同棲はじめました

付き合ってもうすぐ3年になる彼と、ついに同棲がスタート。

とはいえ、私が先に入居し、彼は3月までは週に2~3回泊りに来る(といったら、契約者おれ~と怒られる)ので、本格的に一緒に住むのは3月になる。

1人暮らし歴10年!

ひとりの時間大好き!

友達とも家族とも遊びに出かけたい!

そんなマイペースな私のゆるやかボッチライフについに終止符が打たれるのだ。

「喧嘩ばっかりするかな」
「自由な時間が無くなるのかな」
「結婚したらいろんなバイアスに苦しむのかな」
「子ども生まれたら仕事辞めないといけないのかぁ」
なんて、同棲前はネガティブな妄想ばかり繰り広げていたけれど。

自力引越し作業、給湯器壊れたり、退去費の恐怖…などなど、
様々な家関係トラブルに揉まれているうち、
「なるようになれ!」
「彼がいてくれて助かった!!!」
と感じる場面が多すぎて、
ひとりだったらむしろどれほどしんどかっただろうかと言う気持ちでいっぱいだ。

彼が助けてくれたこと、覚えておきたいから今の心境を綴りたい。


同棲前までの率直な気持ち


彼がとても好きで、元カレになるのは絶対に嫌だから、結婚したいと思っていた。

できたら子どもも欲しい。

逆算すると、29歳としては、結婚も妊活も早めの方がいい。

結婚を手順通りに行うと、結構やることが多いことは知っていたし、子どももスッとできるかどうかはわからない。

そう考えるとやっぱり早めに結婚したい。

と、同時に

「いまのままで満足、今のままでいたい」

という強烈な現状維持への希望が根底にあった。

自分の空間、自分の時間、生活のすべてを自分の決済で進められる生活は、非常に心地よい。

散らかしてもご飯がめちゃくちゃでも、洗濯物5日ためたって誰にも怒られない、「ダメな自分でも受け止めてくれる」最高の空間、それが一人暮らしだからだ。

人と一緒に住むということは、うまくかみ合えば人生が楽になるかもしれないけれど、そうじゃないからどれだけ愛し合った二人でも離婚するんだろう。

彼と一生別れたくないから、結婚したいのに、一緒に住むことでお互いのことを憎み合って嫌いになってしまうのは本末転倒だ。

ひとり暮らしで無茶苦茶な自分に対し、彼は実家暮らし27年で家族仲も良好。

私との同棲は、彼にとっては生活の質がランクダウンだ。

ご飯も洗濯も掃除も自分で常にしながら、1日8時間以上働く生活は、とてもじゃないけど実家レベルの癒しタイムは得られない。

私は運転免許もないから、車で買い物に行くなら全部彼が運転になる。

高給取りでもないから、金銭面でも足を引っ張る。

本当に、一緒に住むこと自体、彼にとってなにかいいことあるのだろうか?とすら思っていた。

私の実家に同棲をする挨拶をしに来てくれた後さえ、その気持ちは変わらず。

同棲に対して、楽しみという気持ちは、あんまり湧いてこなかった。

この気持ちは1度彼に全部オープンに伝えたのだけれど、その時「楽しみにしてるのは俺だけだったんだ」と言っていて、彼が同棲を楽しみにしているということに衝撃を受けたのも覚えている。

こんなネガティブなくせに、同棲をやめるという選択肢はなかった。

同棲をやめるということは破局を意味する。

それこそ一番ナシだからだ。

新居決定とプレプロポーズと壁の穴と給湯器が壊れる事件

全貌が見えない同棲への不安の中、新居選びが年明けより本格化。

家を選ぶなんて7年ぶり。

当時は大学生で、就職先の近くに転がり込むように2日でだれにも相談もせず勢いよく決めたから、
こんなじっくり人とあーでもない、こうでもない言いながら選ぶって初めてで、新鮮だった。

内覧で「この家がいい!」と思える、一番フィットする部屋を運命的に見つけたときはもう有頂天。

「ここがいい!」と小躍りしながら彼に抱き着き、

彼が「ほんとに結婚するんだなって、今日めっちゃ実感した」と言われて、

きゃー!と照れて叫んで走り去った。

契約の時には、親族のみ同居可の物件だったため、「婚約届」を出さないといけなかった。

その前に、と彼がサプライズで、

「結婚を前提に同棲してください」

と、青いカーネーション3本を贈ってくれた。

青いカーネーションには、「永遠の幸福」って意味があるんですって。

3本には「愛している」って意味があるんですって!

