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【雑学】嵯峨源氏の一字名の読み方について
さて前回に引き続き、雑学紹介的な感じで、嵯峨源氏の特徴的な「一字名」に焦点を当てて、今回はその読み方の共通点のようなものを考察してみたいと思う。
一字名をどう読むかに関しては、絶対にこれ!というものはなく、意外と思った読み方と違うことがあるが、統一性を出すために今回は江戸時代に幕府によって作られた公式の家系図『寛政重修諸家譜』を参照し、その読み方を基にして進める。
早速本題に入っていきたいが、どのように一字名を読めばいいのかという疑問に対して結論から述べると、漢字の読みは「品詞」によって変わるのだと筆者は考える。
例えば、以下は『寛政重修諸家譜』の「第111冊」嵯峨源氏の系図からであるが、嵯峨天皇の皇子・源融の子ども世代の名前である。
・湛(ひたす)
・泊(とまる)
・曻(のぼる)
・望(のぞむ)
・副(つく)
以上のように、多くは動詞が基となっており、動詞は基本的に「3音節」のものが多く、最後は「ウ段」で終わるように読ませていることが分かる。
次に鬼退治で有名な渡辺綱の孫世代の一字名を見てみると以下のようである。
・安(やすし)
・貞(さだし)
・精(くはし)
これら形容詞の漢字の場合、同じく読みは「3音節」で「し」の音で終わっていることが確認できる。
しかしこれらは偶然かもしれないので、今度は時代を考えずに、ランダムに抽出してみることにしよう。
・勝(すぐる)
・與(くみす)
・備(そなふ)
・久(ひさし)
・語(かたる)
・持(たもつ)
・直(なをし)
・枝(えだ)
・長(ながし)
・定(さだむ)
・豊(とよし)
・剛(りきし)
・兼(かね)
・経(つね)
・企(くはたつ)
なんとなく一字名の感覚が掴めてきただろうか。
最初にも述べた通り、あくまで読みは一例でしかなく例外はあるものの、基本的な傾向としては、
基本的に「3音節」の読み方が多く、動詞は「ウ段」、形容詞は「し」で終わり、名詞は2音節でそのまま読ませる(綱は「つな」、枝は「えだ」など)。また2音節や4音節もたまにある、といったことが言えると思う。
どのような意味からこれらの漢字を選んだのだろうか、、、気になる。