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今の若者はデジタルネイティブではない。アプリネイティブだ。

デジタルネイティブとは、子供の頃からスマホやパソコン、インターネットに囲まれた環境で育ち、ITのある世界があたり前の世代のことを言う。

では若者はITが得意なのだろうか?
答えはNOだ。

実は若者が得意としているのは、スマホアプリを使った動画編集やSNSでの情報探索など、「使いやすくデザインされたソフトウェアの機能を器用に使いこなすこと」である。これが「アプリネイティブ」の実態だ。

そもそも、デジタルネイティブと大層な名前が名付けられているが、インターネット通信の概要やPCの仕組み、プログラミングについて知っているのは、他の世代と変わらずエンジニアぐらいだろう。

要するに、今の50代が家電に囲まれて育ちながらも電気工学に詳しくないのと同様に、若者はITに囲まれて育っただけでITの知識に精通しているわけではないのだ。ひょっとすると、スマホがなかったいまの30代ぐらいが一番ITに詳しいかもしれない。

この問題は悪い面だけではない。最もITに触れている若者がITの仕組みを知らずに使えているということは、ハードウェア製品やソフトウェア製品が十分に進化し成熟したということでもある。また、動画編集や音楽制作への知識的・金銭的ハードルが下がったことで、新たなクリエイティビティを創発するかもしれない。

そうはいってもやはり、若者がアプリネイティブであるというのは、「車があたり前な世代」や「家電があたり前な世代」などの並びの一つに過ぎない。若者に過度な期待や失望をせず、価値観の違いを楽しむ程度に留めるべきだろう。以上!

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