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2022年の目標は「雲丹飼育」だ

今回のかきあつめのテーマは「新年の目標を四字熟語で」である。うーむどうしたもんか、こういうのは格好つけてもスベる可能性が高いので、本当のことを言おう。

となると、2022年の目標は「雲丹飼育(うにしいく)」となる。雲丹とは、あの海で転がっているウニのことだ。

Wikipediaで「ウニ」を調べるとウニ綱に属する棘皮動物とある。「雲丹」だとウニを加工した食品を指すようだが、まぁ海胆と書いても雲丹と書いても正直読めないので、以降は「ウニ」でまとめさせていただこう。

今回の記事では、なぜ筆者がウニの飼育を今年の目標としたかを書いていこうと思う。

目的は「野菜クズの有効活用」である

今年、ウニの飼育を目標とした理由はズバリ「野菜クズの有効活用」である。

筆者が昨年、都内のワンルームマンションから郊外の小さい庭付きの家に奥さんと引っ越したのがキッカケだ。都内ではゴミ出しに袋の指定なく数量も気にすることなく出せたが、引っ越した先では分別も細かくゴミ袋自体が有料となった。

そうすると、キャベツの芯やジャガイモの皮など日々出てくる野菜クズを、なるべく燃えるゴミに出さずに有効活用したいと思えてくる。色々考えた結果、「ウニを飼育してやろう」と思ったのである。

野菜クズは肥料にするより飼料としたほうが効率が高い

一般的に野菜クズを家庭で有効活用しようとすると、コンポストを用いて「肥料」にする方法がある。筆者も庭仕事が好きなので、最初はその予定であったし、たぶん肥料にすることが一番簡単かつ有効活用できると思われる。

ただ筆者は、野菜クズを肥料とするのは最後の手段だと考えている。

バイオマス白書2009 バイオマスの有効利用より

上の図はバイオマス(生物由来の有機資源)を資源利用した際の有効度を示したものになる。薬用できるものが資源価値として最も高いが、食品は2番めに高い。キャベツの芯やニンジンの皮だとしても、本来食べれるものは食べきってしまうことが最も効率良いといえる。

一方のコンポストを用いて「肥料」とするのは、下から2番目に変化させることとなり価値がだいぶ下がってしまう。そこで、それより価値が1段上の「飼料」として資源利用できないかと考えたわけである。

(飼育した暁に美味しく頂くことも、重要な目的であることは言うまでもない。)

ニワトリとウニなら、ウニで行こう!

次に、「個人レベルでやるとして、ナニを飼育するか」を考えたとき、ニワトリとウニが候補として出てきた。個人的に考えたメリット・デメリットを下にまとめてみた。

(ちょっと調べて個人的に考えたメリット・デメリット)

おそらく、今住んでいる家が賃貸でなく大きな敷地の持ち家だったら、ニワトリを選んだであろう。ニワトリのメリットは、筆者と同様の目的でニワトリを育てている人は多そうなので、問題があったときに調査できる点である。デメリットは周辺への配慮であり、ここの障壁がだいぶ大きい。

一方、ウニは鳴くこともなければ水槽から逃げ出すこともない。屋内で飼育すれば、大家に知れることもないだろう。デメリットは、同様の目的でウニ飼育している人が少ないことと、筆者がアクアリウム未経験者であることである。

まぁしかし、大家への説明は現状難しいと考えると結局ウニ一択なので、「ようし、ウニ旨いし、やってやろうじゃないか」というわけである。

野菜クズを用いたウニの養殖は研究されている

ここまでで「野菜クズを用いたウニの養殖事例が少ない」ような表現をしたが、ニワトリと比較して少ないということであり、キチンと研究されている分野である。

神奈川県水産技術センターからも「野菜残渣を餌としたムラサキウニ養殖について」という研究報告があったり、2021年の記事で「駆除のウニ、廃棄キャベツでおいしく変身 各地で研究」というものもあり、ホットといえばホットな分野だ。

