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和了得点の基本関係式


1. 基本関係式

 本記事では、先の記事で示した和了得点の基本関係式を根本的に修正し、より望ましい形式に整えたい。
 そのために、改めて以下の概念を導入する。

・当事人数$${m}$$[人]:一度の和了に際して点数の授受に関与し得る人数の最大値
・散家確率$${\psi}$$:和了者が散家であるか否かを示す確率の値
・荘家人数$${\omega}$$[人]:当事人数の内で荘家に該当する人数の値
・散家間支出係数$${K}$$[点毎人]:散家の摸和に対する各散家の支出の値
・散荘間支出係数$${T}$$[点毎人]:散家/荘家の摸和に対する各荘家/各散家の支出の値
・荘家間支出係数$${E}$$[点毎人]:荘家の摸和に対する各荘家の支出の値
・第$${i}$$対攏和支出係数$${F_i}$$[点毎人]:攏和に対する第$${i}$$家の支出の値
・公共収入$${H}$$[点]:和了に対する支出に基づかない収入の合計値
・対応記号$${\sim}$$:同様の和了における収支の合計同士を結ぶ記号

 理論上、和了に対しては和了者を含む全員が支出するものと考える。
 このとき、摸和における和了者の収支の合計は次のように表現される。

$${(散家\space1\space人当たりの支出)\times(散家人数)\\+(荘家\space1\space人当たりの支出)\times(荘家人数)\\-(和了者\space1\space人当たりの支出)\\\times(和了者人数)+(公共収入)\\\space\\=\big(K\psi+T(1-\psi)\big)\times(m-\omega)\\+\big(T\psi+E(1-\psi)\big)\times\omega\\-\big(K\psi+E(1-\psi)\big)\times1+H\\\space\\=\big(K\psi+T(1-\psi)\big)\times(m-\omega)\\+\big(T\psi+E(1-\psi)\big)\times\omega\\-\big(K\psi+E(1-\psi)\big)+H}$$

 また、和了者を第$${m}$$家とすれば、攏和における和了者の収支の合計は次のように表現される。

$${\displaystyle\sum_{i=1}^{m}\big((第\space{i}\space家\space1\space人当たりの支出)\\\times(第\space{i}\space家人数)\big)\\-(和了者\space1\space人当たりの支出)\\\times(和了者人数)+(公共収入)\\\space\\=\displaystyle\sum_{i=1}^{m}(F_i\times1)-F_m\times1+H}$$

 このとき、和了者自身による支出を打ち消せば、次のように表現される。

$${\displaystyle\sum_{i=1}^{m-1}F_i+H}$$

 よって、和了得点の基本関係式は次のように表現される。

基本関係式
$${\big(K\psi+T(1-\psi)\big)\times(m-\omega)\\+\big(T\psi+E(1-\psi)\big)\times\omega\\-\big(K\psi+E(1-\psi)\big)+H\\\sim\displaystyle\sum_{i=1}^{m-1}F_i+H}$$

2. 一律基本関係式

 更に、基本関係式の特殊な場合についても考えたい。
 基本関係式の特に$${K=T=E}$$であるものを一律基本関係式と称する。
 ここで、一律支出係数$${L}$$[点毎人]を次のように定義する。

$${L=K=T=E}$$

 このとき、基本関係式に基づいて、一律基本関係式は差し当たり次のように表現される。

$${\big(L\psi+L(1-\psi)\big)\times(m-\omega)\\+\big(L\psi+L(1-\psi)\big)\times\omega\\-\big(L\psi+L(1-\psi)\big)+H\\\sim\displaystyle\sum_{i=1}^{m-1}F_i+H}$$

 これを整理すれば、次のように表現される。

$${L\times(m-\omega)+L\times\omega-L+H\\\sim\displaystyle\sum_{i=1}^{m-1}F_i+H}$$

 この式から明らかであるように、支出上、摸和において散家と荘家を区別する必要はない。
 摸和における支出者の人数を一括すれば、次のように表現される。

$${L\times{m}-L+H\sim\displaystyle\sum_{i=1}^{m-1}F_i+H}$$

 更に、和了者自身による支出を打ち消せば、次のように表現される。

一律基本関係式
$${L\times(m-1)+H\sim\displaystyle\sum_{i=1}^{m-1}F_i+H}$$

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