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米国にHuret #800を追って

はじめに 米国Schwinn向けに輸出されたHuret部品、特にフロントディレイラーの#800型を追ってみたい。 Schwinnについて 1835年 シカゴで創業した米国の自転車メーカー。 小径ホイールにチョッパーハンドル、バナナサドルが特徴的な ”Stingray” が 60-70年代に爆発的に売れた。純レーサーモデルの"Parammount"はナベラグが採用されており、現在でも魅力あるモデル。 米国外の部品メーカーにOEM生産させて、自社の自転車に組み込んだものも多

    • Huretフロントディレイラーの考察その2

      今回はHuretの代表的なFDとなる#700について考察していきたいと思います。#700には大きく分けて、4種あると思われます。 初期#700 Luxe#700 総メッキ Luxe#700 黒バッチ 総メッキ 後期#700(網) #700の登場 1967年にLuxe RDと同時に登場していて、FR, RD, WLのセットで#2170という型番になっています。(箱に#2170とスタンプされている。これ、#2100 と#700って意味か?)また、Luxeの取説の裏側に#700

      • Huretフロントディレイラーの考察その1

        はじめに フロントディレイラーについて、ある程度考察がまとまったので、書き始めよう。 対象はパンタグラフ式のフロントディレイラーのみ。 考察その1は#600の初期型とAllvit型とその派生品についてです。 Allvit, Svelto, LuxeとSchwinn, Sprintを年表に並べてみた。SchwinnとSprintはAllvitとのつながりを可視化したいために追加してある。 パンタグラフ式で最初のものは#600 まずは#600が最初のパンタグラフ式だと思わ

        • Huret Successの変遷

          はじめに Huret Successにもいくつか変遷があるのでまとめておく。 Sachsではない、Huret刻印のSuccessにはSuper Successを含めて5種類が確認出来る。それぞれの登場年を以下にまとめる。 1975年 : 初期型 1978年 : 2次型(シャフト#2156TL) 1979年 : 3次型(アームリブ付き、アダプタ付き) 1980年 : Super Success初期型 1981年 : Super Success2次型(刻印変更) 1983年

        米国にHuret #800を追って

          Huret Jubileeのモデル差分

          はじめに 先の記事にJubileeには10種類あると書いたが、それぞれの差分を実物の写真を載せてまとめてみたい。基本的に差分が逆に戻ることはないが、ピボットボルト径のみが先祖返りする。 また、1980年以降の最大歯数24Tのモデルは不明だが、おそらく1979年版の#2200ボディベースのものであろう、こういった明示されていないが流通していたモデルも可能性がある。 ロングケージについては、最終型までバネ、ケージに変更がなく、簡単に差し替えてロングケージ化出来るため、考察から除

          Huret Jubileeのモデル差分

          Huret Jubilee RDのモデル変遷

          初めに Jubileeは1972年に発表されたHuret社のフラッグシップモデルのディレイラー。 それまでは、スチール製のLuxeがフラッグシップであったが、軽合金製のJubileeがそれに取って変わった。 1972年から80年代半ばまで製造されたが、少しづつ改良を重ねている。分類のためにこのNoteにまとめてみる。 1972年に発表されたモデル 初期のディレイラーインストラクションより 当初発表されたのは#2200(ショートケージ)と#2248(ロングケージ)の2種だ

          Huret Jubilee RDのモデル変遷

          フロントバッグの製作その5

          2.帆布の型紙 2.2. サイドの型紙 Ver.3s 高さ280mm用のサイドの型紙です。このサイドにかなりのギミックが詰め込まれています。 型紙の上部から説明していきます。 a: 上部3cmは革を当てる側の位置合わせ。 b: 横に4cmのスリットがあるのは、この両端にはとめを打つ位置合わせ。 c: その下にフックのためのハトメ位置の丸穴。 d: 上から11cmは内フタ(幅11cm/半径5cm +高さ6cm) e: 内フタの下3cmは革をあてる位置合わせ。 f: その下、幅1

          フロントバッグの製作その5

          フロントバッグの製作その4

          さて、いよいよ型紙を。 1.皮革の型紙 2.帆布の型紙 1-1. トップふた、ファスナー部分 この図の右側にトップのふたのファスナーがつく皮革です。ファスナー用のスリットと、ハトメ用の穴を開けます。 左側は、背面のハンドルバーへの取り付け用のバンドが通るスリット、およびフロントバッグサポーター用の取り付け穴3点をオプションで開けます。(グランボアのサポーター用) 1-2. 背面-底面革 背面から底面にかけて縫い付ける革で、フック用の穴と、ベルト用のスリットを開けます

          フロントバッグの製作その4

          フロントバッグの製作その3

          割り付け図 帆布を切り出す際に、パーツの並びを考えてなるべく効率よく配置します。 帆布は大体92cm幅なのと、生地に縦横がないので、ポケットの生地は90度回転しています。 上部左が帆布、上部右がシーチング(裏地)。 下に革を細かく分けて描いていますが、3cm幅と5cmの幅の長めのベルトを切り出してそれを加工していきます。 次は帆布と皮革の型紙を見ていきます。

          フロントバッグの製作その3

          フロントバッグの製作その2

          サイズの検討 まずは、サイズの検討。横軸は奥行き、縦軸は高さ。🔵はGilles Berthoudのシリーズ。黄色❌は犬印、緑🟩は自作シリーズ。 大雑把に分けて、フランスタイプは薄め(奥行き130-150mm)、日本製は厚め(170-200mm)で、ここら辺に仏日の”ランドナー”の違いが見えてきますが、それは置いておいて、容量を稼ぎたいなら厚めになりますね。 高さは個々の自転車のサイズに合わせます。 余談 最初、自分の手元にあったのが、TAと犬印中型でした。ここから、サイズ

          フロントバッグの製作その2

          フロントバッグの製作

          Twitterやインスタにも掲載しているのですが、キャプションぐらいであまりコメントを残すことが出来ていなかったので、noteで書いてみます。 目次 1.どんなフロントバッグ? 2.どうやって作っているの? 本文 自分の作っているバッグはどんなものか。 自転車用フロントバッグで有名なところだけ上げても、日本のオーストリッチさん、犬印鞄製作所さん、今は廃業されてしまったけれども、グーワタナベさん、Bacchausさん、RSA SUNBagsさん。海外では、Gilles

          フロントバッグの製作