『いい靴は長持ちする』というのは幻想です
革靴の話です。
文章書くのは苦手なので本文で思いを伝えられる自信がありません。
なので最初に何を伝えたいのかを書いておきます。できるだけ専門用語の使用は控えますが、たまにでます。すみませんがググってください。。。
いい靴が長持ちした。という話はよくありますが、それはそれ。
いい靴すべてがそうではありません。
長持ちするのがいい靴という一つの価値観の定着が、いい靴は長持ちするだろうという期待に置き換わってしまっているケースがとても多くいように感じます。
同じコストで作っても堅牢でガッチリした靴もあれば美しくスマートな靴な靴もあります。
もちろん前者のほうが長持ちはします。
私の体験談ですが、とある10万円程のイタリアブランドのマッケイ製法の靴は2年程で寿命を迎えました。
一方、3万円ほどのグッドイヤー製法の国産靴は5
年以上もちました。
では、国産靴のほうがいい靴か。と言われるとそうでもありません。
まあ、ただ単純に履物として足を守るという当初の目的を果たすことだけが靴の使命ならばそうなのかもしれませんが…
ファッションが文化であり、心に働きかけるものであるかぎり、そのような機能至上主義だけが本質ではないと私は信じています。
イタリア靴のほうが気分は上がりましたし、周りからも褒められたりして嬉しい思いもしました。
その後もまた同じようにイタリア靴を買いました。
今度は使用頻度も少なめに、お手入れもしっかり、雨の日は履かず。といった感じに気を付けていると、5~6 年はもっています。
物としての強度はもちろん大切ですが、愛着を持って長く履きたいと思うことが一番の長持ちの秘訣です。
冒頭にも書きましたがいい靴だから長持ちすると過信しないで、大切な靴だから長持ちするように扱ってください。
無条件でずっと履ける靴なんてありませんので。
少し話が飛びますが、「一生履ける靴」という伝説について。
まぁ、あるといえばありますが、基本的には無いです。
年に十数回しか履かないとか、ドライバー付きの車で移動する人とか、そういうレベルで実現する稀有な事例です。
大体そういう靴を持っている人は傷んできた時点でその靴を戦線から離脱させて半待機兵に変えています。待機状態を現役と謳っているのです。
期待しすぎないでください。
余談ですがタイトルは最初『…思い込みです』にしたのですが、書きながら思いが変わって『幻想です』に変えました。
この幻想、私も以前持っていたのですが、思い起こせば初めて母からリーガルの靴を買ってもらったときに言われたことが始まりだったような気がします。
そんなことを思い出して、『思い込み』と冷たく書き綴るより、それは『幻想(ファンタジー)』なんだよと、語るほうがしっくりくるなと思ったしだいです。