親友の結婚式が最高すぎた話

私の親友の結婚式が、晴れやかな大安の本当に良き日に執り行われた。
とても、とてもよかった。
思い出しても涙が出てくるレベル。
彼女らしい丁寧な気遣いと、美食へのこだわり、プレゼントやイベントの工夫が凝らされた、ゲストひとりひとりへの愛情を感じる、まさに私が思い描く一番理想の結婚式。


余韻に浸りたい。

結婚証明書に、ゲストひとりひとりの似顔絵を添えて

私と親友の出会いは、高校1年生の時。
もう付き合いは10年を超えているにもかかわらず、1か月に1回は遊ぶような貴重なご縁だ。

お互い結婚の影もなかった時に、親友が
「いつか私が結婚するときには、〇〇に絵を描いてほしい!紙類全部任せたいぐらいやわ~~」
と言ってくれた。

そりゃもうめちゃくちゃうれしかった。
「絶対やる!」
と速攻約束をした。

なぜなら、私は、芸大在学中にウェディングプランナーにあこがれて、式場でバイトをしたり、ダブルスクールで資格を取得するレベルで結婚式が好きだった。

就職は関係ない一般企業に勤め始めていたが、副業で結婚式のウェルカムボードのご依頼をいただくことに並々ならぬやりがいを感じていたのだ。

何年前か忘れたけれど、私の中で親友の結婚式を絵で全力で祝うというのは、決定事項!

そしてそれがついに、叶ったのだ。

彼女からの依頼は、本当に、私自身が一番描いてみたかったオーダーそのものだった。

それは、ゲスト1人1人の似顔絵を描いて、テーブルの「席札」に使うこと。

会場に案内された、大事な人たちが自分の席に着いたときに自分の似顔絵が描かれた手紙が置いてある。
それだけで、すごくあったかい気持ちになるし、「迎えられているんだ」という実感につながるかな?と空想していたのだ。
まさにそれ!
嬉しかった。

親友の結婚式は「人前式」。

人前式は、結婚の承認を参加者が行い、「結婚証明書」というものにサインをするのが通例だ。(アレンジはいろいろある)

「結婚証明書」にも、似顔絵を使いたい、といってくれた。
似顔絵の下に名前を書けるようにして、結婚式当日にゲストに名前を書いてもらう流れだ。

めちゃくちゃいい。

夜な夜な、2人で電話で話し合って、一瞬でデザインが決まった。
親友はシゴデキだ。
似顔絵に必要な写真と、会ったことない方にはそれぞれのイメージを言葉にして、画像でまとめて共有してくれた。
あまりにもスムーズ。

制作をしていて、ここまで悩み少なく、サクサク進むのは珍しかった。

それでも、38名の似顔絵を描いて、スマホで撮影し、データとして調整、「結婚証明書」と「席札」を2種類デザインする作業は、物量が多くて、簡単とはいいがたかった。

あと、似顔絵って、ラフの時点で似すぎる人と、なぜか何回かいても全然似ない人がいる。不思議だ。

お気に入りの自由帳に、親友の大事な人たちを描いた。
類は友を呼ぶなのか、穏やかで暖かそうな人たちばかりだった。

データ完成後、印刷屋さんに一緒に行き、額縁を探しに街を歩き回った。
そんな時間も楽しくて、親友の結婚式にこんなに関われる嬉しさをしみじみ感じていた。

そして、当日。

私は受付担当。
結婚式の楽しみと、一緒に用意した似顔絵を、本人に見せるお披露目で、私はどっきどき緊張しまくったまま、会場に入った。

ウェルカムスペースに並ぶ、2人の思い出の写真は思わずニヤニヤしてしまう。
1か月に1回は遊んでいたから、「あ、これは旅行行った時の」「あ、これは出かけたっていうときの」と、話が思い出せてしまう。

そして、「結婚証明書」が並んでいた。
家でスマホでデータを作っていたのが、こんな素敵に飾られるなんてって思うと、ぐっとくるものがある。

とりあえず、ウェルカムドリンクでアルコールを入れて、落ち着かせた。
(このウェルカムドリンクは梨味で非常に美味)

