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良い仕事に感謝

 毎朝のように行く近所の公園がある。黄色くなったセコイヤの並木に沿って歩く。実が赤くなりはじめたナンキンハゼの下で朝のラジオ体操。ゲートボールの老人達はヒマラヤ杉の下で休んでいる。まもなくドングリ拾いの園児達もやってくるだろう。公園ができて50年。初めから、みんなが楽しめるように考えて設計したのか。良い仕事をしている、感謝だ。

 もう少し先に大きなスポーツ公園がある。メインスタジアムはビッグアイと呼ばれ、サッカーのワールカップも開催された。大分トリニータのホームスタジアムでもある。施設の運営は民間委託。運営維持は大変らしい。私たち県民も少し負担しているのか。
 このあたりは昔から「マムシ谷」「ムカデ山」といわれた里山だ。開発当時は反対意見もあったようで、設計会社の説明を聞く機会があった。設計担当の30代位の女性が「いつか元の里山に戻るように設計しています」と話していた。ゴルフ場の開発や宅地造成などが問題になっていた時代、元の自然に戻すなど本当にできるのかしら?と思った。

 あれから30年。時々、時間をかけてスポーツ公園を歩く。彼女が言った通り、里山が戻っている。今はススキが美しい。南には九六位山、西には祖母傾山。イノシシやアライグマも飛び出す。
 彼女はいまも良い仕事をしているに違いない。

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