ただしかし、食品残渣の活用→ウニの養殖というほど技術が確立されているわけではないのが現状と言えよう。

んで、やることリストを列挙してみよう

①まずはウニを買う

記事を書いているのは2022年1月3日。そもそもまだウニどころか水槽すら用意をしていない。ウニはどこで売っているのか。エサはどうしたらいいのか。海水はどれくらいで替えなければいけないのか。調べることが多すぎる。この記事のために「ウニを飼育しよう!」と思い立ったが、こんな状態である。計画を建てなければなぁ。はっはっは

②ウニを増やす

計画もないまま喋り続けるが、おそらく「購入」の次は「増殖」であろう。2匹のウニから2匹以上のウニを発生させるとなると、高校生物でやったウニの発生実験である。

東邦大学メディアネットセンターHPより ウニの発生実験

サイトによると「取り扱いの容易さと、ほとんど失敗のない実験として、広く行われている実習のひとつ」とあるので、まぁそんなに難しくはないのだろう。ただしかし、フラスコやら顕微鏡やら、用意するものは多そうだ。。

③育てたウニを食べてみる

無事に育つかどうかも分からないまま書いてしまうが、次にやることは「食べる」だ。これはもう、「野菜クズの有効活用」と同じくらい重要な項目である。なぜニワトリとウニを選んだか、それは「食べるため」であって「鑑賞のため」ではない。

ウニが食べられたときにやっと「野菜クズが有効活用された」と評価されるのである。

④レポートする

最後に行うのは「レポート(報告)する」である。もしかしたらこれが最も重要で、且つ、メンドイことかもしれない。笑 もし筆者が最終的に失敗したとしても、試行錯誤した結果は人智のために残す必要があるのである。

このままnoteで報告してもいいし、上手くいったなら論文にまとめたいと思う。さてはて、どこまでやりきれるか。頑張ってみようと思う。

既に課題が山積だ

「これからやりまーす」という段階なので蛇足と思われるが、現段階で見つかっている課題を簡単に挙げてみる。

ウニ飼育が「有効でない」という結論に至っているのではないか、、?

これは、神奈川県でキャベツウニとしてブランド化している事案もありつつ、なかなかウニ飼育が一般化しない理由についてである。

当初は「みんながやっている方法でいいのがあったらやってみたいな」程度で考えていたが、この記事のために調べてみると、やはり課題は多いようである。もしかしたら、「ウニ飼育は技術革新まで難しいよね」という結論に至っていたりしないだろうか。

美味しくないという報告もある、、、

「個人でウニを育ててみて難しかった」という報告もちらほら挙がっており、その1つをYoutubeで紹介したい。

タイトルは「キャベツでウニを1000匹育てたけど無理だった話」とあり、ガッツリ試みて失敗したという内容である。理由を挙げてみると①収量が悪い
、②収穫の効率が悪い、③ウニ捕獲の効率が悪い、④そもそも美味しくないとあるようだ。

Youtubeの方は磯焼け(ウニが大量発生して海藻が食べ尽くされる食害)の予防としてウニ駆除を行っており、その有効活用と事業化を目指していたようで、それが難しかったということらしい。

筆者はまずは個人でのクズ野菜の有効活用を目的としているので①②③の事業化できなかった理由はあまり懸念点でなかったが、④の「そもそもキャベツウニが旨くない」というのはあまりにも悲しい報告である。

まぁ、2週間程度の与えるエサで味が変わるというので、そのあたりも研究課題となるかもしれない。

やはり、ニワトリを用いたほうがよさげ、、、?

最後が、「素直にニワトリを飼育したほうが目的に合っているかも、、」という点である。

というのも、今回の目的は「クズ野菜の有効活用」なのだが、ニンジンやジャガイモなどを殆ど食べず、春菊などは忌泄する傾向があると報告があり、雑食性であっても好き嫌いが多いという。一方のニワトリだが、同様に嗜好はあるといえ、魚のアラや糠まで食用とするとあり、雑食性では1枚上手のようである。うーむ。

【結論】とりあえず、やってみよう

まぁそんなことをいろいろ考えてみたが、とりあえずはやってみよう。課題がある方がヤリガイがあるし、誰も上手くいっていないとしたら、それこそ研究する価値があるといえるものだ。

ようし、今年は雲丹飼育を頑張っていきたい。

記事:アカ ヨシロウ
編集:真央
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