先に、自分の名前を記入。
結婚証明書に、サインをする。
「自分の名前を書くのに緊張するなんておかしいね」
って一緒に受付係をする友達と笑いながら、丁寧に描こうとしたけど結局いつものクセ字になって、まぁそれも自分らしくていいかな~と笑った。

その後は、続々と集まるゲストから、お祝儀を受け取りつつ、結婚証明書にサインをしていただけるようにご案内。

これが面白い。

写真で先に、ゲストの顔を知っていたから、「あー!ヒカキンに似てる人ですよね?!」「あ、すごい、ご本人さんだ」みたいな気持ちがあふれて仕方ない。
芸能人の写真を見ていて、本人を見たときのあの気持ちだ。

案内しながら、「新婦が、カメラがご趣味とおっしゃってて~」「新郎の親友のとにかく明るい方って聞いてました」と、描いた時に何度もみていたプロフィールを思い出して声をかけた。

皆、「似てる」「え、うれしい」「写真撮ってもいいですか?」「アイコンにしたい」と、喜んでくれていた。

絵を描くときは、壮絶に孤独だ。
ひとり、紙に向かって狭い部屋でちまちま作業をする。
そして、納品をしたらそれでおしまい。が、普通なのだ。

それが、ほんとに届けたいと思っていた人たちに、目の前で見て喜んでもらえてる。
人の心を動かす瞬間を夢見て、いつも描いているのだ。
「届いたんだ」と実感すると、胸がいっぱいだ。
絵描き冥利に尽きる。

親友のお母さんとは初対面だったのだけれど、私の顔を見るなり、「ほんとに素敵なものをありがとうございます、いつも仲良くしてくれて本当にありがとう」と、涙を浮かべてくれていた。
めちゃくちゃいいお母さん…!
涙腺ががばがばな私は、秒でもらい泣き。

絵を描いていて、よかったなぁ。
親友が、「人生で一番幸せな日だった」という。
そんな1日に、大事な大事な節目に、関わらせてもらえて、こんな幸せなことないなぁ。

私の結婚式ではないけれど、めちゃくちゃ幸福感と、達成感があった。
「ありがとう」と何度も何度も言ってもらったけれど、それを言うのは、私の方だ。

ずっとやりたかった、夢をかなえてくれた。

結婚式は最高なまま、2次会でカラオケ、3次会で居酒屋で飲み会をし、無事にのどがかれるぐらいしゃべって歌って笑って泣いた。

親友の気遣いあふれるこだわり

結婚式の翌日の夜、親友から「式ではちゃんと話す時間なかったから電話したい~」と連絡があった。
私も、めちゃくちゃ感動して、伝えたいことが募っていたので大歓迎!

開口一番、親友は「すごいあったかい式になって、それは半分以上〇〇のおかげ」「ありがとう」と言ってくれた。
「どのテーブルに行っても、似顔絵のことめちゃくちゃ喜んでくれてたよ」
「アイコンにしたいから許可とって、って言ってきてくれた友達もいて」
「ほんとにありがとう」
そう言ってくれて、本当にやってよかったなぁと心底おもった。

絵以外でも、彼女の気遣いあふれるおもてなしがたくさんあった。

1つは『引き出物マルシェ』だ。
テーブルごとにくじ引きをして、早いもの順で、帰りに引き出物を選べるという、ワクワクがつまったおもてなし!

