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3年くらい一緒にいるみたいな3ヶ月
結婚して3ヶ月になる。
婚活アプリで出会い、とんとん拍子でスピード婚したぼくらは、結婚式も結婚指輪もなく、SNSで周囲に公表することもせず、ひっそりと共同生活をしながら入籍しただけなので、するすると日常生活の地続きで新婚生活が始まった。
もしかすると3ヶ月もすれば違和感なども現れるのかもしれないと身構えたものの、そんなことも杞憂で、お互いにずっと昔から知っていたような気がしている。
妻にはよく「無理してない?」「我慢してない?」と訊かれる。
人知れず負荷を覚えたままでは生活が長続きしないことをよく判っているので、こまめに気遣ってくれるのだ。
口論とまでは言わずとも、多少の波風はこれまでにあったかもしれない。
最初のころにはたしかに、仲直りできるのか不安がよぎらなかったかといえば嘘になる。
それでも、穏やかに粘り強く話し合うことを通して「たとえ意見の相違があったとしても関係が破綻するわけではない」という確信を得ることができ、当初よりずっと心強くなっている。
二人とも日々を「上機嫌で過ごす」ように努めているところは大きいのだろう。
無理をしてそうしているわけではなく、自然体でそうなっている。これは二人の気質によるものだ。
おそらくだけれど、あまりに自分本位な人や不安症の傾向が強い人は、共同生活には向かない気がする。(よほど理解のある相手に恵まれないかぎり)
「結婚には我慢が不可欠」とも言われるけれど、ぼくの今の実感からするとどうも頷けない。
「我慢をすれば結婚は継続できるけれど、我慢をしてまで継続させなきゃいけない結婚は幸せなの?」と問いたくなる。
週末にランチをした先輩夫妻(同じように婚活で出会って成婚している)は、結婚して6年になるそうだけれど、「もう30年くらい一緒にいるみたい」と普段から話しているという。
ここに一つのヒントがある。この科白は、相性のよい人たちが自然に思い至る感覚に違いないので。
まだ3ヶ月だけれど、されど3ヶ月。
関係がうまくいかなくなった夫婦が「今にして思えば、最初の3ヶ月で違和感があった」と回顧することもあるように、3ヶ月でなにかしらのフラグが立つことはよくある話だ。
ぼくらも、もう少なくとも3年くらいは一緒に過ごしているような感覚に浸っている、3ヶ月めの今日の日。
◆結婚1ヶ月のこと
◆入籍日のこと