チンチンを勃起させて、NHKを受信したな?
その日、とてつもないポルノが俺の元に訪れた。それは今まで見たことがないような、本当に新しいポルノであったし、本当に素晴らしいポルノであったように思う。とにかくそのポルノは俺のタイムラインに突如出現し、みるみるうちにチンチンが勃起してしまったのである。その瞬間にチャイムがなった。
恐る恐るドアを開けると、NHKのおじさんが立っていた。
「取り立てに来たぜ、ガキ」とおじさんは言った。
「でも俺は、テレビを置いていません」と反論。
おじさんはこれ見よがしに大きなため息をつき、
「チンチンを勃起させて、NHKを受信したな?受信料を払え」
と言い放った。
俺は、悔しかった。悔しかったから、スマホをかざし、おじさんに先ほどのポルノを見せつける。
おじさんは、んお!?と驚愕し、みるみるうちに勃起してしまった。
「クソ!ガキ!覚えてろ!」
おじさんは呪詛を吐きながらATMまで走っていった。俺はせせら笑いながら、その背中に、チンチンを勃起させて、NHKを受信したな?と繰り返した。
ここで俺は閃いた。公共の電波にこのポルノを流せば、日本国民は全員もれなく勃起してしまい、NHKの口座は潤うだろう。経済が循環する。これは停滞しきった日本経済へのカンフル剤だ!
俺はすぐさま実行に移した。Amazonでテレビを注文すると、すぐにテレビが届いた。ツイートを開始。
# ぎふチャン 凄まじいポルノが流れてきた!
ぎふチャンのニュース番組の下の部分に即座にそのツイートが表示された。俺はクックック…と笑い、他のチャンネルに変えた。
すると、他の局でも、凄まじいポルノが流れてきた!といったツイートが取り上げられており、俺は驚愕した。他の局でも、他の局でも、あのポルノが画面を占めている。
俺は急いで外に出た。街頭のディスプレイには惚れ惚れするようなポルノが映っていた。
それを多くの人が見て、みんなが勃起していた。
取り立ておじさんがATMから出てくるのが見えた。おじさんは道行く人々にスマホを見せながら、走っていく。おじさんが走り過ぎた軌跡には、右から左へと勃起のさざ波が起きて、そのボッキウェーブは小さな男の子にまで迫り、間一髪とはいかず、乗るしかない、このディックウェーブにといったことになっていたのである。
また、仲睦まじい親子が歩いていると、突然、お互いにポルノを見せあったかと思えば、お互い指差し、「チンチンを勃起させて、NHKを受信したな?受信料を払え」と告発する。
よく見ると、道行く人々の多くは誰かを指差し、「チンチンを勃起させて、NHKを受信したな?」と言っている。
俺は恐怖した。適当なまともそうな通行人を捕まえ、指差し、チンチンを勃起させて、NHKを受信したな?と聞いてみる。通行人は逃げ出した。
しかし、その通行人もまた、数歩も走らないうちに、ふと立ち止まり、別の通行人を指差し、チンチンを勃起させて、NHKを受信したな?と言っている。
街頭テレビにニュース速報が流れる。このポルノに注意!という警告と共に、あのポルノが映し出される。緊急事態宣言が発令された。岸田総理はそわそわして、記者クラブの質問に答える。記者の一人の、「チンチンを勃起させて、NHKを受信したな?」という質問に、岸田総理は記者を指差し、「チンチンを勃起させて、NHKを受信したな?」と言う。ついにはテレビカメラの向こうにいる、俺達を指差し、「チンチンを勃起させて、NHKを受信したな?」と言った。
その日のうちに、NHKには国一つ作れるほどの金が振り込まれた。そして、本当に、NHKは独立国家を樹立したのである。