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写真の奥深さを探る『写真はわからない』

はじめに

『写真はわからない 撮る・読む・伝える――「体験的」写真論』は、30年以上写真に携わってきた著者が、自らの経験をもとに写真を語る一冊です。写真を「撮る」こと、そして「読む」ことの奥深さに迫る内容で、初心者からプロ志望者まで幅広い層に向けてヒントを提供してくれます。本書を読んで感じたポイントをまとめます。


「写真がわからない」とはどういうことか

本書のタイトルにもある「写真がわからない」という言葉は、単なる技術の問題ではなく、写真が持つ本質的な問いを示しています。写真は単なる記録や表現手段にとどまらず、それをどう解釈するか、どのように伝わるのかという視点が重要であると本書は強調しています。


目次から読み取る重要なテーマ

本書の各章では、写真に関するさまざまなテーマが掘り下げられています。

1. 「いい写真」とは

写真の評価基準は何か? 一般的に「いい写真」とされるものは、単なる技術的な完成度ではなく、撮影者の意図や文脈がどれだけ表現されているかが重要であると述べられています。

2. 世界は「撮り尽くされた」か

現代では誰もがスマートフォンを持ち、日常的に写真を撮る時代です。本書では「すでに世界は撮り尽くされたのか?」という問いを投げかけ、写真を撮る意味や新たな視点の探求について考えさせられます。

3. カメラとの付き合い方

写真技術の向上やカメラの進化がもたらす影響についても触れています。最新のカメラがあれば良い写真が撮れるわけではなく、撮影者の視点や経験が何よりも重要であることが語られています。

4. 「写真を撮る者」の条件

写真を撮る者に求められる姿勢や心構えについての章です。写真は単なるスナップではなく、何をどう伝えるのかを考えることが大切であると強調されています。

5. 写真は「窓」か「鏡」か

写真は現実を映し出す「窓」なのか、それとも撮影者の内面を反映する「鏡」なのか。この問いを通して、写真の持つ二面性についての議論が展開されています。


読んで感じたこと

本書は、写真の本質に迫る問いを投げかけながら、読者に考えさせる構成になっています。特に、「写真に答えはない」という最終章は印象的でした。

  • 写真は一つの正解を持たない

  • 個々の視点や文脈が重要である

  • 撮るだけでなく、読むことも大切

こうした考え方は、写真に行き詰まりを感じている人にとって大きなヒントになるでしょう。


まとめ

『写真はわからない 撮る・読む・伝える――「体験的」写真論』は、写真を学ぶすべての人にとって貴重な一冊です。

おすすめポイント

  • 写真の本質を考えるきっかけになる

  • 技術論だけでなく、写真の意義を深く掘り下げる

  • 初心者からプロ志望者まで幅広く学べる内容

写真を撮ることに迷いや疑問を感じたとき、この本は新しい視点を提供してくれるでしょう。

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