アイドルオーディション4(瞳編/ラノベ/620文字)
女子中学生ミスコンに応募した瞳は、とりあえずネット配信をはじめてみた。
プラットフォームは、「みんなのチャンネル」である。
瞳自身、スマホで動画を見たりした経験はあるが、配信は初めてである。
見るのとやるのは大違い。
家の中の音が配信に入ってみたり、本来見せてはいけないものが映り込んでみたり。
なかなか面倒なのである。
「みんなのチャンネル」には、ミュート機能があるため、瞳は使ってみた。
生活音等が配信にのらないようにするための機能である。
「声、きこえてますか?」と言ってみたが、当然配信に音声はのっていない。
それを見てた視聴者は、「聞こえなーい!」「読心術配信?」といったコメントで返答した。
瞳は面白がってそのまま配信を続けていた。
と、そもそもそのミュート配信を試した配信回は、お菓子作りをするつもりの瞳であった。
ふっと瞳は気がついて、お菓子作りをはじめた。ミュートしたままである。
小麦粉等を練って、シフォンケーキを作り上げるまで約2時間。
ミュートしっぱなしだった。
本来配信者と視聴者は、コミュニケーションをとりながら配信するルールなのだが、なにしろお菓子作り。
瞳が笑顔で手を振ったりして、コメントが返るのもコミュニケーションなのだった。
それを見てた視聴者もいたが、そもそもミュート配信であることに気が付かない視聴者もいた。その後、瞳のファンになる視聴者もだいぶその中に含まれていた。
その視聴者は、後で聞いて「ガチョーン!」って感じだった。
(続く)
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