それを調べて選んで用意してくれた彼がかわいくて愛しくて仕方ない。

大好きだ。

ちなみにこれは、プロポーズ本番ではなく、プレプロポーズらしい。

プロポーズは、3周年記念日にちゃんとやりたいそうで、私はこんなうれしい気持ちを2回も味わえて本当に幸福だ。

幸せすぎて、罰が当たりそうだ。 


と、思っていたら。


その翌日に、もうすぐ退去する一人暮らしの賃貸マンションの給湯器が静かに経年劣化で息を引き取った。

1月。冬。お湯が一切出ないは、大問題だ。

まさかほんとにこんなすぐに罰が当たるとは思わなかった。

しかも、賃貸の場合は自分で修理ではなく、管理会社→オーナー許可→施工会社に連絡→手配→修理になるので、時間がかかる。

銭湯巡り生活が始まった。

最初は3日ぐらいで終わりそうだったが、まさかの管理会社の発注ミスで、オーナー許可にも時間がかかり、結局2週間かかった。

家賃から返還される金額は1000円ほど。

毎日450円~1000円の地味な出費を重ねつつ、外風呂の日々は、今でこそ笑い話だけれど、1日の終わりのリラックスがあまりできず、どこか緊迫感があった。

それと同時に、退去連絡に伴い、部屋の壁の穴と、冷蔵庫の水漏れの修理が必要だった。

管理会社は割とぼったくり系で、見積をとると17万円。

他社で見積もりを取ると9万円だった。

交渉を重ね、他社で修理の許可が下り、何とか17万円は回避したものの…

度重なるトラブルや、管理会社への不信感で気持ちは大荒れだ。

もうこのあたりで、

「とっととこんな家出ていきたい!」

という気持ちが大爆発。

あれだけ一人暮らしに未練がましくしていたのに、ここにきて「あばよ」という気持ちしかわかない。

人は、でっかいトラブルが起きると、日々の小さな不安なんてどうでもよくなるのだ。

同棲したら喧嘩するかもしれないけど、仲直りすればいい。

自由な時間がない、なんて贅沢な悩み!

ご飯が食べられて、お風呂に入れる、管理会社が怖くない、「当たり前」がどれだけ貴重で得難いものか。

安心して住める家なら、もう満足です本当。

それに、彼は私が大荒れの日々で、メンタルもぐちゃぐちゃな時も、全部一回話を聞こうとしてくれる。

「風邪っぽいから」とデートをドタキャンした時だって、「あんなこと言われていやだった」と責め立てた時だって、彼はまず「言いにくいこと言ってくれてありがとう」と受け止めてくれる。

「ダメな私を受け止めてくれる空間」として一人暮らしを愛していたけれど、家事も掃除も仕事も性格もダメなところまみれの私を見捨てずに、3年間ずっと大事にしてくれていた彼だ。

大丈夫。

もう疑わない。

トラブルまみれの1月を終えて、給湯器も治り、退去連絡も終え、2月からはいよいよ引越し。

そして、退去。

不安な気持ちの矛先は、「退去費がいくらになるのか」だけだ。

ビバ☆引っ越し

引越し先が、我が家から車で10分の距離なので、レンタカーで運ぶことになった。

と、その前に、冷蔵庫と洗濯機は、2人用にするために私のものは手放すことに。

冷蔵庫はなんと500リットル入る大型のものを、ヤフーのポイント還元が一番大きい日に、20万ぐらいするものを14万円で購入!(もちろん、この辺のテクニックは彼が最強)

洗濯機は、彼のお父さんが単身赴任時に使用していたものを譲り受けることになった。とてもありがたい。

問題が2つあった。

1つは処分。

大型家電は買い替えの時に持って帰ってもらうことが多いが、元の家にある冷蔵庫は新居に到着する新しい冷蔵庫と入れ替わりで持って帰ってもらうことはできない。

洗濯機はなおのこと。

人生初の「家電出張買取」を依頼するにあたり、いろいろ調べたり、掃除をしたり、水抜きをしたり…地味に大変だった。

2つは、冷蔵庫がなくなる期間が発生すること。

冷蔵庫がなくなり、新しい冷蔵庫がやってくるまでの間に3日間のタイムラグが発生するのだ。

冷凍食品が解ける。

しかも、良かれと思って注文した、ふるさと納税のハンバーグ20個が冷凍庫にいる。

味はべらぼうにおいしいが、脂がすごい。

でも、食べるしかない。

そう思って1日2個食べていたら、でこに大量のニキビができた。

洗い物の時に、冷えて固まった油の塊がこびりつき、給湯器が壊れているのでお湯が出ず、なかなか油汚れが落とせない。

「しばらくハンバーグはごめんだぜ…」

と心から思ったし、こんな気持ちになるなんて、若かりし頃の私は想像したことなかったろうな…

その他の食品に関しては、ありがたいことに10年に1度の大寒波がやってきて、ベランダに出しているだけで冷蔵物はよかったけれど。

肌は現在もあれているが、何とかどちらのトラブルも乗り切った。


引越し前日、彼が家族旅行土産の牡蠣を持って帰ってきてくれた。

大好物の牡蠣に大興奮!

