暑くてしんどいけど、やさしい世界
今日の関東の最高気温がまた36度に上って、ベランダに出て洗濯物を干すだけで体がしんどくなった。去年もそうだし、今年の夏の暑さは本当に異常。
体に悪いかとか、電気代が心配とかには関係なく、温暖化を少しだけでも阻止したくて、意地で極力エアコンをつけたくない主義だったけど、6月末ごろには、「こりゃ〜、つけないと死ぬのは私」と悟って、遮光カーテンなどを新調して、室外と室内の温度差をなるべく少なくして…
はい、エアコンをON。
なんでこんな事態になったか。
心のどこかでざわざわしてて、危機感を覚えた。
世界の年平均気温は100年あたり0.76度上っているものの、日本はなんと1.35度。世界平均の倍もある。
一人でできることが少なくて、ただ、できるだけ何かやりたい、貢献したいと思いつつ、最近はところどこと、他の誰かの優しさに、また色々考え直している。
とある日、電車に乗ってたら、同じ車両に乗っていた方が緊急ボタンを押した、どうやら隣の女性の方のスカートがドアに挟まれて動けなくなったので、知らない男性の方が代わりに乗務員に連絡したらしい。
ドア問題が解決して、そろそろ発車するところで、また同じ車両の中に女性の方が倒れて、どうしても自力で立つことができなくて、私が座った場所からは見えなかったが、「大丈夫ですか?立てられますか?」「私を掴まんでいいですよ」「近くに緊急ボタンありませんか?」と、倒れた女性の周りの、少なくとも10人くらいの方がバタバタになってた。
その後にすぐに駅員の方が来てくださって、対応してくれた。一瞬抱えられながら電車に出られた女性を見たけど、おそらく熱中症。
またとある日、スーパーのレジで並んでいたら、隣の列が急に「大丈夫ですか!?」と店員さんのちょっと大きい声が聞こえて、パッと隣を見たら、会計中のおばあちゃんは、全身の力がすべて抜かれたように、地面に座ってしまい、どうしても立てられなくなっている。
そのおばあちゃんの前に並んだ女性と店員さんはすぐに手伝えに行って、おばあちゃんは、もう意識朦朧な状態で、でも目の奥にはすごく申し訳ないように見えて、そしたら後ろに、一見怖そうなお兄さんがやってきて、「俺を掴まってよ」と手をおばあちゃんと差し伸べて、おばあちゃんを引っ張り上げて、ちょうどもう一人の店員が車椅子を持ってきてたので、ひとまず解決。
また、たまに通勤中に、精神崩壊か、具合が悪くてホームの隅にしゃがんでいる人を見かける(「東京嫌やな…」と思ってしまうときはただある)、仕事とはいえ、心配そうに声をかけに行った駅員さんのことは、毎回キュンとする。
すごく偏見かもしれないけど、日本の人、特に東京の人、どこかで冷たいイメージがあって、昔人身事故直後の現場に遭遇したことがあって、そのとき一番驚いたのは事故現場よりも、周りに何一つも表情を変えていない乗客たち。だからたまに、日本人の助け合っている姿を見ると、すごく感動してしまう。
そして時々困った場面に遭遇した自分、いつも何もできなくて、「あぁ…こんなこともできないんだ私」と自分の無力さに悔やんで、次はあってほしくないけど、次に何かあったら自分は何かできるだろうと考えるようになった。
一人一人ができることが、本当に少ないし、何か劇的な影響を与えることがそんなにないけど、こういうやさしさは、別の意味で、一瞬でも誰かの世界を救っているかもしれない。
物理的に、温暖化をどうにかなることではないけど、やさしさが少しずつ増やせば、ほんの微動でもいいから、いつか行動に移して、ちょっとずつ、物理的な変化まで実現できたらいいなと、思った。
すぐにストレートに、ゴミと汚染を減らし、環境のためにいいことができたらもちろんいいけど、その前に、まずはやさしさを持たせる。
この暑さ以外にも、向き合う課題はまだたくさんあるけど、せめて、せめては、やさしい世界であってほしい。