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キリスト開始 仏陀開始
ええ塩梅に壮絶に、世界は始まったのである。それからしばらくして、俺が始まったのである。
俺は素晴らしかった。この俺様は俺様であるだけで、本当に強く、美しく、眩い光を放っていた。全ての自治体は、この俺様によって照らされ、影が出来てしまった。このような土地では作物は育たない。世界は飢饉に喘いでいた。
全て救いたい。そして、本当に美しく、本当に素晴らしく、本当に新しく、本当に美しく、本当に美しく、本当に素晴らしい世界。それを作り、また、この俺に救われた全ての存在が、美しく舞い踊り、舞い踊りすぎて、疲れ切って、やがて、本当に美しい結晶として、永遠に輝くだろう。そう思った。
だから、本当に新しい儀式をした。すると、やはり、本当に新しい者がこの世に訪れ、その者は、本当に美しく、本当に素晴らしく、まるで本物の天使で、その、本物の天使のような本当に美しい者は、にかっと笑って、悪ない、と言い、そしてすぐ帰っていって、この俺、感激し、涙を流し、悪ない、と復唱する。
次に、本当に新しい儀式2をした。すると、やはり、本当に新しい者2がこの世に訪れ、その者は、2番目に美しく、2番目に素晴らしかった。2番目に素晴らしい者は本物の天使のような者の次くらいには天使のようで、やはり、にかっと笑いながら、悪ない、と言い、去っていったのであった。
この2回で多くのことを理解した。世界は悪ない、ということである。では本当の悪とはなにか?俺はこの問いに取り掛かる。そして10年が経過した。悪とは竹中平蔵である。竹中平蔵は悪カンパニーを作り、世界を悪で染め上げようとしている。悪カンパニー社長、竹中平蔵が世界を悪で染め上げるための手段。それはカードゲームであった。
とある小学校に5人組の子供がいた。悪カンパニー社長、竹中平蔵は5人組に執着していた。その子供達の一人が持っている伝説のカードは、彼の目標、世界を悪に染め上げるということへの鍵となっていた。だから彼はカードゲームで子供達を負かし、伝説のカードを奪おうとしていた。
俺は竹中平蔵の元に急いだ。ただ一言、悪ない、と告げるために。
現場は火の海だった。竹中平蔵は悪カンパニーの全兵力を注いで小学校を叩き潰そうとしていた。現場には、100体のドラゴンと、一体の伝説のカード。そのモンスターの正体は、建造物の破壊者、カニエ・ウェストであった。カニエが召喚されると、世界中の全ての建造物が破壊されるだろう。
クックック、と竹中は笑った。これで、悲願、世界を悪で染め上げる、を達成出来る、と。
カニエは今、竹中の手に渡ろうとしていた。
俺は竹中平蔵に言った。悪ない、と。
お前は悪ない。世界は悪ない。神も悪魔も、何も悪ない。
すると、竹中、涙を流し、悪ない、と復唱。
そこで、俺の体から、眩い光が、そもそも俺の体は光り輝いていたのだが、それとはまた質の違う眩い光が、溢れ出した。俺の目の前に、本当に新しい者が2人、立っていた。お前が3人目だ、と2人は言った。こうして俺は3番目に本当に新しい者として君臨することが許されたのである。
竹中平蔵にも変化が現れた。竹中平蔵を包んでいた悪が晴れ、本当の姿が現れた。竹中平蔵の正体は、湖の乙女だったのだ。この日本国で、湖の乙女に跪かない者はいないだろう。この日、日本国民は湖の乙女のほうに向かって跪いた。湖の乙女は一言。悪ない、と囁いた。