現代版ももたろう
そんなに昔でもない昔、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは電車で仕事に、おばあさんはクリーニング店に洋服を受け取りに行きました。
クリーニング店から帰ると家の前にピンク色のカバンが置いてあることに気付きました。
「あら何かしら?」とおばあさんはカバンを拾おうとすると、「どうした?」とちょうど直帰してきたおじいさん。
おじいさんとおばあさんはひとまずカバンを家の中で開けてみることに。
すると…なんということでしょう、中からハチワレの可愛い子猫が!
カバンの中に入っていた子猫は疲れて寝ていたのか、カバンを開けた途端に「ミィア、ミィア」と鳴き始めました。
「ピンク色のカバンに入っていたから【ももちゃん】だ。ハチワレのお顔も桃みたいだしね」おばあさんは言いました。「それにしても置いて行くなんてひどいね。うちの子になろうね」
おばあさんは子猫を動物病院へ連れて行きました。すると、子猫はオスであることが分かり、子猫を【ももた】と名付けました。
ももたは血液検査の結果病気もなく、すくすくと育っていきました。6ヶ月経つ頃には去勢手術も受けました。ももたの去勢手術に関して、おじいさんとおばあさんはとても悩みましたが、長期的なメリットを考え去勢手術をする決断をしました。
ももたは去勢後も元気いっぱいで、庭に飛んでくる鳥にクラッキングしたり、時々遊びに来るワンちゃんにも強気の対応。お気に入りのさるのぬいぐるみをケリケリして遊んでいます。
ある日、おじいさんとおばあさんは気付きました。
「そういえば、ネズミ出なくなったわね」
じつはおじいさんとおばあさんの家では時々ネズミの気配がしていたのですが、ももたが来てからというもの、すっかりその気配がなくなったのです。
さらに…
「あら、こんなかっこうで寝てるわ」
ももたの愛らしい寝顔に癒される二人。「ももたがいるのに入院でもしたら大変!」と健康に一層気を付けるようになり、幸せな生活を送ることになりました。
めでたしめでたし。