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気づいたら自腹で認定スクラムマスターを受けてた話し

はじめに

今回は、認定スクラムマスターのカリキュラムを自腹で受講した話しと、スクラムマスターになってみて改めて良いと思った情報をいくつか紹介していこうと思います。
改めまして、エンジニアのakiです。

認定スクラムマスターとは

実践レベルでスクラムを実行できるようにコーチできる役割と責任をもったスクラムマスターという存在になるため、スクラムの基礎的な概要と知識を一定以上有していることを認定してもらう資格と考えて頂ければと良いと思います。

認定スクラムマスター/Certified ScrumMaster®は、Scrum Alliance®が提供する認定資格です。 この認定は、スクラムフレームワーク、チームメンバーの活動や役割などを深く理解するのに役立ちます。

https://abi-agile.com/lp/csm/ 認定スクラムマスター/Certified ScrumMaster ®︎

認定スクラムマスター(CSM)の上位資格として、実践的なA-CSMや、プロフェッショナルなCSP-SMなども存在しますので、気になる方は調べてみてください。

なぜ、自腹で認定スクラムマスターを受けようと思ったのか

私は、自社開発のエンジニアとして実務でスクラムを1年程度経験してきました。初めは、知識ゼロの状態から、SCRUM BOOT CAMP THE BOOK という有名な書籍を当時のチームメンバーと読み合わせながら自分達で学ぶというところから始めて、その後は実践でスクラムを学んでいきました。

分かっていたようで、スクラムのこと全然分かっていなかった

スクラムを本格的に始めてから半年が過ぎたあたりで、書籍で学んだスクラムとちょっと違うかも、なんか自分自身上手くいってないなって思い始めました。そこから、広い視野を手に入れたくて、いろんなコミュニティやカジュアル面談で他社さんとお話しする機会があれば、スクラムの実態を積極的にお伺いして情報収集するようになっていました。社外の方々と交流する中で、スクラムに対する解釈のズレがあることも分かり、自分自身何も分かっていないことを痛感しました。

自然とやる気になれる環境を作りたい

幼少期の話しになりますが、小学4年生の時に始めたソフトボールでキャッチャーを務め、その後キャプテンになるなどの経験から今の自分の考え方の土台が築かれてきたのだと思いますが、その頃から個人の力は本当に微力で、チームがまとまって力を発揮すると信じられない成果が生まれることを幼い頃から感じていて、そのまま社会人になっても同じような経験を何度もしてきたこともあり、昔から自然と「チームで何かする」とか、偉そうなこと言いますが「自分の周りの人が本来の能力、やる気を自然と出しやすい環境を作る」ということに思考が向かいがちなタイプでした。そうした自身の特性もあって自然とスクラムマスターとしての振る舞いや知識を理解して自身の視野を広げたいと思い、趣味という感覚で自分の意思で自腹で受けることを決めました。

どこで受講したのか

私は以前、note記事でも紹介している、SCRUM MASTER の著者である Joe Justice 氏 の話が面白かったので、実際にJoe Justice氏が講師を務める Agile Business Institute Inc. の CSM@認定スクラムマスター を受講しました。他にも複数の機関で開催されているので、調べてみるといいです。

カリキュラムについて

詳細は割愛しますが簡単に触れておくと、土日2日間のオンライン開催で、実際にチームを作ってスクラムを実践しながら学ぶスタイルのカリキュラムでした。通訳の方もいらっしゃって英語が苦手な私でも講義を理解することができましたし、質問タイムでも気軽に質問できて講師のみなさんとてもいい人ばかりで楽しい2日間を過ごしました。
最終日に試験もありますが、無事合格。

特に個人的な学びと感じた3つのこと

  • スクラムのお手本となるような企業の実例を動画を通して解説して頂き、スクラムの基礎や考え方を自分自身の目で見て学んだ

  • スクラムは開発者が楽しめる環境が非常に重要で、その支援をする役割としてスクラムマスターの存在が重要であり、困っていたり悩んでいるメンバーがいれば、1on1を行なって心理的安全性の高い組織作りをサポートすることも役割の一つということを学んだ

  • ソフトウェア開発における見積もりの乖離やバラツキを表現する「不確実性コーン」について学び、プランニングポーカーは完璧な見積もりを目指す為の手法ではなく、どんな問題が解決できるのかを理解する事が大切ということを学んだ

