フェミニストによる炎上の理由と問題点 ~差別体験の乱用とステレオタイプな萌え絵認識~
はじめに
このnoteは昨今のフェミニストによる、いわゆる「萌え絵」の炎上への対策を考えるため、今までの炎上時にSNS上で見られた意見を整理し、炎上の理由と問題点としてまとめたものである。
炎上の一般的特徴を簡潔にまとめることを目的としており、普段は炎上から身を遠ざけている方にも炎上の問題点が伝わるように志した。
フェミニストによる炎上問題と向き合わざるを得なくなったとき、このnoteが問題を理解する上での一助となれば幸いである。
だれが炎上させるのか?
表現を炎上させるのは過激派フェミニストである。俗にツイフェミと呼ばれるような主にTwitter上での活動が目立つフェミニストである。
男性への強い嫌悪感を抱いており、男性に対して「キモい」などと差別的な発言に躊躇いがなかったり、自分たちに共感しない女性を「名誉男性」と呼び誹謗中傷するなど、SNSでの過激な言動が目立つ。
以降、単にフェミニストと記述するときは、このTwitter上で活動する過激派フェミニストを指すものとして使用する。
なぜ炎上させるのか?
端的に言えばフェミニストにとって「男性のために表現されたと感じられる女性の表現」が不快だからである。フェミニストは「女性の表現」から感じ取れる「男性の性的な視線」に強い不快感を抱いており、その不快の元を排除しようと炎上を起こす。
差別体験の乱用
しかし、フェミニストが抱く不快感は主観的な要素が強く、表現のあらゆる要素を性差別に結びつける「差別体験の乱用」が見られるため、炎上の対象が際限なく拡大している。
【フェミニストによる主張の例】
制服を着ることで男性から性的な視線で見られ、制服を着ることに恐怖を感じる人もいる。制服姿の女性は性的アイコンとして見られていて、制服姿の女性が描かれた萌え絵は見たくないし、見ると不快になる。むやみに制服姿の女性を描くことは受け手に女性を性的に見ていいという誤解を与えかねず、現実の性差別や性犯罪を助長している。
本来、制服はファッションの側面を持ち、そのデザインが進学先を決める動機にもなりうるものである。にもかかわらず、制服から特定の性差別体験を想起できるからといって、表現の持つ「性的」な側面以外を無視して「性的アイコン」とするのは「差別体験の乱用」であり、そこには以下の問題が挙げられる。
1. 主観に基づく「際限ない社会の配慮の要求」
フェミニストは「性差別体験の想起」を根拠に「表現が現実の性差別を助長させる」と主張して表現の排除を求める。しかし、その「性差別体験の想起」は個人の主観によるものであり、その対象に際限がない。あらゆる表現が「性的」とされうる危険性をもつ。
例えある表現が個人にとって性差別を想起させたとしても、それを理由に公共空間から排除するには、表現が現実の性差別を増加させている明確な根拠が必要である。一部の人が不快だからという理由で表現を排除することは社会の多様性を損ないかねない。
2. 表現の持つ多様性を無視した「表現の性的アイコン化」
表現には多様な側面があり、必ずしも性的に捉える必要性はない。表現から想起した性差別体験から、その表現を「性的アイコン」として配慮が必要なものとするのは、その表現から性的以外の側面を無視したフェミニズムの価値観の押しつけである。
特定の表現をステレオタイプに「性的」と見做すことは、その表現の持つ多様性を蔑ろにし、かえってその表現を「性的なアイコン」にしかねない。根拠もなく、表現の排除が現実の性差別の減少につながるとするのは無責任である。
3. 一般女性の透明化
その表現が「性的」に見え「差別体験が想起」されてしまうのはフェミニストにとってであり、フェミニスト以外の女性の価値観を無視している。表現に多少の「性的」要素があるからとして必ずしも「差別」に結びつける必要性はない。表現にはそれ以外にも多様な側面が含まれている。
にもかかわらず、まるでフェミニストが女性の代表であるかのように、ある表現を「女性差別」「現実の性差別を助長する」と主張するのは「主語の全体化」であり、女性の権利と称してフェミニストのステレオタイプな価値観を押し付けることになりかねない。
4. 女性の主体性の無視
フェミニストは例え表現の担い手が女性であってもその主体性を認めない。フェミニストにとってその表現が性差別を想起させるものであれば、それが女性による主体的な表現であっても炎上の対象となる。
モデルや創作されたキャラクターなど実在・非実在を問わず、今まで多くの女性の表現がフェミニストの炎上対象になってきたばかりでなく、その担い手である女性に対しても「名誉男性」「男性へ迎合する都合のよい女性」など女性の意思や主体性を認めない差別的な発言が行われてきた。
なぜ「萌え絵」の炎上が多いのか?