お互い仕事終わりだったけど、彼はサクサク牡蠣鍋、牡蠣ご飯、牡蠣のアヒージョ、そして大自然解凍ハンバーグを使った煮込みハヤシハンバーグを作ってくれた。

全部美味しすぎて、「あーこの日のために生きてた!」と心から思った。

付き合ってから一人暮らしの私の家が、おうちデートの定番で、3年間泣いたり笑ったり、お家居酒屋もおうちカフェも、記念日のお祝いも、全部この部屋に詰まっていた。

牡蠣が最後の晩餐だ。

狭い狭いと文句を言いながら、布団を取り合って暖を取るのもおしまい。

でも不思議と寂しさはあんまりない。

3年付き合った彼と別れる妄想をした時は心砕けて涙止まらないけど、7年住んだ家には愛着はあってもちゃんと平常心のまま離れられるものだと感じた。

楽しい夜だった。


次の日、引越し当日。

私のあまりの荷造りの甘さが祟りまくり、予定では3往復だったが、結局6往復した。

前日の牡蠣ご飯を昼ごはんにしようと思っていたのだが、元の家の前で車を止めていると駐禁取られる可能性があったので、机も何もない新居にもっていって食べることに。

牡蠣の香りが満ち溢れた炊飯器を赤子のように抱きかかえて、地べたに座って牡蠣ご飯を食べたのは思い出深い。

大小さまざまな荷物を、手で運び続けるのは相当で、
「これはもしや終わらないのでは?」
と思うほどだった。

6週目、時間的にもラスト!となったときに、可動式の棚(分解不可)が車に入らない事件が起きた。

このままでは、まずい。

私はうっかり「無理ちゃう」と漏らしていたが、彼は一瞬固まった後、

「いや、なにかある。やるしかない」

と言って、いろんなパターンに荷物を入れ替え…

奇跡的に積み切ることができた!

荷物を積んで、下ろして、レンタカーを返す締め切り時間の5分前になんとか到着!

1日フル稼働で、頭も体も限界を通り越して、そのままサイゼリアへ。

空腹とのどの渇きがすごかったので、猛烈に注文し、水をがぶ飲みし、2人とも無言で目をつむってうなだれていた。

しばらくするとご飯やってきた。

玉ねぎのズッパが体にしみわたるうまさ。
初めて食べて、スープなのに満足感抜群…!
これ、求めてたの、これ!という気持ち。

あとはいつものチーズドリアとハンバーグ、ピザ…
ワインも飲みつつ!
そしてデザートはシナモンフォカッチャだ!

あつあつのフォカッチャに、冷たいバニラを乗せて食べる贅沢…!
疲れた体に染み渡る。

腹を満たして、ちょっとハイなまま、今日のことを2人で思い返して爆笑しながら寒い夜道を歩いた。

「駐車場のポールのこと、ポールさん(知らん外国人)だと思ってたところは面白すぎた」

「手で持てる荷物って言うたら、ほんまに両手いっぱいにもの持ってきた時は、笑い止まらなかった」

とか、今日のハイライトで大爆笑だ。

荷物が床に置いたまま、あれこれ足りない部屋に帰ってきた。

なんとかお風呂に入って、寝る準備。

どうにも、一人暮らしの私の部屋から持ってきた荷物は小ぢんまりしすぎて面白い。

こんなに部屋が広くなったのに、布団が1人分しかないので、結局ふたりでシングルベッドにみちみちに式詰まって寝た。

「家こんなに広いのに!こんなせまいことある!?」

「ちょっと布団とらないでよー!」

寒い寒い言いながら、身を寄せ合って笑って、背中合わせでおやすみ。

大変な引越しだったけど、彼と乗り越えたいい思い出だ。

そのあとも、カーテンのサイズを誤発注するなど、トラブル発生したけれど、まぁなんとか返品対応いただけることに。

ありがたや。


こうして、2人暮らしがはじまった。

いろんな意見を聞くけれど、とりあえず家事は分担せず、各々やってみて得意分野を見定めてみようかということに。

結婚や同棲は忍耐、という。

どちらかというと、今は私が迷惑をかけて彼が耐え忍んでいる場面が多いのが申し訳ない。

案外、始まってみると楽しい。

部屋の片付かなさとか、彼が越してくるまで結局一人暮らしだな、とか思うところもあるけど。

家具を一緒に選んだり、どこのスーパーがお得か調べたり、テレビを見ながらご飯を食べたり。

ずっと一人が当たり前の毎日に、些細な買い物のことでも相談できる彼が横にいるのはこんなに心強くて、こんなにご飯が楽しいものになるんだと、じんわり感じてとても嬉しい。


いつか当たり前になる日常だろうけど、今のこの新鮮でわくわくした最初の気持ち、いつまでも覚えていたい。

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