秋原京

あきはら・きょう 30代前半。東京都在住。男性。在日コリアン4世。ライターです。

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マガジン

  • 在日に言わせれば…

    在日コリアン4世の筆者が、在日と日本社会について考えます。僕の目(節穴)から見える世界をつづります。

  • 世の中の真実

    世の中の真実を書いているエッセイマガジンです。真実しか書いていません。ここだけが真実の入り口です。

最近の記事

終戦記念日に靖国へ辿り着かなかった在日コリアンの手記

 2020年も8月15日が近い。75年前の1945年、大日本帝国の「大東亜戦争」が終わった日だが、僕にとっては同じくらい2年前の2018年も重要だ。あの日の正午ごろ、僕は東京の靖国神社に向かっていた。タオルハンカチで顔を拭い、川沿いをトボトボと歩いていた。セミの鳴き声に混じって、何やらくぐもった演説の声が聞こえていた。この20分後、僕は「殺すぞ、朝鮮人が!」と言われたため、靖国神社に辿り着かなかった。その顛末を少しだけ詳しく書いておく。 発端:一度は見ておきたい 靖国神社に

    • エグザイルが好きな美容師さんと、どう接したらいいのか

       僕は過去10年間、転勤を繰り返してきたので、馴染みの美容室や床屋がなかった。  転居先で新たに美容室や床屋を探すので、新しい美容師さんと知り合い、しっくりきたらそのまま通うつもりにするのだが、しっくりこなかったら別の店へ。  でもなかなか最初からしっくりくることはなく、適当にいろんな店に行き、まぁ髪なんか切れればどうでもいいやという期間が続く。いわゆる初回荒らし。この時期を経て、やっとこの店ならしっくりきたかなと思って一年弱くらい通っていたら、結局はまた転居の時期になっ

      • カイツブリについて

        「あ、鴨だ!」「かわいいねぇ。」  と言いあっている男女の声が聞こえた。男女の視線の先を見ると、一羽の小さな鳥が、池の水面をちまちま進んでいた。僕はいつも通り落胆した。 「いえ、あれは、鴨じゃありませんよ」  と僕が話しかけると、カップルがこちらを振り向いた。歳の差がある二人だったが、そんな他人の事情はどうでもよかった。二人は怪訝そうな顔をして何も言わない。 「あれは、カイツブリですよ」  男女は黙っていた。 「あれは、カイツブリです。カイツブリ目カイツブリ科カイ

        • コロナで露呈した「喫煙所」隔離文化のディストピア感

           せいぜい4メートル四方のパーティションの中に、数十人がひしめき合っている。新型コロナウイルス感染拡大で「ソーシャルディスタンス」(社会主義革命)が叫ばれる昨今、驚くほど不自然な光景だ。  ここは東京都心の、とある駅前の喫煙所。  僕はパーティションの内側には入らない。人を避け、喫煙所から距離を取り、じゅうぶんなパーソナルスペースを確保できる位置に立って、タバコに火をつける。  さぁ、視界を占拠するこれは一体なんなのか。「コロナを警戒し他人に近付くな」というのが国際常識

        終戦記念日に靖国へ辿り着かなかった在日コリアンの手記

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        • 在日に言わせれば…
          4本
        • 世の中の真実
          10本

        記事

          コインパーキングは喫煙所として正式に開放すべき

           今年はじめ、ある著名な哲学者の講演を聞いた。全体的には団塊世代の説教じみていて快くなかったが、さすが「空き地」についての持論には引き込まれた。  曰く、戦後の日本には「ドラえもん」に出てくるような空き地があちこちにあり、事実上の公共スペースだったと。  しかし前回の東京五輪に向けた街の浄化/再開発を機に、私有地として囲い込みが始まる。柵が建ち、立ち入り禁止の看板が掲げられる。これには、幼心に「公」が「私」に回収されていく感覚があったと。そして囲い込みの行き着く先が、新自

          コインパーキングは喫煙所として正式に開放すべき

          すべてがパロディに見える時代に

           今、すべてがパロディに見える。  何が?   だから書いてるように、すべてが。字義通り、すべて。    何の?  今より前のすべて。今の社会のすべてが、前時代のすべての本物をもとにしたパロディに見える。 SNSも記事もメディアも、パロディ まず、SNSは井戸端会議のパロディだ。  そしてnoteの記事は本物の作家や本物のライター、ジャーナリストたちの随筆やコラムのパロディだ。  いまニュースと名乗るのは広告であり、いまメディアと名乗るのは広告であり、本物のマスメ

          すべてがパロディに見える時代に

          日本人が「在日コリアン」をこんなに嫌う理由は・・・

           日本人は「在日コリアン」が本当に嫌いだとつくづく思う。長い戦後社会のうち一時期はマシになったかもしれないが、今再び、かなり風あたりが強くなってきた。在日コリアン4世の僕はいつもそのことを考えてしまう。  twitterやブログ、ニュースサイトのコメント欄などインターネット上の言論を見ればはっきりわかる。さらに、今支持を集めている右派系の政治家や活動家の言葉を読めば一目瞭然だ。他のマイノリティーや、他のニューカマーの外国人に比べても、なぜか在日コリアンが罵られたり叩かれたり

          日本人が「在日コリアン」をこんなに嫌う理由は・・・

          フツーにみんなが歴史修正主義者じゃなければ、仲良く生きたいのに

           歴史修正主義という亡霊が列島にはびこって久しい。特にこの十年で日本社会のムードは大きく変わってしまった。かつての大日本帝国の侵略行為を美化し、当たり前に歴史的事実である略奪、虐殺、連行、性奴隷、人体実験、無差別爆撃などを否定しようとする勢力が伸長した。  そうした勢力は国家の中枢と近年密接につながり、プロパガンダを繰り返した。その結果、もはや一部の活動家だけでなく、一般国民の多くがナチュラルに歴史修正主義、、というか歴史歪曲思想に引っ張られつつあるようだ。  僕は在日コ

