書評『足に敷かれた花』掲載のお知らせ
「図書新聞」No.3568 ・ 2022年11月26日(土)に、ロナルド・ファーバンク『足に敷かれた花』(浦出卓郎訳、彩流社)の書評が掲載されました。http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/index.php
「図書新聞」編集部の許可を得て、書評を投稿します。
書評は下記リンクよりお読みいただけます。
ご興味ございましたらどうぞよろしくお願い致します。
https://note.com/yasushi_kaneko/n/n10a9cabe656a
感想:
登場人物も言葉もとにかく自由気ままに飛び回っており、それならこちらもとことん付き合ってみよう!という気持ちにさせてくれる小説でした。人々の振る舞いは不可思議でシュールな部分が多いものの、上流階級への皮肉や自虐的な描写もあって思わず笑ってしまい、それが爽快に感じる瞬間もありました。
物語を評するときに「夢」という言葉を持ち出してよいものか、とても悩みました。ただ、読んでいる間は常に不安なのに妙に納得してしまう、あの独特な心理状態にあったように思います。最後には、言葉に何か意味を見出そうとする(私のような)人間を振り回して楽しんでいるお茶目な登場人物や著者の姿が見えたような気さえしています。不思議な読書でした。
空き時間にちょっと楽しむ……というよりも、読書の筋肉を鍛えたいときにお手に取ってみるのはいかがでしょうか。
様々な読み方ができる作品と思っており、いろんな方の感想をぜひ拝読したい気持ちです。