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ポパイおじいちゃんとオリーブおばあちゃん

 近所の商業施設で出会った老夫婦。おばあちゃんは少し腰が曲がっていて、杖をついて歩いていたのだけど、おじいちゃんの方は、背筋がピンと伸びてて、筋骨隆々で短パンとか穿いてて(笑)めちゃくちゃお元気そう。

 おばあちゃんは、片方の手で杖をつき、もう片方の手で、おじいちゃんの腕にしがみついていた。この時点ですでに、かなり微笑ましい。

 内心「萌えー。」とか思いながら見ていた私に気づいたわけでもなかろうが、おじいちゃんはおばあちゃんに、自身の二の腕を指しながらこう言った。

「ちょっとここに、しっかりつかまってみて?」

 姿勢をただして、おじいちゃんの二の腕につかまりなおすおばあちゃん。

 するとおじいちゃん、おばあちゃんがつかまっている二の腕を、ゆっくりゆっくり、地面と平行になるように上げはじめた。まるで、ポパイのようなポーズだ。

 おじいちゃんの腕が上がるにつれて、おばあちゃんの腰が少し伸びはじめた。あくまで、ゆっくりゆっくりと。

「ああ、気持ちいい。なんか、腰の痛いのん、少し楽になったわー。」

 と笑顔で喜ぶおばあちゃん。まるでその笑顔に反射するように、おじいちゃんも満面の笑み。

「せやろ、せやろー。」

「キャァ、私、ぶら下がってるみたーい!」

 ・・・私の目にはこの老夫婦が、まるでポパイとオリーブみたいに見えてしまった。

 めちゃくちゃエエ癒しをいただきました。

 図書館でこんなタイトルの本を借りた直後だったので(苦笑)なんだか自分がひどく穢れているような気もしたけど、まぁ、小説の世界はまた、別物なので、と心の中で言い訳を。

 というか、最近の私には、あまりにも「イヤなこと」がなさすぎて(笑)このままでは浮世離れしてしまうかもしれないと思い、グラウンディングも兼ねて借りてきたというのもあるんだよね。新着図書だったし。

 私は、図書館の「新着図書」にめっぽう弱い。新しい本なら、なんでも読んでみたいのである。

 というわけで、今から、いかにもドロドロしてそうなこの本のページをめくることにする。

 逆に、めくる前に、あんな素敵なポパイおじいちゃんとオリーブおばあちゃんに遭遇することができて、本当によかった。

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