アイドルオーディション8(愛莉編/ラノベ/951字)
愛莉は、昨年中学生ミスコンに出場したが、セミファイナルで敗退した。
今年は高校生ミスコンに応募している。
また、高1ミスコンも同時に応募。
昨年度からの引き続き応募である。
(中学生から高校生になったという理由で、高校生ミスコンではあるが、主催者、審査等は変わらず。なので引き続きのリベンジである)
昨年度はセミファイナル敗退だったので、今年はどうしてもファイナリストになりたかった。
ボーッとしてて、おしとやかにも見える愛莉ではあるが、負けん気は人一倍強いのであった。
女子高生ミスコンの応募開始とともにすぐに応募。
そして、応募からミスコン審査まで、約3ヶ月あるので、それまでにファンを増やそうと努力していた。
その努力の中に、「配信を見てくれた視聴者を覚える」ということがあった。
学力が高くないし、社会常識もあまりないのに、案外記憶力はいい愛莉だった。
韓国語がそれなりに流暢な理由のひとつに、それがあるのかもしれない。
もともと美しい顔立ちということもあり、また、ファンをしっかり覚えているという点では、ファンの側から嬉しいことである。
そのため、数カ月ぶりに配信を見た視聴者相手に「お久しぶりです」なんて挨拶もしていた。その視聴者が、「この子の配信、見た記憶がない」という視聴者すら覚えているのである。
多人数でいるときは、壁の花になっていて、あまり他人に話しかけることができない愛莉だが、配信では自分が主人公で、あまり他人の力を借りることもできないので、記憶力等は武器になるのであった。
きれいな子に覚えてもらっていた男性は、案外嬉しいものなので、そのまま配信にいつく視聴者も多かった。
また、愛莉は配信慣れしてきたこともあり、他の配信者と同じような配信だけでなく、新しい形の配信も取り入れていった。
モッパン配信、辛いものを食べる配信等、他の配信者が始める前にやったりしたのである。
きれいな割に、食べっぷりのいい愛莉は、こういうところも愛されていた。
審査開始までの3ヶ月間、美容や食べ物、看板娘などのイベントにも出場し、上位入賞して景品をもらうこともよくあった。
実際、乾物店が新しくおにぎり屋さんをはじめた看板娘のオーディションにも合格し、見事おにぎり屋さんの店先ののぼりに、顔写真が掲載されたのもこの頃である。
(続く)