良いお母さんの生き方
桃の節句、ひなまつりもあっという間にすぎ、
都内は雨の日が続いています。
行きつ戻りつしながら、徐々に暖かくなり、
春が.そこまできているのを信じたいほど、
今日は本当に寒いですね。
今朝から先週出した雛飾りを、
なんだか後ろ髪ひかれつつ、
大切に大切にくるんでしまいました。
昨日は、薬局でのお仕事でした。
最近良くお見かけする患者様に、
軽めのステロイド軟膏が一種類。
かゆみを抑えてくれる意味合いで
処方されることが多いため、
特に気に留めてなかったのです。
でも、そこではっと思い出しました。
前回、乳がん検査で生検(細胞を少し取って検査する)をして、
その傷跡が紫色に膨れあがって、
痛くて、痛くて仕方ないと、
患部を薬局でさらけ出して訴えていたのでした。
その患者様だと気づいて身構えましたが、
案の定滔々と話し始めました。
「乳がんだった。15日に検査する。
月末に80歳の誕生日だから子供達にお祝いしてもらえるはずだったのに。
数年前に子宮がんもして、今年は足も怪我した。
なんで私ばっかり」
そう言って涙されました。
「頑張れっていってくれる子供達の前で
弱音も言えない。
一人暮らしだから聴いてくれる人もいなくて」
80歳でご主人に先立たれて一人暮らし。
お子さんたちはお母さんを大切に想っているけど、
お母さんは子供に弱音を吐けない。
きっと以前から、気丈に明るく、
いいお母さんをされてきたのでしょう。
家族を優先し、自分は後回し。
いわゆる世間的にみて
目指すべき完璧な母親像。
家族のために、自分を犠牲にして頑張って、
病気になっても弱音を家族に弱音を吐けず、
なんで自分ばっかりこんな目に。
涙されている彼女が、私に語りかけているような気がしました。
あなたの生き方はそれでいいの?
家族の笑顔のために、自分を後回しにして、
頑張って、頑張って。
それを続けて本当にいいの?
本気で考えろよ、自分。
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