近所のスーパーでは商品の価格が税抜で表示されているのですが、税込で表示しなければいけないのでは?
今回の質問のようなケースでは、消費税法と景品表示法によるルールが関係します。
結論としては、どちらの法律によっても、税込価格の表示が義務付けられていると考えることができます。
消費税法
「消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない。」と明確に規定しています。
ただし、この規定に違反しても消費税法上は罰則はありません。
景品表示法
税込価格を表示しないことによって、不当に顧客を誘引するなどとしてこの規定に違反すると判断された場合、内閣総理大臣による措置命令の対象になります(7条)。
そして、その命令にも違反すると、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科せられます。悪質だとその両方ということもあり得ます(26条)。
消費者の立場でお困りの場合には、消費者庁の被疑情報提供フォーム(https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/contact/disobey_form/)などを利用したり、消費者庁や公正取引委員会の担当部署に電話で相談することもできます。
まとめ
以上の通り、税込表示は法的な義務です。
もし未対応のお店であれば、手間かお金をかければ改善することができます。
その手間やお金を惜しむということは、価格表示についてだけでなく、他の部分(商品の品質、賞味期限の管理、店舗の衛生環境、従業員の給料、等々)でも自社の利益しか考えていないのではないかということが容易に想像できてしまいます。
消費者の立場からすると、そういったお店での買い物は気が進みません。
法律に違反しているのは論外として、中には法的に問題なければいいのだという経営者の方もいらっしゃいます。
しかし、消費者の細かい視点まで意識できているかによって、長く愛される企業になれるのかが変わってくるように思います。