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歳を重ねると人間は中性化する。

りゅうちぇるの離婚がニュースになり、小室哲哉や田中昌之の女性的な髪型が話題になっています。

彼らの個性やファッションセンスはそれぞれ違いますが、共通するのは男性が女性化しているという点だと思います。

金髪ボブの小室哲哉やソバージュロングの田中昌之は必ずしも女性を模しているわけではないかもしれませんが、見る人から「女性的」だと認識されるのは間違いないでしょう。

なぜ彼らが女性的だと思われるかといえば、通常の男性=サラリーマンや公務員は絶対にそのような髪型をしないからでしょう。

でも、職種や立場にもよりますが、金髪に近いボブで働く女性はいますし、程度問題でソバージュが認められる職場だってないことはないでしょう。

要は、髪型にしてもファッションにしても、女性よりも男性の方が圧倒的にバリエーションが乏しいだけだといえます。

芸能人であれ音楽家であれ、類い稀なるセンスと表現力を武器に身を立ててきた彼らからしたら、人並み外れたキャリアと実績を持つからこそ、自然とそうした未体験ゾーンに挑戦したくなるのかもしれません。



女性にも男性にも、いわゆる更年期があることが知られます。

更年期は必ずしも悪いものというわけではなく、人間の一生のサイクルの中で徐々に心と身体のステージが変わっていくことを意味します。

若いころは男性には男性ホルモン(テストステロン)が多く分泌され、女性には女性ホルモン(エストロゲン)が多く分泌されます。

ただし、男性にも女性ホルモン、女性にも男性ホルモンが分泌されており、これらのバランスは一生を通じて変化していくものだとされます。

更年期を迎えると、一般的に男性は男性ホルモンが減少し、女性は女性ホルモンが減少し始めます。

相対的に、男性は女性ホルモンの比重がやや高まり、女性は男性ホルモンの比重がやや高まります。

中年から壮年にかけて、男性が丸く柔らかな雰囲気になったり、逆に女性が行動的・能動的になったりするのは、その影響だといわれています。

従来の社会では、男性はどこまでいっても男性、女性はどこまでいっても女性だと扱われてきましたが、実際には文字通り、「第二の人生」があったのです。



このような変化について、女性がやや男性化することに関しては、人によっては違和感を与えつつも、基本的にはプラスに評価されることが多かったのに対して、男性が女性化することへの理解や評価はまだまだこれからのテーマだといえます。

今の時代は、かつてのように男性に古典的な「男らしさ」を求める機会は少なくなってきています。

ともすれば、マッチョな「男らしさ」は若い女性からも毛嫌いされるだけでなく、サービス業化した多くの労働の現場でもかつてのようにもてはやされることはありません。

そして、加齢とともに男女の垣根がだんだんと低くなっていくということもあります。

40代、50代の人にいわゆる同窓会話を聞くと、「昔よりも男女関係なく話せるようになった」「お互いに違いを超えて理解できるようになった」といった声も少なくありません。

かつての男女というカテゴリーに必要以上にこだわらない表現や生き方は、これからますます増えていくように感じます。

その変化のあらわれとして、実績のある芸能関係者などがまず具体的に自己表現しているとみることができると思います。

このような流れは、それほど時間を要することなく、一部の一般人にもひろまっていくのではないでしょうか。



ふりかえってみれば、素直に「自分らしさ」を表現できるのは理屈抜きに素晴らしいことだと思います。

そもそも女性が男性的になっても不思議に思わないのに、男性が女性的になると奇異がられるのは、今までの世の中で古めかしい常識やしがらみが邪魔してきただけのことでしょう。

これから間違いなく起こるであろう変化に、ワクワクしながら期待していきたいと思います。

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橘亜季@『男はスカートをはいてはいけないのか?』の著者
学生時代に初めて時事についてコラムを書き、現在のジェンダー、男らしさ・女らしさ、ファッションなどのテーマについて、キャリア、法律、社会、文化、歴史などの視点から、週一ペースで気軽に執筆しています。キャリコンやライターとしても活動中。よろしければサポートをお願いします。