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連載エッセイ「弱い自分」第36回「作文で恥をかいた人間」

このエッセイを読んでお気づきの方がいると思うが、自分はそんなに文章力がない人間だ。
作文を書く際にも文章力がないため、「〇〇でした。楽しかったです」といった幼稚園みたいな感想文レベルだ。
snsでも何か呟こうとしても文章力が乏しい自分は上手く表現ができず、頭の中にあるごくわずかな語彙力だけでまとめる。
そして見返すとなんて幼稚な文章なんだろうと常々思う。
なんでそんなことを書いたかというとふと小学生時代のある出来事を思い出したからだ。

それは小学4年生ぐらいの時だった。
同級生の男女の間で揉め事が起きた。
理由は覚えていないが、きっと大したことじゃないなと今は思う。
そんな時、ちょうど作文を書く授業があった。
大して書くネタがなかった自分は何を血迷ったのか、この揉め事を作文に書くことにした。
揉め事の一部始終を書きつつ最後は、お互い仲直りをしたというフィクションの部分を書いて先生に提出した。

その日のホームルーム。
突然先生が、提出した作文の中で興味深い作文を見つけたということで、それを読んだ。
その作文はなんと自分のだった。
正直後半はフィクションなのであんまり公に読んでほしくないと思いながら自分の作文を聞いた。
そして最後に先生は「この作文を書いたのはAKIさんです」と公開処刑のように名指しをした。
生徒全員が自分を睨むような目で見ていた。
無断でこの揉め事を書いたのだから先生にチクると同じ行為だと思われたのだろう。
自分は恥ずかしかった。
正直この後のことは全く覚えていない。
同級生から何か言われたかどうかもはっきり覚えていない。
まぁ覚えてなくてよかったんだけどね。

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