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【11/18〜11/26】銅鑼、佳日、菓子時間、梅干

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東京へ。
テアトル新宿に行こうと思っていたけど、芹沢銈介の展示がまもなく終了とのことで日本民藝館へ。芹沢さんの作品は1900年代初頭〜中盤に作られたものであるにもかかわらず、新しさを感じさせる色彩と絵柄にぐっと引き込まれる。北欧デザインも彷彿とさせる普遍的な美しさ。どんなものを見聞きしてきたらこんなに美しいものを生み出せるのだろうか。
日本民藝館の展示は作品のキャプションや作家の詳細な説明はないので想像するしかない。

ドキュメンタリー映像が流れていた。いまいち聞き取りづらい。「"手仕事"はただの売り文句」と聞こえた。民藝を巡るあれこれにも、いろんな時代があったのだと思う。

日本民藝館に行くのは2度目。館内はどこを見ても細部まで美しい設えで、人の気配が感じられて、静かで、とても落ち着く。隙あらば椅子に座り、ぼうっとする。ずっとここでこうしたかったような気がする。

そんな調子で事務所横のベンチに座っていたら、大きな銅鑼を持った女性が出てきて、ごうん、と鳴らした。閉館の合図。女性が視線の端にすっと出てきて振りかぶって打ちつけて音が出るまで、まさか手にしているのが銅鑼だとは思わずどきりとした。事務所にいたもう一人がお礼を言っている。私と事務所の間に流れる、非日常と日常の間。

上原からバス。東急百貨店前で降りたら、渋谷のにおいがした。服屋で振りまかれるいいかんじの香りと、誰かの香水と、飲食店の脂っこい匂いが合わさったにおい。

ミスサイゴンでフォー。ふと窓に目をやると、渋谷カラ館の窓から見えるのと同じ景色があった。大学時代の無駄に短くて長い夜を思い出す。興味本位でシブツタに寄ったら2階のスタバが未知なる世界になっていて、ほとんど絶望。そのままUターンした。

「文章で生きるゼミ」。りなちゃんがエッセイマンガを貸してくれた。読むのが楽しみ。

ゼミ生と話しながらほろ酔いで大江戸線に乗ったら、一瞬自分がいまどこで何をしているのかわからなくなった。このまま半蔵門線に乗り換えて、昔暮らしてたアパートのある宮崎台まで行っても全然おかしくなかった。
夕暮れの渋谷に惑わされたみたい。

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ものは試しと睡眠サプリ的なものを飲んでから夜行バス。満席で隣はおじさん。イビキかいてたけどそんなに気にならなかった。リピ確。
21時近くになって頭痛。もう寝る。

フロントガラス凍結してた

1121() 晴 ちょっとあったかい

tetteで取材。特撮の神様と呼ばれる円谷英二のアーカイブミュージアムへ。ここには実際の撮影で使われたゴジラの着ぐるみがある。背中のごつごつしたところがパカっと外れて人が入るらしい。胸には前を見るための隙間が。中に入る人も演じるプロなのだろうな。

tetteの下にあるカフェkajitsuが本当に好き。
すっぱさと甘さのバランスが絶妙なレモンケーキは苦みがなくしっとりしている。鈴木さんの人柄を映しているみたい。エチオピアとの相性抜群で、すっかりオフモードになってしまった。

1122()くもり まぁまぁ寒い

仙台へ。本当は行きたい場所があったけど、ホテルに着いたら疲れたのでやめてカフェに行く。
目的地に向かう途中、Google mapに心惹かれる字列を発見し予定を変更。
「菓子時間mugi」。菓子時間だって。なんてこと。

白地に茶色く器柄のような柄がすてきな暖簾をくぐると、店内の至る所がかわいい。ショーケースにはまるで宝石のようにマフィンが並べられている。2階のカフェスペースに入るとほとんどのテーブルにマフィンの形跡。さらには特別メニューでラフランスとレアチーズのマフィンがあるという。チーズケーキの気分だったけど、迷わなかった。

カウンター席にはお客さんのメッセージノートがあって、そこでもマフィンのはなしでもちきり。メッセージノートのある店は間違いなくいい店。マフィンはしっとりふわふわで美味しかった。

カネコアヤノの弾き語りを聴きに泉へ。ギター掻き鳴らし100分ノンストップ。かっこいい。歌い終わってカネコアヤノでしたー、と振り返りもせず小走りで去る姿もまた、かっこいい。

光の方への歌詞でいま響くのは「隙間からこぼれ落ちないようにするのは苦しいね」というフレーズ。ちょっと前だと違っていたのだがね。なんでだろうね。

いい音楽だけをみつめる時間が、この世の全てだったらいいのに。最近は音楽でしか泣いてないし、むしろ泣きすぎるし、ほかのことではちっとも泣けない。

地下鉄を降りて金曜日の荒れ狂った国分町を早歩きで抜ける。途中で肉まん屋さんを見つけ、気を紛らわせるために買おうと1万円札を出したら、お釣りを出せないと言われる。困っていたら後ろに並んでいたお兄さんが両替してくれた。優しい世界。財布の中で千円札を5枚ずつ束にしていたお兄さんに幸あれ。

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昨日から新聞記者時代の仲間である女4人で青森へ。仕事とダイエットのことは忘れて飲んで食べた。八戸にある八食センターで囲炉裏焼きをしておしまい。焼いたものはもちろん、生のホヤとホッキ貝が目を開く美味しさで頬が緩みっぱなし。

この歳になると、いろいろあることがわりと当たり前。それを知れることに、どれだけ救われていることか。

1125() 清々しい晴れ

やらねばやらねばと思っていた仕事に手をつけて、悩んでいた原稿を仕上げた。師走を見据えて動かねば。冷静に原稿を溜めすぎている。

1126() 朝はめちゃさむ

東京へ。なっちと合流してソラマチ。梅干しの食べ比べをして、トリトンで寿司を食べて、クリスマスマーケットをぶらつく。ソラマチには日本中の錚々たる美味が集結していてすごい。栃木関連が3店舗あって強い。

「文章で生きるゼミ」は隣の人と10分ずつインタビューをしあう会。お題は好きな食べ物。10分間本気で梅干し愛を語った。好きな梅干しの塩分含有量を披露するなど。

終わってからしごとバーでも好きな食べ物の話で盛り上がり、涙が出るほど笑う。いい日。

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