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白浜にて気散じ

ルームメートの麻美がとうとう男と別れたので、気晴らしに日帰りで和歌山に行くことになった。わたしのふるさとだ。鰹が食べたいな。清美も買ってかえろう。

 日帰り旅行の朝は、はやい。傷心旅行は少々忙しいくらいが良いのだ。羽田からは1時間15分、あっという間に白浜に到着した。五月晴れ。空気が清々しい。

私達は早速、白良浜にむかった。5月というのに今日の最高気温は28℃。早速、水着に着替える。静かな海、水着を来てはしゃいでいるのは、私達だけだ。

そこへ、地元の新聞記者がやって来た。「いまから人に慣れさせるためにイルカのトレーニングをするんですよ。よかったらタッチしてみませんか?」という。私達は二つ返事で応じる。


イルカには人を癒す力があるという。本当にそうだった。

白浜にて気散じ。

後日、送られてきた新聞には最高の笑顔の二人が写っていた。


#旅する日本語

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赤 和歌子
とんでもないことでございます。