          フツーにみんなが歴史修正主義者じゃなければ、仲良く生きたいのに

          サッカー部の同級生が「おい、黒いの!」と言われ学校やめた話

           少年時代の記憶に、こびりついて消えないものがいくつかある。ここ最近BLM(Black Lives Matter)運動の隆盛を眺めていると、そのうちの一つが改めて、じわじわと蘇ってきた。ことあるごとに少しずつ思い出すエピソードなので、自分にとって割と大切な記憶なのだと思う。今ここに書き残しておく。 ***  僕は物心ついた時から白黒のボールを追っていた。いわゆるサッカー少年だった。おそらく父の趣味が影響し、自然とそうなった。小学校から高校まで一貫してサッカー部に所属してい

          サッカー部の同級生が「おい、黒いの!」と言われ学校やめた話

          女にモテるためにタバコ始めたのに、モテなくて理不尽

             画像はテレワーク中の女性。  タバコをめぐる話題は誤解を呼びやすいが、タバコのことを書きたい。今回はひとまず、恋愛関連にしぼって綴ってみようと思う。そもそも、僕がタバコを始めた理由は女性にモテるためだったのだ。にもかかわらず近頃、タバコのせいでうまくいかない理不尽な恋愛が増えているので、ちょっと問題提起をしてみたい。 女性に吸わされたタバコ 僕がタバコを始めたのは13歳だ。以降、本数は極端に増減しつつも、30歳をすぎた今に至るまで喫煙者でいる。  きっかけの夜は

          女にモテるためにタバコ始めたのに、モテなくて理不尽

          ダサい人をスターにするのやめれば解決するよ。RAD「優生思想」問題

           ダサい人をスターにするの、もうやめようよ・・・。  この記事は、ダサいミュージシャンのファンの方々が目にしたら不快になると思うので、あらかじめご容赦ください。 「優生思想」で炎上したミュージシャン さて近頃、インターネットでは「優生思想」関連の話題がトレンドのようだ。特に気になったのが、RADWIMPSというダサいバンドのボーカルのおっさん(野田洋次郎というらしい)の「エリートスポーツマンとか女優は、国が配偶者決めてモリモリ育てるべき」(うろ覚え。二回以上読むような文章

          ダサい人をスターにするのやめれば解決するよ。RAD「優生思想」問題

          心が前向きになる文学者の言葉7つ

          前向きに生きてますか? みんなSNSとかでは楽しい感じを打ち出してるけど、瞳の奥はSOSですよね。本当はつらいんだという気持ちが言動の端々ににじみ出てる人たくさんいます。大丈夫、僕もそうです。 そんなつらい日々を送る人のために、今回は、人生が前向きになる魔法のフレーズを7つ選んで紹介します。 僕が勝手に考えたわけではなく、いずれも手元にあった本から抜粋して選びました。高名な思想家や、詩人たちのありがたい言葉です。 これらの言葉はいわばラッキーワードです。つぶやくことで

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          地下活動のイベントに行ってきたのでレポ

          #イベントレポ という募集ハッシュタグがあったので、これを機に、地下活動のイベントに参加した際の感想を報告しようと思います。この文章が当局の目に触れる可能性もあるため、要所要所にフェイクを混ぜ込んでありますが、95%は真実です。色々とご容赦ください。 ****** 彼女と目が合うと、まるで地球の寝返りでした。僕の体は宇宙に放り出され、飛んで行ったまま戻ってきませんでした。そんな経験をしたことが、皆さんはありますか? 何の取り柄もない僕は、かねて、地下活動に関心がありまし

          地下活動のイベントに行ってきたのでレポ

          夢に出てくる街

          誰にでも夢に出てくる街があると思う。 それはおそらく、あなたの魂のホームタウンだ。 年に複数回、同じ街が夢に出てくるだろう。その街は大抵、幼少期過ごしたいくつかの街が輪郭になっている。 そして成人後に過ごしたり訪れたりした、たくさんの街の面影がそこに入ってくる。幼少期深く馴染んだ街の輪郭の中に、大人になったあと知った、あちこちの街のカラーが詰め込まれていく。 だから夢の街は、訪れるごとに姿を変える。しかしおぼろげながらも輪郭はあるので、完全に別個の何かになってしまうこ

          夢に出てくる街

          土用の丑の日。スーパーで、驚くべき体験をした。

          さて、土用の丑の日がやってきた。テレビやインターネットのニュースで話題だ。 土用の丑の日の話題を聞くと、いつも僕は心がワクワクしてくる。 ワクワクしていたら、思わぬ事態に遭遇したのでお伝えします。 ニュースで話題土用の丑の日とは一体、いつのことを指すのかはっきりしないが、気付いたらニュースが連呼している。 しかし、土用の丑の日がやってきたことはニュースなどが連呼しているので明らかだ。 明らかに土用の丑の日がやってきたというのだから、スーパーも何か催事をしているに違い

          土用の丑の日。スーパーで、驚くべき体験をした。

          コンテンツは「ポエム」ではいけない

          こんにちは。 さて、今回はnoteをはじめとしたインターネット内で文章を書く上で、最も気にかけるべき大切な点をお伝えしようと思います。 それは、あなたの文章が「ポエム」になっていないか?ということです。 自己満足にならないために「ポエム」というカタカナ日本語の意味をご存知でしょうか。 ずばり、「役に立たない自己満足の文章」という意味です。現代インターネット社会では、これが最も劣った文章表現です。 noteやブログを始めたあなたは、「まず最初に何を書こう?」と考えるで

          コンテンツは「ポエム」ではいけない