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連載エッセイ「弱い自分」第54回「子ども食堂のボランティア」
先日、地元の子ども食堂のボランティアに参加した。
子ども食堂とは食事に困っている家族やいじめなどをきっかけに不登校になった子どもたちを支援するために無料で料理を提供している場である。
きっかけは、地元で開催された子育てをテーマにしたイベント。そこで子ども食堂の運営者と話をし、実際に食堂を訪れてカレーを食べたり、子どもたちが笑顔で食事をする姿を見て、「自分もお手伝いしたい」と思い、ボランティアに参加した。
今回ボランティアに行った子ども食堂は毎回企業さんが食材や商品を支援しているそうで、その企業の人たちと一緒に子ども食堂を手伝った。
自分は主に配膳係でお水や食事をお客さんのところまで持っていった。営業開始から多くのご家族や友達同士がやってきて満席状態となった。
その中で、オーナーの息子さんとその友達もお手伝いをしており、お客さんの接待をしていた。その姿を見て自分は「学生さんなのにすごいなぁ」と感心した。
聞けば息子さんはいじめをきっかけに不登校になり、引きこもりの生活を送っていたそうで今は子ども食堂を手伝っているという。
自分も中学時代、引きこもりではなかったが、いじめに遭っており、それがきっかけで人と会話するのが怖くなった。そう考えると大人相手に会話できているのはすごいと思った。
営業終了後にオーナーから子ども食堂の経営についても聞いた。息子さんが引きこもりになってお店には同じ境遇にあった同年代の子どもたちがお店に来るようになり、この子達の居場所を作りたいという思いから子ども食堂を始めたという。
しかし、物価の上昇により経営は厳しく、お持ち帰り用のお弁当箱も高く、レンジで温められない保温のお弁当箱を使っているそう。
また食材も企業から支給してくれるが、中には子供が苦手な食材も届き、困ったことも。
その話を聞いて、子ども食堂の経営がいかに大変なのかわかったと同時に何か悩みを抱えている子供たちやDV被害などでシングルマザーになった家族のための居場所があることがこんなに幸せなことなのかと実感した。
私もいじめの経験があるが、当時は親を心配させたくない一心で、つらい気持ちを抱えたまま学校に通い、逃げ場がなかった。しかし、今は子ども食堂やプレーパークなど、子どもたちが安心して過ごせる場所がたくさんある。
そういった施設に訪れる子供たちの笑顔になって欲しい。イラストで何かできないか日々考えている。
帰りに子ども食堂の支援募金箱にお金を入れたのであった。