見出し画像

何もかもが新鮮(入院)

昨年体験した入院手術について、記録のためにマイペースに書いています。
準備ですでにへろへろな前回はこちら。

とにかく緊張と不安を抱え込んだまま病院へ。


そこ?

実は一番不安だったのは病院での過ごし方だった。
いつ病衣に着替えるの…シャワーはどうするの…食事はどうやって取るの…これから何が起こってどうやって生活していくの……と、頭の中はこんな風にぐるぐるしている。

手術を前にずいぶん余裕だな? 病院に聞けばよいのでは? と思われるかもしれない。私もそう思う。このときは手術への恐怖にたどり着くまでに不安なことが山ほどあったし、問い合わせるのも迷惑になるような気がしていた。

なので代わりに(?)母や友人が一体験談として、細かいところまでまた話をしてくれた。もちろん、まったく同じ体験をするわけではないことはみんな理解している。それでも落ち着くことができたので感謝しかなかった。

ちなみに、病衣に着替えるタイミングは看護師さんにちゃんと聞けた(自分のなかでは優先度がめちゃくちゃ高かったんだな)。シャワーも食事も、これから何が起こるのかも、病院での過ごし方について懇切丁寧に説明してくれる時間がちゃんと設けられていた。当たり前か。やっぱり母や友人の話とは細かいところで違っていて、入院生活も人それぞれなのだった。


入院生活のはじまり

病室が選び放題だったので、迷った末に大部屋にした。
ただ、他人が著しく苦手なので少し心配だった。ひとりの看護師さんが気を配ってくださり、何かあればすぐに変更できることを伝えてくれた。そのあとも問題なく過ごすことができたのは、この言葉が安定剤になっていたからだと思う。選択肢があるというのは大変ありがたかった。

大部屋とはいえ個人のスペースはカーテンで仕切られていて、プライベートな空間は十分確保されていた。部屋で人と顔を合わせることは本当にめったになかった。とはいえ、ほかの方の気配はたしかに感じるので、それも気になってしまう人にとってはツラいだろうなと思う。

主治医や麻酔科医、看護師の方々から手術や当日の流れの説明を受ける。そのあとはとにかくゆっくり過ごす。大量にもらった資料を読み、それが終わったら病棟内を散歩し、持参していた本を読み、スマホを触る。

緊張しているわりには、初めての病院食をもりもりといただく。
食事中に回診があったのでそのまま先生と話をしていたのだが、いったんお椀を置いて挨拶をしたほうがよかったのでは……と、どうでもいい事にはたと気づき少し落ち込む。

消灯時間は22時。夜型の生活をしていたので眠れるかどうか心配だったのだが、疲れていたせいか、21時を待たずに就寝(しかも熟睡)。朝は5時頃起床。このあたりから朝型生活に移行していったのである。


予定外の地獄

入院直前に抜歯になったほかに、もうひとつ予定外の事態が起きた。生理がやってきたのである。ストレスで周期が狂いに狂っていたので気になってはいたのだが、予兆すらなかったので焦った。

私は生理痛がとにかく重い。鎮痛剤を飲むタイミングを間違えると生き地獄を味わうことになる。もちろん痛みだけではない。毎月この数日間は生きているだけで自分をほめたたえている。

持参薬は病院預かりとなり、退院時に戻ってくることになっていた。
頓服薬は必要なときに都度頼んではじめて服用できる。私にとってはそれを頼むのがまた苦痛なのである。心身ともに、すでにひと試合終えたようにぼろぼろだ。そういえば、手術時は専用の下着を履くことになっていたのだが、経血のために医療用おむつを使用することになった。

不安だったことが徐々に解決していく。


患者さんの言葉と先生の言葉

手術の前日、先に入院していた同室のおばあさんと偶然出くわし、少しおしゃべりをした。入院生活への不安が薄れてきてようやく、手術そのものが怖くなってくる。

「手術が怖いです」と言うと、おばあさんは「痛みはたいしたことないから大丈夫だよ」と笑って話してくれた。そのあともめずらしく会話が弾んだ。「これもいい経験と思って頑張ってきます」ともっともらしいことを口にすると、「こんな経験は一生しなくてよかったけどね」とおばあさんは言った。本当にそのとおりだ。

緊張はしていてもやっぱりお腹は空くのでしっかり食べる。
あまりにも便通がよかったので、母から散々おどされていた下剤は体験しなかった(よかった)。

さすがに今夜は眠れそうにないかな……と思っていたら、夕食のあとに回診があった。いつも主治医の後方に待機している先生が一人だけ。夜勤の担当だったのだろうか。

「眠れないかもしれません」と言うと、先生は「今夜寝なくても、明日麻酔で寝ます」と宣言した。そうか、明日は眠れるのかと思うとなぜか安心して、結局この日も熟睡した。


※入院中はラジオや雑談配信を流さずにいました。音楽はまだ聴けず。夜の病院は静けさと慌ただしさが入り混じっていたのでそれを聞いていました(みんな戦っていた)。