えるようにしています。

私もスタッフと振り返りや勉強会をした時には、そのスタッフの反応が気になりますし、自分のかかわり方はどうだったかいつも気にしています。そんな時に感想など反応をもらえるとやっぱり嬉しいものです。


ここまで看護実践・相談・調整と3つ書いてきましたが、やはり長くなってしまいました。

残り3つについては、また後ほど書いていきたいと思います。

看護師を目指している方、専門看護師を目指している方に参考になったら嬉しいですし、

医療関係者じゃないけど、なんか気になる方に読んでもらってへーそんなこともあるのかなんて感じてくれたらもっと嬉しいです。

いつか家族ケアについても思いを綴って行きたいな〜

休みの日はアクティブに過ごしてきた私ですが、今の完全自粛ムードで自宅生活も慣れてきました。こんなに時間てあったんですね。

完全自分次第で過ごし方がどうにでもなってしまうということを痛感し、少しでもHappyで前向きな生活を過ごしたいものです。

家族看護専門看護師の先輩が、家族看護はBestを目指すのではなくBetterを探すのですと言っていて、今も頭にしっかり残っています。Bestを尽くす事ばかり考えてしんどくなったらBetterを探してみましょう。

みなさんも少しでもHappyな日々を。

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