見出し画像

蹴るな、走るな、歩け!

僕が生まれる前の高校サッカーの話なので、記事として読んだだけなんだけど、1976年の高校サッカー決勝戦で、静岡学園の井田勝通監督が負けているチームの選手に対し、ピッチに向かって、こう声を張り上げたようです。

動画があったのでリンクを貼っておきます。

「蹴って走る」が、サッカーの本質だという考えを持っているとすると、それとは程遠い指示ではありますが、アンコンシャス・バイアスに囚われず、自分たちの強みに向き合った指示としては、すごく秀逸なんじゃないかと思うわけです。今、セレッソにいる乾選手がいた2005年の野洲高校のサッカーもそうですね。そうはいっても、結局のところ1976年の後も2005年の後も、
高校サッカーにおいては「走って蹴る」サッカーを追求するチームが圧倒的に多いので、「これにより時代が変わった」とは言えないですけど。

サッカーに対戦相手がいるように、仕事においても自分たち以外にも同じ業界で競い合う競合がいます。特にある程度、成熟している産業においては需要自体が急激に拡大するわけじゃないので業界におけるシェアが経営においても重要な指標となります。経営戦略論においてもマイケル・ポーターさんなどポジショニング学派が主流といってもいいですよね。

個人的には自分たちがどう競争相手との競争に勝ち抜くのかを考えるより、自分たちが誰のためにその仕事をするのか、顧客が何を求められているのかを考える方が好きなんですけど、競合相手の存在を否定したり、まったく無視して情報すら集めないのは事業家としてもビジネスパーソンとしても全然、ダメです。

自分たちは顧客に向き合ってますから!

と強く思っていても、選んでもらう顧客から見ると複数の選択肢の中の一つでしかないし、他社との違い、なぜ自社なのか、納得できる理由が欲しいですからね。そもそも、それを相手に押しつけるようなビジネスのスタンスは反対に顧客志向じゃないですし。

そういう意味で、自分たちの強みをきちんと把握しておくことって大事ですが、強みは結局のところ、相対的なものでしかないので、他社との比較においてしかその強みは把握できないものです。

次の会社の事業領域は少し前に書いたとおり、データサイエンスとかAIと最近、みんなもよく耳にするであろう領域なんですが、結構、にぎわっている業界なので他社とどう差別化するのかが大事だったりします。特許等の知財で防御力を高めている場合は別として、技術力が売りです!って他の会社も言っているので、全然、説得力がないんですよね。

ちなみに人材紹介ビジネスをはじめるときに大小さまざまな人材紹介会社の話を聞きましたが、どこの会社も一様に「カウンセリング力とマッチング力がうちの強みです」とニュアンスは別として同じように言っていました。それじゃ、顧客もユーザーも選べないですよね。その後、若年層未経験領域ではカウンセリング力をより具体的な便益を伝えるために「マンツーマンでサポート」、マッチング力を定量化するために「内定率〇〇%」って打ち出すのが流行って今に至るけど、先駆けは、、僕らだったのかな。どっかの会社を参考にした気もするけど。

行動経済学でも、合コンの際は、自分と容姿が似ていて、少しだけ劣った人を連れていくとモテるとか、松竹梅は竹を選ばせるために松と梅があるといわれるように、選ぶ人が選びやすいように他と比較した上で自分たちが優れているというストーリーを提示しないとです。

タイトルだけ決めて、書きだしたのでまとまりがない文章になりましたが、ま、いつも通りな気もします。今日はもう金曜日ですね。12月も一週目が終わり。師走、走り切りたいものですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?