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「拡げる」と「絞る」を繰り返して、考えをまとめていくことが大事って話。

どの記事か忘れてしまったけど
少し前にNewspicksの記事でエンジャパンの人が
人材紹介は「ゆらぎ」を作る仕事だと言ってました。

確かに、候補者の視点から見て
明確にやりたい仕事があって
その人に仕事に就くだけの力があれば、
人材紹介を利用する必要性はあまり高くないし
むしろ直接応募の方が煩わしさは少ない。

問題は、すべての候補者が自分がしたいこと、
自分に向いていること、自分がすべきことを
きちんと把握できているわけではないということ。

ただエージェントはあくまで
候補者の意思があってはじめて存在しうるので
候補者の意思形成の伴走者でなければなりません。

これは対象を候補者ではなく、採用企業にしても同様ですね。

価値観を持ち、それに基づいて
事業を展開することは素晴らしいことですが、
それを相手方までに強要するのは少し違和感です。

そういう意味で冒頭の「ゆらぎ」を作る、
くらいのニュアンスがしっくりくるなというのが個人的な意見です。

この点、いつも言っていることではありますが
キャリアカウンセリングでアドバイザーたる我々がすることは
基本的には二つだけです。

それは「拡げる」ことと「絞る」こと。

2020年度のビジネス書大賞で特別賞を受賞した
「両利きの経営」では「探索(exploration)」と「深化(exploitation)」
という表現を用いて、この二つの重要性を謳っているので、
キャリアカウンセリングに限った話ではないのかもしれませんね。

以前にも日報に書いた内容ですが
例えば「成長」軸で仕事を探している人のカウンセリングにおいて

①伸びている業界
②停滞している業界
③落ち込んでいる業界

このうち、どれが一番成長できる業界だと思いますか?

という風に選択肢を提示することは
相手が漠然とした状態であれば絞ることになるし
相手が視野狭窄に陥っている場合には拡げることにもなります。

ちなみに、この設問だとほとんどの人が①と答えてくれるので

で、あれば①に含まれる業界って
どんな業界があると思いますか?とまた拡げて、
相手から選択肢が出てくれば、その中で絞ってもらったり、
仮に出てこなければ

例えば、

A:IT業界
B:ネット広告業界
C:医療介護業界

とかは伸びていますね、と
こちらから選択肢を提示し、拡げるように
相手にあわせて進めていくイメージです。

うまくいかないカウンセリングの多くは
こちらが伝えるべきことを一生懸命伝えようとしすぎてたり
相手がまだ準備できていないのに説得しぎたりしてます。

相手は、正論が聞きたいわけでも
説得されたいわけでも、議論したいわけでもなく
キャリアについて考えるとの手伝ってもらいたいと考えています。
もちろん、ただ仕事を紹介してほしいって思っている人もいますけどね。

拡げると絞るです。
抽象化と具体化って言い換えてもいいですけどね。

以上、ご確認ください。

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