並んでいたのは、アユーラの入浴剤やリファの櫛、銀座資生堂パーラーのお菓子など、ほしかったやつ!と思わず叫びたくなるような名品ばかり。

ちょうど櫛が壊れていたので、リファ様の櫛をいただいた。
↓これ


アユーラの入浴剤も使ったことがあるが、めちゃくちゃ癒されるいい匂い。液状タイプなので入浴時のお湯の量に合わせて自分で調整できるところも素敵だ。

親友に「選ぶのも楽しかったしほしかったものもらえてすごくうれしかった」と伝え、あのマルシェの案はどこから?と聞いてみた。

親友は
「よく、結婚式でカタログギフトとかをもらうけど、
私は家に帰って大量にある商品の中から選ぶのが結構疲れちゃうタイプで。
数が多すぎるのがだめだな、と思って、自分のおすすめの物を選んで並べてみたの~」
と。

た、たしかに!
カタログギフトはプレゼントしやすい。
相手に選んでもらえればいいから、安心、と思っていたけれど、膨大な数の商品から選ぶのと、ネットで登録など作業が必要になると、まぁまぁ疲れる。一仕事だ。
結局、悩むのがめんどくさくなって、1か月ぐらい放置したこともある。
ささやかなことだけれど、親友の気遣いが心地よかった。


親友が用意した結婚式のイベントに『ゲスト格付けチェック』があった。
これが面白い。
問題は2つあって、ほうじ茶・水をA/B2つずつ用意され、片方がとっても高い・もう片方はその辺で手に入るもの。
高い方を当てる、年末特番でおなじみの『格付けチェック』だ。

ほうじ茶は結構簡単だったが、水が難しすぎた。
私には味・においの違い一切わからず間違えた。
全問正解者15名は一流ということで、ハーゲンダッツのチケットをもらっていた。

これがすごく楽しかったと伝えると、親友も「レストランウエディングだからこそ!ってかんじで」と。

「私と旦那の友達見渡しても、出し物とかでわいわい盛り上がるタイプじゃないし、お願いした子の負担になりすぎるなぁとおもって。自分たちでできるちょっとした余興をって考えてたの」

確かに~~と思った。
余興は全くないと寂しさもあるが、かといってゲストにお願いすると、ゲスト側の負担が大きい。
出し物が終わるまで安心してご飯も楽しめない。
親友のゲストの気持ちや場の空気を想像する力で、選ばれた『格付けチェック』という余興は、大いに盛り上がった。

また、親友は美食家だ。
おいしいご飯へのこだわりが強い。
だからこそ「ごはんを、楽しんでほしい」の気持ちが伝わるくらい、結婚式にしては珍しくゆっくりごはんを味わえる時間が設けられていた。
ご飯が終わるまで、テーブルで写真を撮る以外に余興がなかったのは、親友らしい。

おいしいご飯を食べて、「格付けチェック」をして、デザートも味わって、それから親友の両親への手紙。
親友のお母さんが、手紙を読み始める前から泣いていて、つられてめちゃくちゃ泣いてしまった。
手紙の内容も、本当に良かった。

実は、親友は一度、親への最初のあいさつの後結婚をすぐに認めてもらえなくて、プロポーズをされてから1年以上保留状態になっていたのだ。
実家暮らしだった親友とお母さんは、家族でありながら親友のように仲が良かったので、お母さんが「いきなり言われても心の準備ができない」と、なってしまったからだ。

その当時の親友の困惑ぶりや、悩みや不安の日々を知っていた身としては、涙を浮かべながら感謝の気持ちを丁寧に伝える親友の姿と、それを聞き涙が止まらないお母さんの姿を見て、とても胸がいっぱいになった。

お母さんがやっぱり娘のことを、心から本当に大切に感じていたからこそ、生まれた複雑な感情。
大好きな旦那さんと一緒になりたい、でも母を傷つけたくない、そんな板挟みの時間があったのだろう。
でも、私の見聞きしていないところで、ゆっくりと時間をかけて、新しい家族に変化していった。
その節目の門出を今見ているのかと思うと、やっぱり涙が止まらない。

本当にいい式だったよ、と親友に心から伝えた。
手紙の時に感じていたことを話すと「いや、家族かいな」とつっこまれた。


きっと、親友はこれからも旦那様ともご両親とも、友人とも、暖かくて素敵な縁を築くことだろう。
これからも、時々のろけを聞かせてもらいながら、幸せがずっと続くことを心から祈っている。

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