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連載エッセイ「弱い自分」第51回「長続きしない人間」
気がつけば、この連載エッセイを書き始めて1年が経った。
正直、文章を書くのが苦手だし、読んでる人もほとんどいないだろうから、「長くて半年かな」と思って始めたけど、まさかこんなに続くとは思わなかった。
昔から、自分は何をやっても長続きしないタイプだった。
スイミングスクールも数ヶ月で辞めたし、日記をつけても三日坊主。
小学生の時に漫画クラブに入って大長編を描こうとしたこともあったけど、途中で別の漫画を描きたくなって、たった数ページで終わった。
大人になってもそれは変わらない。毎日やってたウォーキングも突然やめたし、ブログにイラスト付きで週報を書いてたのも途中で挫折。
何か新しいことに挑戦しても、いつの間にか熱が冷めて数回で終わることばかりだった。
そんな自分でも、唯一続いているのがイラストを描くことだ。
最初は「SNSで注目されたら仕事がもらえるかも」みたいな下心から始めたんだけど、そんな簡単に仕事なんて来るわけもなくて、ただひたすら毎日描いていただけ。辞めるタイミングを失った結果、気がつけばもう5年以上も続けてた。
なんで辞めないのかって考えると、やっぱり誰かに見てもらいたいからなんだと思う。
たとえ見てくれる人が数人でも、「いいね」が少なくても、見てもらいたいって気持ちが勝って、また描きたくなる。
それに、これを辞めたら自分には何が残るんだろうって思ってしまう。イラストを描いてるから、今の自分があるんじゃないかって。
毎日描き続けてるおかげで、ちょっとずつ上手くなってきた気もする。
そう思うと、やっぱり辞めるわけにはいかない。
だから今日もまた描いてる。
気づけば、これまでに描いたSNS用のイラストは1700枚を超えてた。
個展でも開けそうだなーなんて、ちょっと思ったりして。
これからも、ずっと描き続けていくつもりだ。