楽しすぎたお笑いライヴ「coffee&choplin」
ずっと、ずっと、楽しみにしていたライヴ。
コ口ナの関係ですっかり趣味生活のリズムが崩れてしまったけど、私はライヴが大好きなのだ。お笑いでもお芝居でも音楽でも、ナマの舞台ならなんでもござれ。演者さんの息遣いが感じられるライヴは、至高の贅沢。
今回のライヴの出演者、チョップリンというコント師の、私は大ファンである。ファン歴、もう20年近いんじゃないだろうか。私の人生の三分の一は、チョップリンで出来ている。
2020年3月に、松竹芸能を退所してフリーに。
そして2020年10月23日、いきなり「ザ・プラン9」に正式加入。と同時に、吉本興業入りしたチョップリン。
ん? チョップリンとしては、もう活動しないの? 解散なの? 吸収合併なの?
当時の私の頭の中には「?」が点滅しまくり。
でも、今回のライヴは、完全に「チョップリン」としてのもの。
形式としても、過去には「curry&choplin」(大阪・靱公園のカレー屋さんを舞台に、後輩芸人さんたちも参戦しての壮大なコントライヴ。カレー付きで、色々な意味で美味しかった。)や「Rock&choplin」(大阪・梅田のライヴハウスを会場として、ライヴ中に殺人事件が発生! という設定でのこれまた内容盛りだくさんのコントライヴ。私のイチオシ。)なんかを手がけてきたチョップリン。客を巻き込んでのあれこれはもう、本当にこのシリーズ(?)のライヴの醍醐味なのである。
今回も、開場と同時に、西野さん(きょうくん)が店員と化し、客への相席案内や給仕役に徹していた。そう、客は「観客」にあらず。客も、ここからコントの世界に、否応なく巻き込まれていくのである。
コントは、4本。タイトルは知り得ないので、記録するために勝手に命名。
(1) コ口ナ禍
コ口ナ騒動の発端となった、某豪華客船内でしか見たことのないような扮装の男性(小林さん・コヴァンサン)が来店。
いまだにコ口ナを異常に恐れていて、この喫茶店の客が密だとか、検温や消毒、蔓防やココアがどうのこうのなどと、今となっては懐かしの(笑)ワード全開で騒ぎ立てる。
「ワ チンを8回打ったが、2回感染した。」
という台詞がツボ。ワ チンもア ノマスクも無駄すぎる、とw
(2) バンド解散
チョップリンファンにはあまりにもお馴染みすぎる、平平平平(ひらだいら・へいぺい)氏の登場に俄然テンションが上がる。その名の通り(?)とにかく変な人なので、君とはバンドを解散したいという・・・そんな会話をしている客を、我々「客」は、盗み見しているだけなんだけど。
この設定が、とことん生きたコントだったんじゃないかと。
(3) ハトの恩返し
喫茶ベリーに、いきなり巨大ハトが侵入!!
・・・ん? このハトの着ぐるみ、見覚えがあるなぁ。いつぞやの単独ライヴで見たような?(笑)
・・・はさておき、その鳩(小林さん・コヴァンサン)の足に針金が巻き付いていることに気付き、はずしてあげた店員西野さん(きょうくん)。
そのハトが人の姿となり、恩返しとしてもたらしたものは・・・。
(4) 新喜劇おじさん
この喫茶ベリーには、常連なんだけど、めんどくさいお客様が存在する。近所の果物屋のおやっさんらしいんだけど。
「新喜劇おじさん」と呼ばれるそのお客様のご来店の際には、必ず、大袈裟なリアクションをとらなければならない。
「どうもー。レオナルド・ディカプリオです!」
ドドドド、ガラガッシャーン! ・・・くらいに転げなければならないのに、その「新喜劇おじさん」の目は厳しい。
「あの席のお客さん! 反応してなかった!」
・・・そう、我々は「観客」ではないのだ。設定を課された「客」なのだ。だから、リアクションしろ! と言われたら、絶対にリアクションしなければならないのだ。じーっとしてるとか、ありえないのだ。
結局、新喜劇おじさんが納得するまで、何度もリアクションをさせられた。
そういや昔「talent school & choplin」というライヴもあったなぁ。養成所という設定で、講師(チョップリン)の指導のもと、発声やリアクションをやらされたっけ。
よく、ミュージシャンなんかが
「お客様も、このライヴを作り上げてくださっているんです!」
とかおっしゃいますけど、チョップリンの場合、ガチに客がコントに巻き込まれてしまうのだ。
その巻き込まれることに幸せを感じる稀有な変態が、おそらくそのままチョップリンファンとして、彼らを追い続けてしまうのだと思う。
すみません。私も、変態です。
還暦へのカウントダウンの最中に、こんな稀有なライヴに遭遇できて幸せでした。
還暦まで、あと448日。