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アローコクワガタ リエン亜種 WF1幼虫の飼育記録


※当時のメモや画像を参照して書いた記事になります。


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WF1幼虫購入


2016/07/26
ヤフオクで落札した2齢幼虫 6匹が到着

  • 学名:Dorcus arrowi lieni

  • 産地:ベトナム コンツム省

  • 親虫:♂60mm ♀33mm

  • 割出:2016/07/20

アローコクワの中で最大になるリエン亜種です。

当時ブログリンクしていて信頼できる方から落札しました。


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アローとマグダレイン


リエン亜種といえば、「マグダレイン ssp.」という別名が一緒に書かれていることがあります。私自身もかつてはそのように書いていました。

さらに時折アローコクワの原名亜種やタイ産にも「マグダレイン」と付け加えられているのを見かけます。

それを見て、マグダレイン?どういうこと?と疑問を持つ方もいると思います。


結論から言うと、これらは今のアローコクワがマグダレインコクワの亜種と考えられていた頃の名残で、「ひと昔前はこの名前だった」ということです。

マグダレインとアローの分類に関する全体の話をすると長く複雑になるので、リエン亜種の経緯だけ触れておきます。


2010年頃、コンツム産マグダレインコクワは新しく発見された亜種であり、まだ名前が決まっていないので Dorcus magdaleinae ssp. として販売・飼育されていました。


これがマグダレインコクワのリエン亜種Dorcus magdaleinae lieni)となったのが
2012年発行の月刊むし 494号
・ベトナム中部コンツム省産マグダレインコクワガタの1新亜種(前田健 氏)
こちらの論文で新亜種記載したことが発表されました。

実際の例はむし社 生体入荷状況2で確認できます。


そして今度は種全体がアローコクワへと分類変更されます。
2013年発行のStag beetles of China Ⅱ(Huang氏&Chen氏)です。

ここから学名が Dorcus arrowi lieni に変わり、現在に至ります。
もう10年以上前の話ですね。



リエンに関する説明は以上で終わりです。

ここまでだと「じゃあマグダレインっていう名前はもう無いんだ」と思ってしまいそうになりますが、現在でも同じアローコクワの亜種にマグダレインが存在します。

Dorcus arrowi magdaleinae
アローコクワガタ マグダレイン亜種

ベトナム北部(サパ以西)、雲南省南部に生息している個体群のことです。
※上記の書籍ではタイ産もここに含まれます。
かつてはマグダレインコクワの原名亜種でした。

このマグダレイン亜種はWD入荷がごく僅かで、流通も少ないです。

ヤフオクでは特にアロー原名亜種をマグダレイン亜種と間違って出品しているのをよく見かけるので注意が必要です。



個人的な意見としては、このようにマグダレインが亜種として今もいる訳ですから、アローコクワ全般に説明なしに安易に「マグダレイン」の名前を書き足すことはしない方がいいと思います。

上で解説したことは本やネットで調べたらすぐに分かることではありますが、無用な誤解やトラブルを招かないためにも避けるべきでしょう。


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幼虫飼育~蛹化


430ccプリカに栄養フレークEX(KBファーム)を詰めて飼育開始しました。


2016/09/26

マット交換1回目
雌雄判別するとちょうど半々
♂1300cc、♀800ccへ


2016/12/05

♂最大体重

マット交換2回目

ここからLBマット(きのこの山)に切り替えました。

理由としては、栄養フレークは微粒子で手触りも良くて高品質なマットに違いないとは思うんですが、ちょっとお高めなのと何より臭いが強烈すぎて・・・🤢
一番長くガス抜きに時間がかかったマットでした。一日程度ではどうにもならなかったです。
これ以来買ってないので今はどうか分かりません。


2017/03/05

マット交換3回目

蛹室を作った♀を除く5匹
体重が少し減った個体が多く、蛹化が近いと予想

今考えると、この交換は必要なかったと思います。


2017/05/19

なかなか蛹室を作らない♂が暴れているのでマット詰め直し


2017/05/24

♀1蛹で死亡


2017/06/10

最後の♂がようやく蛹室作成開始


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羽化


70.5mm 2017/08/01羽化
71mm 2017/07/02羽化
71.5mm 2017/06羽化


♂3・♀2が無事に羽化しました。♀が3月と5月、♂は6~8月でした。
8月羽化の♂以外は羽化して数か月後に後食開始しました。11月になると休眠に入り、翌年4月から再び活動を始めました。

サイズは♂70mmUP、♀40mmUPになりました。
オオアゴが長く伸びて、上翅の色も赤一色ではなく変化があってかっこいいです😊

マットでも結構大きく羽化させることができるので、カワラ菌糸に抵抗のある方も全然問題なし👌


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飼育を終えて


実はリエンの飼育はこれが初めてではなく、2011年にWDペアから飼育したことがあります。
しかし、その時は採れた幼虫が5匹で羽化したのは♀2匹のみという大失敗でした_(:з)∠)_

なんでそんなに上手くいかなかったのかは覚えていませんが、それと比べたら今回の結果は上出来です🎶

リエンは毎年WDが安定して入ってきています。
人気も高いので飼育品も多く出回っていて、WDより安価で手に入れやすいと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


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