101号室 お酒のまにまに
初めて酔っ払いになる過程を見た話。
私はお酒は好きだ。
香りと後味に浸って呑むのも、度数の高い激物を勢いに任せて流し込むのも、どちらも等しく好きだ。
しかし、私は酔っぱらったことがない。酒が強いからとか、その類の話ではない。どのような状況でも、酔うほど己を見失ってしまうことに、強い恐怖を覚えているのだ。幸運なことに、私はその類の人と接したことは、あまりなかった。だからこれも、未知に対する恐怖なのだろう。
そして私が初めて、お酒に呑まれた人を見たときに、私の脳内にある諺