見出し画像

【シンガポール 14日間ホテル軟禁日記】#18_真夜中のAnna Kendrick篇

2020年8月17日、シンガポールに5ヶ月ぶりに入国。

入国後14日間はシンガポール政府指定ホテルでの滞在が義務付けられている。その14日間+前後数日で、起きたこと、思ったこと、考えたことの記録。

※誤った情報が含まれる可能性、個人の思い込みや考えが多分に含まれていることはご容赦ください。

【Day 13】~ホテルの優しさと性根たくましさ

13日目も終わり、日付変わって8月30日の深夜です。こんな時間まで夜更かししてしまってます。

昨日(Day 12)の労働省からの電話の通り、今日の昼過ぎにSMSでPCR検査の結果が届き、無事「陰性」とのことでしたので、月曜日に12:00すぎにチェックアウトできることになりました。

正式に、あと2日でこの生活が終わることが決まったわけです。

その件で、今日は朝からホテルとのやりとりが頻繁でした。

まず朝、チェックアウトについての注意書き書類が朝食といっしょに置かれています。

・入館管理局(ICA : Immigration and Checkpoints Authority)からは15日目の12:00にあなたの隔離期間(SHN : Stay Home Notice)は終わると指示されています

・ほかの利用者との遭遇を避けるために、フロントから電話が来るまでは部屋にいてください
(PCR検査で陰性反応の人しかチェックアウトできないはずなので、感染対策ではなく、プライバシー的な配慮なのでしょうか)

・チェックアウトの際はマスクを着用して、この書類についているシール(チェックアウト日付が書かれています)をシャツに貼ってください。

注)シンガポールでは建物に入る際に体温検査をすることが2月ごろからルール化してきているのですが、体温を測定した証としてシールを服の胸などに貼ることが一般的な方法になってきています。

11:00ごろには、上記の件の確認のためにフロントからの内線電話もかかってきました。

にこやかに、とても丁寧に、一つずつ確認してくれるのですごく助かります。そして「PCR検査の結果はSMSでくるので、受け取ったらそのスクリーンショットをWhatsappでホテルにも送ってください、いちおう確認のためにね!」とも依頼されました。

たぶんこのオペレーションが観光庁(STB : Singapore Tourism Board)から指示されているのでしょう。保健省が実施したテスト結果を、労働省がエンドユーザー(僕ら)に伝え、その内容がホテルにもきちんと伝わるよう観光庁がホテル側のオペレーションを整える。素晴らしい連携です。

それからもう一つ、ホテルからお願いされたことがありました。

「14日間もホテルに泊まるって、なかなかない経験じゃないですか…?ね?だからトリップアドバイザーにぜひ意見・評価をポストしておいてくれませんか?何かあればなんでも言ってくださいね☆」

気持ちはわかるけど、これ言われるとこれまでの好感度が全部嘘臭くなるから不思議です。

■自分の年齢を感じるほどのホスピタリティ

とはいうものの、この13日間、ホテルのホスピタリティは素晴らしいとしか言いようがありません。「おもてなし」は日本の専売特許ではないことを思い知らされます。(決して、昨日のベッドメイキングが難しかったからそう言っているわけではなく)

隔離生活者を軟禁することはホテルにとって美味しいお金が国から入るのか、働く人に特別手当が出るのかは知りませんが、ここで働くことは普通に暮らしているよりは感染リスクが高いはずです。

それにもかかわらず、電話口の声は常に最大限にフレンドリーで(トリップアドバイザーで良い評価を得たいという下心を差し引いても)、「困ってないですか?」「何かあればなんでもいってください!」という言葉を欠かしません(初日に「国からの指示で提供できない」と言ったビールを11日目に持ってくるようなことはするけれども!)

そして、何よりも驚かされるのは、ほとんど毎食必ず、メッセージカードが添えられていることです。

画像1

これまでの日記でも数枚ご紹介しましたが、ほぼ毎食欠かさず、添えられています。

通常業務では絶対に発生しない仕事でしょうから、ホテルが隔離生活者用になると決まってから作ったのでしょう。ホテルのロゴやデザインが施されているので、国から全ホテルに配られているとも思えません。

こういう丁寧な、「真心」って言葉が似合うような仕事に対して、20代のときは「紙がもったいない」「誰が欲しいねんこれ」とかイキって言ってた気がしますが、30歳超えてから急にに心動かされるようになった気がします。結婚式開始5分で泣ける人間になる日も近そうです。

■退屈・鬱屈しないように最大限の配慮

食事に添えられるのはメッセージだけではありません。

外に出られないこの期間を最大限楽しめるよう、アクティビティのお誘いが次々と投げ込まれてきます。

ありそうなものでいうと、瞑想のススメからはじまり、

画像2

数独や折り紙も↓

画像3

画像4

部屋でできる運動まで↓

画像5

(下から2つ目の枕を使った運動で、昨日の枕カバーの件は言い訳できそう)

そして、どういうスキームになってるのか謎ですが、ホテルとは一切関係ないと思われる会社が運営する、サブスク型のオンライン学習をオススメしてくれることもあります↓

画像6

QRコードの飛び先は、サービスのランディングページです↓

画像7

ホテルが広告枠として売っているのでしょうか。そうだとしたら、カスタマーケアをマネタイズする斬新すぎるマーケティングです。このことはぜひ、トリップアドバイザーにポストしたい。

■夜は更けていく…

そして、今夜、みなさんに特にご紹介したのがこちら。

画像8

画像10

僕はまったく知らなかったんですが、2012年に公開された「Pitch Perfect」という映画の中で描かれたシーンの一コマ。歌いながらコップをリズミカルにさばく「手ダンス」的なもの。Anna Kendrick「Cups」という歌です。

↓オフィシャルビデオ

公開後は一時期流行し、結構な人がカバーしてたみたい↓

(見れない方、YouTubeで「Anna Kendrick cups」で検索しても出てきます)

今の時代だったらもっと流行りそう。TikTokとかで。調べてみましたが、TikTokで調べてもそこまでの件数はヒットしませんでした。

であれば…!というわけで、トライしてみました。

こんな時間になっちゃいました。

絶望的なセンスのなさに開始数分間は自分でもひきましたが、やり出したら止まらず、しかも結構気持ち良い。気付いたらやり続けてました。

小一時間、いや、1時間半、いやもっとかも、、、の成果はこちら↓

自分ではできてると思ってるから、良いのです。一人カラオケみたいなもんです。

さ、もう一回やってから寝よ。

つづく



いいなと思ったら応援しよう!