色川木通

戯規学研究会(http://note.com/w_spielregeln)代表。麻雀を巡る様々な問題に関心あり。対戦経験は僅少。表向きの目標は麻雀談議のための概念整備。当面の主題は完先および得点方式。現在は記事執筆の糸口を摸索中。まず浅見了より始めよ。麻雀古書同好会を設立したい。

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戯規学研究会(http://note.com/w_spielregeln)代表。麻雀を巡る様々な問題に関心あり。対戦経験は僅少。表向きの目標は麻雀談議のための概念整備。当面の主題は完先および得点方式。現在は記事執筆の糸口を摸索中。まず浅見了より始めよ。麻雀古書同好会を設立したい。

マガジン

  • 記事集2023年版

    • 3本

    当研究会・当研究会員が2023年に公開した記事を集めた。

  • 記事集2022年版

    • 4本

    当研究会・当研究会員が2022年に公開した記事を集めた。

最近の記事

和了得点の基本関係式

1. 基本関係式 本記事では、先の記事で示した和了得点の基本関係式を根本的に修正し、より望ましい形式に整えたい。  そのために、改めて以下の概念を導入する。  理論上、和了に対しては和了者を含む全員が支出するものと考える。  このとき、摸和における和了者の収支の合計は次のように表現される。 $${(散家\space1\space人当たりの支出)\times(散家人数)\\+(荘家\space1\space人当たりの支出)\times(荘家人数)\\-(和了者\space

    • Mリーグと一巡の始点

      1. 残された懸念 先の記事では、Mリーグの公式戦ルール(以下、Mリーグ規則)がいわゆる同巡内振聴をどのように扱っているかを論じた。その中で筆者は、Mリーグ規則の関連条項は同巡内振聴をそもそも発生しようのないものとして規定しているのではないか、という懸念を抱きつつ、結局、その懸念を回避する解釈を提示した。こうして、Mリーグ規則において同巡内振聴の規定が根本的に破綻している可能性は、差し当たり否定されたのである。  記事の公開から暫くして、Mリーグ規則には同巡内振聴に関する新

      • 現れる幽霊

         人は時に、本当は実在しないものについて、それが恰も実在しているかのように語る。ただし、それが実在しないことを知りつつ語る者もいれば、知らずに語る者もいる。ともあれ、そのようにして語られる空虚な対象は、概して幽霊と称することができる。  さて、麻雀の世界には「完先」「完全先付け」「先付け」「先付けなし」「後付けなし」「ナシナシ」といった語が存在する。これらは、周知の通り、それぞれが特定の意味を分担しているわけでもなければ、単に共通の意味を有する類義語同士であるわけでもなく、人

        • 満貫未満の和了得点方式

          1. 導入1.1. 天井関数の拡張  実数$${x}$$について、$${x}$$以上である整数の最小値は、いわゆる天井関数を用いて$${\mathrm{ceil}(x)}$$と表現される。  すなわち、その記号的定義は次のようになる。  筆者は、実数$${\alpha>0,\space{x}}$$について、$${x}$$以上である$${\alpha}$$の倍数の最小値が表現可能になるように、天井関数を拡張したい。対数の表記を参考にしつつ、拡張した天井関数を次のように定義

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        • 記事集2023年版
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        記事

          順位に関する表現について

           麻雀の順位に「着順」という語を用いることには議論の余地がある。着順とは一般に到着の順序を指すが、麻雀の対戦は共通の決勝線を目指す競走ではない。仮に、対局者の誰かが一定の得点に達した時点で対戦を終了する、という規定が適用された場合でも、当の得点に「到着」したのは対象者だけなのだから、その対戦において到着の「順序」を語ることは不可能である。競走で言えば、1着入線時点での各競走者の位置をそのまま順位に置き換えるようなものだ。それを「着順」とするのは、流石に無理があるだろう。  当

          順位に関する表現について

          Mリーグにおける同巡内振聴の扱い

          1. Mリーグとプロ団体の「規則的」な関係 Mリーグの公式戦ルール(以下、Mリーグ規則)は、最高位戦日本プロ麻雀協会の競技規定(以下、最高位戦規則)によく似ている。また、両者は日本プロ麻雀協会の競技規定(以下、プロ協会規則)にも近い。とはいえ、一応は同じ「麻雀」をしているのだから、仮に三者の規定内容が殆ど一致していたとしても、それ自体は不自然ではない。しかし、三者を比べた際に目立つのは、規定内容そのものというより、構成や言葉遣いの酷似である。本当にそうなのか気になる読者は、

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