3学期、6年生の担任は、卒業文集の校正で、多忙な毎日を過ごしていることでしょう。
たまたま6年生担任で、文章の校正に苦労している知人がいたので、「文章の校正は、生成AIが得意とする分野だから、使ってみたら。」とアドバイスしました。
知人は、パソコン操作が苦手なので、一から十まで支援しました。
その作業の実際(プロンプトの作り方から、出力された文章まで)を書いていきます。
なお、初心者が分かりやすいような作業をしています。もっと手早く一瞬でできる方法をお探しの方は、安藤昇先生(青山学院中等部講師、青山学院大学非常勤講師)のYouTubeによいものがたくさんあります。参考にしてください。(動画のページで「添削」と検索してください。参考にするには、ある程度の知識と技術が必要です。)
取りかかる前に
児童・生徒がパソコンに打ち込んだ文章が必要です。
紙面で書かせている場合は、WordやGoogleドキュメントの音声入力で、活字化しておきましょう。
どうしても作文が苦手で書けない児童・生徒に対しては、WordやGoogleドキュメントの音声入力を使いながら、先生がインタビューしましょう。
などと話を広げ、リアルタイムで文字化していきます。出来上がった文章をAIに卒業文集の作文として整えてもらいましょう。
校正用プロンプトは?
次のように作ってみました。
なぜGemini?
無料で使えるからです。
最初はChatGPTで行ったのですが、無料で進めたら、5人分くらいで制限が掛かってしまいました。そのまま無料モードで進めたら、急に頭が悪くなってしまいました。
具体的にいうと、改行後にスペースが入らなくなったことと、数字を漢字にしなくなったことです。
そこで、同じプロンプトで、Geminiを試してみました。
Geminiのよいところは、「修正した所を具体的に分かるように指摘する。」の部分で、大変分かりやすいのです。
欠点は、「改行した後の文頭に全角スペースを入れる。」です。
指摘しても
「私は入れてるつもりです。表示する形式が悪いから見えないんじゃないですか。」
と返されてしまいました。今回はできませんでした。
また、ChatGPTもGeminiも文字数のカウントは苦手ですので、あまり期待しないでください。
注意
自治体貸与のアカウントは、ChatGPTでにはログインできる場合がほとんどですが、Geminiにログインできないのがほとんどです。(私の身の回りでは、使える例がありません。)
使う場合は、個人アカウントで行ってください。
例文でやってみましょう
実際の文章をここに掲載するわけにはいかないので、例文を作ってみました。これもGeminiで作成しました。
例文作成プロンプト
出力されたサンプル
そもそも、800文字程度の作文で、こんなに長い作文を書かせてはいけませんね。
校正ポイント例(Gemini作)
Geminiが「こんなふうに作ったよ」とサンプル文章の後に書いてくれました。
Geminiによる校正
自ら作った悪文を校正してくれるでしょうか。
上記のプロンプトを入れて、やってみた結果です。
校正結果
修正箇所と感想
さらに短く
とにかく長いので、短くします。
「この文章を文意を変えずに800文字程度にしてください。」
どこまで児童・生徒にやらせるかは教師が判断
さて、ここまでやるのだったら、自分で見て、赤を入れた方がよいと思いましたか?
これは、かなり丁寧に行った場合です。
実際は、最初の「校正用プロンプト」と最初の作文を入れた後は、次々と児童・生徒の作文をコピペするだけで、校正が終了していきます。
出力された校正をどう使うかは、担任の先生が判断しましょう。
文章を児童・生徒に短くさせたい場合もAIにアドバイスさせることができます。
AIにアドバイスをもらうプロンプト
結果は、やってみてください。健闘を祈ります。
この方法は、卒業文集でなくても使えますよ!