連載エッセイ「弱い自分」第5回「好きと言えない人間」
自分は好きなものをあまり周りに言わない人間である。
主に世間一般的なもの(例えば、ドラえもんとかディズニー)は普通に言えるのだが、マニアックなものや「えっ、男なのにこんなの好きなの?」と思われるものは公に言っていない。というか言えないのである。
子供の頃から親の影響もあってかアニメを見ていた自分。(見ていたのはNHKのアニメや子供向けがほとんどだが)中には女の子向けのアニメも少しだが見ていた。(姉の影響もある)
でも年齢が上がるにつれてアニメよりもドラマを見る人が増えていき、アニメの話をすると「えっ、いい歳こいてまだ見てんの」という感じで馬鹿にされることが多かった。
中学時代、電車男ブームもあってヲタクという言葉が世に浸透し始めており、周りからヲタクは気持ち悪いというイメージが定着していた。
そのため、周りから見た目や雰囲気だけでヲタク呼ばわりされることがあった。
自分はあまりヲタクと呼ばれるのは好きではなかった。だから大人になった今もあまり好きなものについて話すことができない人間になったのだった。
snsを見てみると好きなアニメを熱く語っている人は本当に羨ましいと思う。だって周りから嫌な目で見られても好きなものを好きって言える勇気は自分には無いから。
そう言えばショッピングモールに行く時、よく知名度が低いアイドルのライブをやっているのだが、そこで見ているヲタクをよく見ている。
アイドルが歌っている時、ヲタ芸を披露してコール&レスポンスを周りのことを気にせずに集団で披露している。
学生時代の自分はそれを見て「いい歳の大人があんなことして」と引いていたが、大人になると「この人たちはこの日のために生きているんだなぁ。じゃあ、自分は何のために生きてるんだ」と考えるようになり、生き生きしているヲタクたちを馬鹿にできなくなった。
自分の好きなものの一つにドラえもんがある。
ドラえもんの中で好きな名言がある。
それはのび太が好きな女の子向けアニメを見ているとドラえもんは「女の子の番組だろ」と言われる。それに対してのび太が言った一言が今も心に残っている。
「女でも男でもおもしろいものはおもしろい」
どんなに周りが否定的なことを言っても好きなものは好きと言えるのび太のこのセリフに自分は感銘を受けた。
好きなものを否定されるのが怖くて今まで言えずにいる自分がなんとも情けない。
あぁ、好きなものを堂々と言える人間になりたいものだ。でも恥ずかしさが強くて言えないんだろうなぁ。
こう言う人間です。自分は。
おまけ
好きなものに対して誰かに伝えることはない。元々人見知りなため、誰かと共有するという気持ちはない。でも時々、リアルタイムで好きなアニメを見てる時にsnsで反応を見ることがある。でもそのアニメが批判しているコメントを見ると嫌な気持ちになるので基本見ていない。
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