開発初期と完了時で見積もりが大きく変わるケースはよく起こる

完璧な見積もりを目指すものではない
どんな問題が解決できるのかを理解することが大切

不確実性コーンのグラフでは、開発初期段階においては0.25倍~4.0倍と16倍もの乖離があることを示しています。

https://abi-agile.com/planning-poker/

ふりかえり

ここで上げた3つのことの詳細が気になる方は上記の引用元を参考にして頂ければと思いますが、文字だけ読んで理解するのと実際にカリキュラムを受けた後とでは、スクラムの本質や重要なポイントの認識が大きくズレていたと強く感じたので、スクラムを一定以上経験したことがある方で、本質を本気で理解したくなっている方がいれば、資格を取得すること以上にカリキュラムを受けることのメリットは大きいと思いますので、私はおすすめしたいと思います。

ご紹介したい情報

ここからは、私がスクラムマスターになってみて、改めて良かったと感じた取り組みについて、いくつかご紹介したいと思います。

ペアプロ/モブプロ

こちらは、Kaigi on Rails 2023 で登壇されていた Tebiki株式会社 の取り組みについてご紹介します。(動画もあります)
スクラムでは、最終的に全員がフルスタックになりクロスファンクショナルを目指していきますが、フルスタックではない成長過程のスクラムチームだけではなく、この後紹介する記事にもあるようにユーザーにインクリメントを届けるスピードが早くなることから、カリキュラムの中でもペアプロ/モブプロで開発しましょう。という話しがありましたので、ご紹介します。

ペアプロしようぜ 〜3人で登壇!? 楽しくて速いペアプロ/モブプロ開発〜

フロー効率

株式会社SmartHR の Tech Blogで紹介されているフロー効率について紹介したいと思います。こちらは先ほど紹介したペアプロ/モブプロが、なぜ有効なのか理解出来ると思うので、とにかく読んで欲しい記事です。
ここでは、フロー効率について一部引用させて頂きます。

フロー効率とは、ニーズが発生してから提供できるまでのリードタイムの短さに関する効率性の考え方です。

フロー効率を高めるには、1つの機能がリリースにたどり着くまでに待ち時間をどれだけ減らせるかがポイントになります。

結果としてフロー効率を極限まで高めようとすると、全員で1つのことに取り掛かり、1つ1つをリリースしていくことになります。

https://tech.smarthr.jp/entry/2023/06/28/171957

まとめ

ここまでスクラムの話をしてきましたが、スクラムをすれば全ての組織とエンジニアが幸せになる訳ではなく、職種や環境、メンバー構成によって適切な開発手法を柔軟に選択するのが良いということも改めて実感しましたし、仮にスクラムを導入しても最初から完璧に実現することは難しいということと、変化は少しずつ加えていくということも学びました。また、自身の経験からそうした方がより良い結果を産むと思っていた振る舞いの一つとして、メンバーとの1on1を通じて心理的安全性が確保された環境を築くことがスクラムマスターには求められる。ということをカリキュラムを通じて再認識しました。
また、Web業界に入る前に経験していた組織やチームメンバーとの向き合い方が、スクラムマスターの振る舞いに通じる部分が多かったことも分かり、自身の性格や特性と親和性が高いことも分かりましたが、今の自分から当時の自分を見ると経験やスキル、メンバーとの信頼関係という土台の影響が大きかったことを改めて感じました。
これまでの経験を振り返って感じたこととして、スクラムマスター専任ではなく、エンジニア業務と兼任でスクラムを推進する立場になるケースがあったとしたら、エンジニアとしての技術力やメンバー同士の信頼関係が発言力に大きく影響してくることを身をもって感じました。
エンジニアとして未熟な今だからこそ、社会人として働き始めた時のような感覚も改めて感じれているので、将来の自分に向けて今の自分が感じていることをスナップショットとして書き記しておこうと思います。
これからスクラムに限らず、今回学んだ知識やマインドを自分の良さとして活かしていきながら、自分の周りの人が本来の能力、やる気を自然と出しやすい環境を作るお手伝いが出来ればと思います。

最後に

アジャイル、スクラム、スクラムマスターについて少しでも興味をもって頂けて、開発組織全員が楽しみながら世の中に価値を届けられる世界が広がっていけば嬉しいと思いますし、少しでもお役に立てる情報を提供出来ていれば嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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