「萌え絵」の炎上が多いのはフェミニストが「萌え絵」=「男性のために表現された女性」という、ステレオタイプな価値観を持っているからである。既に「萌え」という言葉が死語であり、若い世代の間では既に「萌え絵」=「普通のイラスト」になっていることにフェミニストの価値観が追い付いていない。
既にイラストレーターの7 割近くが女性であり、 その半分は20代の女性である。今や「萌え絵」は男性のためだけの表現ではない。
にも関わらず、フェミニストが「萌え絵」を炎上させる際の主張は以下のようなものであり、「萌え絵」=「男性が性的に見るもの」とステレオタイプな価値観にとらわれている。
【フェミニストによる主張の例】
その表現は女性を性的なモノとして扱っており、受け手に現実の性差別や性犯罪を容認させる。性的興奮を目的にしている絵を公共空間に出さないでほしい。
女性担当者に任せた企画であってもフェミニストの炎上の被害にあってしまうのは、現代の流行とフェミニストのステレオタイプな価値観との間にギャップがあるからである。
表現には多様な側面があるにも関わらず「性的」な側面のみを抽出することは、「表現の性的アイコン化」であり、フェミニストのステレオタイプな価値観の押しつけでしかない。
どうやって炎上させるのか?
炎上の根拠は「フェミニストが表現から性差別体験を想起したことによる不快感」である。とはいえそのままでは正当性に欠けるため、その不快感をいわゆる「性的消費」「性的対象化」「性搾取」「性差別」という言葉に言い換え、表現が「現実の性差別や性犯罪を助長する」と主張して炎上させていく。
【フェミニストによる主張の例】
その表現は女性を性的対象として描写していて女性が性的消費されている。
その表現は性差別で性搾取であり現実の性犯罪を助長している。
フェミニストが炎上に使う「性的消費」「現実の性犯罪を助長する」などの主張は「男性が喜びそうな表現が性差別や性犯罪を想起して不快」と言っているに過ぎない。あくまでフェミニストにとって性差別や性犯罪が想起されるだけに過ぎず、ある表現が現実の性差別や性犯罪につながる根拠は存在しない。
過去に、全国フェミニスト議員連盟が松戸市ご当地VTuberである戸定梨香氏の見た目に対して、「現実の性犯罪を助長する」との主張を行ったものの、その根拠を問う7万人の署名を集めた公開質問状に答えることができていない。
なぜ炎上が横行するのか?
例え根拠がないとしても「女性差別」のレッテルは企業への批判として強力な力を持っている。炎上を仕掛けられた企業としてはイメージの低下を避けるため、フェミニストの要求を受け入れざるを得ない。
またSNSでの炎上は規模を図りづらい。例え一部のアカウントが積極的に騒ぎ立てているだけとしても大きなものに見えてしまう。また感情的なつぶやきが拡散されやすくその主張の妥当性は無視されがちである。SNSは炎上させる側にとっては都合のいい環境であり、炎上が絶えることなく続けられている。
本来、「その表現が現実の差別や性犯罪を助長する」と主張するのであれば、その明確な根拠を示す必要がある。例えある表現が一部の人にとって性差別を想起させたとしても、一部の人が不快だからという理由で表現を排除し続けていたら、行き着く先は不寛容で多様性が失われた社会である。
おわりに
昨今フェミニストによる炎上問題が続いており、それがフェミニストの主観的な不快感に由来する以上、残念ながら、炎上は今後も止むことはないと思われる。フェミニストによる炎上はいつでもどこでも起こりえるものとして、炎上の問題点と対策をセットで広めていく必要があると考える。
本来はここで見てきた炎上の特徴と問題点を踏まえた上で、「温泉むすめ」の事例をモデルケースに、炎上が起きた際に企業や個人が取るべき効果的な対策を、味方を増やすことが重要だとの観点からまとめることまでが目的であった。折を見て続きの記事を執筆していく予定である。