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本を書いて変わったこと、変わらなかったこと。

4月の終わりに本を出して、1か月と少しが経ちました。商業出版は前々からの夢だったので、ひとまず実現できて良かったと思います。

本を書くと、やはり変わることがあります。

私の本などはニッチで地味なテーマですから、そんなに大々的に売れるわけではないし、いろんなところで話題になるわけでもありません。

本を出す=有名になるというイメージがあるとしたら、その点はまったく以前と変わっていないと思います。

今は全国的に本屋さんは減っているし、そもそもあまり本を読まない時代です。

ありがたいことに大型書店でしっかり置いてくださっているとはいっても、とりあえず著者になったことの変化は驚くほど何もないというのが実際です。



では、変わったことは何があるでしょうか?

あまりネガティブなことは言いたくはありませんが、ネット上などで“論戦”を挑まれたり、ダイレクトにいろいろな意見をしてこられる人が増えたり、どちらかというと批判的な目線で見られることが増えました。

本を読んでくださるのは本当に嬉しいことですし、それで意見や感想を寄せていただくのはありがたいことです。

でも、必ずしも公明正大なスタンスでアプローチされる人ばかりとはかぎらず、明らかな揚げ足取りやレッテル張り、必ずしも書いていないことに対する批判などもあります。

私もひとりの人間ですから、そんなふうに扱われると、やはりとても凹みます。

そして、名前や肩書、所属や経歴なども明らかにして本を書き、またnoteやSNSなども公開しているので、正直物理的にも怖いと思うこともあります。

あまりに不安になったので、すでに何冊も本を出している友人や、業界で影響力のある人にこっそり相談してみました。

そこで得た共通のアドバイスは、「辛いけどごくふつうの反応だから、あまり気にしてはいけないよ」というもの。

やっぱり、そういうものなのですね。



たいして影響力がないとはいっても、本を出すということは著者としてガラス張りの演台で堂々と意見を伝えて、いろんな角度からの意見や批判にさらされるということを意味します。

これは経験して初めて分かったことですが、ブログを書いたりnoteを更新することとはまるで比べられない重い責任をともなうものですね。

よほど有名人でもなければ、ブログで書いたことの責任が問われるような場面は少ないでしょうし、いつでも更新したり削除したりすることができます。

当たり前ですが、本をそうはいきません。

とくに紙ベースの商業出版では、印刷したものが全国の書店に流通して一定期間扱われますし、図書館などにはかなりの長期間に渡って置かれることになるため、半年、一年どころか、数年から数十年に渡って文字通り情報として生き続けることになります。

これは本来の本が果たすべき役割だといえますし、著者としては名誉なことでもありますが、それ相応の覚悟と責任がないとできないことだとあらためて思います。



ひるがえって、本を出すと良いことも、もちろんたくさんあります。

見ず知らずの人から共感されたり励まされたりといったことが増えましたし、リアルで会ったときの反応がものすごく変わりました。

テーマを通じてメディア関係や大学の先生などと今まではなかったようなご縁をいただくことも増え、貴重なアドバイスやチャンスをくださっています。

今までネット上でのみ発信していたときは、その意見やメッセージに共感したり共鳴してくれる人はいましたが、本を出してからは私自身のスタンスとかスタイルに関心を持ってくれる人が増えました

こんな流れはまだ始まったばかりですので、これからどうなっていくのか本当に楽しみです。



ありがたいことに、アマゾンのレビューなどでも、嬉しい言葉をいただいています。

「タメになったなぁ」が読み終えて最初の感想でした。
LGBTやクイアやGIDなどについてしっかりと整理されてわかりやすくまとめられていて、本当にタメになりました。

慣習にとらわれない、性の多様化に対しての柔軟な考え方を得るためにも、幅広い年代の方々に手に取っていただきたい1冊です。

キャリアコンサルタントと聞くと、難しい内容の本かと想像される方がいるかもしれませんが、そんな心配は無く、とても分かり易く書かれていました。どなたにも安心して読んでいただける本だと感じました。

著者の立場がジェンダー的にニュートラルであるからか、視点に偏りがなく読みやすかったです。

要点は太黒で書かれていたり、図があったり、「分かる!」「へ〜」「マジか!」が多く終始楽しく読ませていただきました!

私の視点からは
【いろんな人に読んでほしいなぁ〜】
っと思う1冊でした😌

ジェンダーの問題はそこそこ知っているつもりでしたが、知らないこともちらほらあり、新鮮な視点もありました。

一気読みできるくらいの分量なのも良いです

ジェンダー論にどのような歴史があるのか、また法整備など、表面的だけではなく、より専門的な知識を分かりやすくまとまっているので、とても読みやすいと感じました。



本を出して変わったこと、変わらなかったことがありますが、これらの言葉は本を出さなければ絶対にもらなかったものであり、著者としては何にも代えがたい財産だと思います。

あることを発信すると、それが派生して思わぬ批判にさらされることもありますが、でも人間はトータルで考えれば圧倒的に性善説が多いはずだし、突き詰めれば立場や意見が違うからこそ通じ合えるのだと思います。

ある人から言われました。「本を書いている人は、本を書く人の苦労も辛さも分かるから、批判の流儀もわきまえている。だから、著者になる人にとって必要なのは、どんな理不尽な批判にもうろたえないメンタル、そして異なる意見にも愛情をたむける人間愛だよ」。

なるほど、深いなと思いました。私なそんな域に達するのはこの先どれだけかかるか分からないですが、とにかく他人に対する誠意とポジティブな気持ちを大事にしながら、これからも溌溂と頑張っていきたいと思います。

学生時代に初めて時事についてコラムを書き、現在のジェンダー、男らしさ・女らしさ、ファッションなどのテーマについて、キャリア、法律、社会、文化、歴史などの視点から、週一ペースで気軽に執筆しています。キャリコンやライターとしても活動中。よろしければサポートをお願いします。