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毒にも薬にもなる話

國分功一郎さんの「暇と退屈の倫理学」を読んだ。 色々と示唆に富んだ話があったのだが、中でも、 生物学者のユクスキュルの「環世界」の話に魅かれた。 というのも、「環世界」の話を読んでいて、 岸田秀さんの「唯幻論」を思い出したのだ。 岸田秀さんの「唯幻論」の前提になっているのは、 「人間は本能が壊れた動物である」という解釈だ。 本能が壊れているので、文化や文明によって 壊れている部分を補っている。 例えば、昆虫や動物は、生殖期間中、 「生殖活動をしない」ということをしない

    • 散漫律詩歌35

      『森があった幻影の地の上方を渡り鳥達翔る仲冬』 ~「冬季」より~ by 凍々結凍々

      • 散漫律詩歌34

        『ポイントが還元されていかほどか掴みあぐねて寒の雨降る』 ~「冬季」より~ by 凍々結凍々

        • 散漫律詩歌33

          『冬の暮仮想通貨が流通しおぼろげなまま寒さだけある』 ~「冬季」より~ by 凍々結凍々

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        • 散漫律詩歌
          0本
        • 散文
          8本

        記事

          整う前に飽きがくる

          テレビ、雑誌がメディアの主流だった時代では、 情報がもう少し整理され、時間差があって伝達されたものが ネットの時代では、速報としてかなり早い段階に人の目に入る。 面倒くさいと思っていても、目に入ってしまうと、 「こう考えるのがベターなのではないか」ぐらいのことは考えてしまう。 自然と分析、推測してしまう。 目に入ってこなかったものが目に入るようになり、 今まで考えようとしなかったことを考えるようになっている。 「考えたくなくても考えさせられてる」と言ってもよいかもしれない

          整う前に飽きがくる

          詩表現の不思議について

          論理的な言葉と詩表現はどちらも言葉を使っているわけだが、 読んだ人に与えるイメージ、感覚はまったく異なる。 同じように言語を用いているのに、性質に違いが出るのはなぜなのか。 言葉にはおおまかに二つの性質があると思う。 例えば、どのような種類でもいいのだが、 ひまわり、バラ、あじさい、などは それぞれ別の種類のものだ。 しかし、花弁があり、茎があり、葉があり、葉緑体があり、など 類似点が見受けられ、共通項があると判断できる場合、 ひと括りに「花」と言うことができる。 逆に

          詩表現の不思議について

          ワイドショーという現象

          ワイドショーという言葉は和製英語らしい。 日本で作られた造語。 厳密な定義はおそらくない。 なんとなくのイメージとしては、 ニュースの報道だけでなく、スポーツ、グルメ、芸能など 多くのジャンルを取り扱い テレビ文化によって積み重ねられた テロップ、BGM,カメラアングルなどの 番組の作り方、番組の見せ方の総称みたいなものだと思う。 ワイドショーの放送の仕方でよく問題視されるのが どのデータを採用するか、どの情報を比較するかなど 情報の取り方の部分。 または、会見やインタビュ

          ワイドショーという現象

          匿名という方法

          経済の言葉で、「大量生産、大量消費」という言葉があるが、 この言葉には一つ足りないものがあると思っていた。 それは、大量生産と大量消費の間に「大量動員」があるということだ。 つまり、広告によって、サービスや商品の存在を周知してもらい、 店やサービスを利用してもらうために 人を集めるということだ。これはネット空間でも事情は変わらない。 サービスを提供しているサイトに アクセスを集中してもらわないといけない。 マーケティングやコピーライティングが発達した、又は、 発達させる

          匿名という方法

          ソーシャル団欒

          ネットが発達することで、個々が別々の情報をキャッチして、 今まで以上に趣向や趣味が細分化する、バラけると漠然と思っていた。 バラけているには、バラけているのだが、 どうも思っていた以上にはバラけていないように見える。 SNSや、ネット上のニュースのトレンドを見てみると、 テレビや、有名な新聞、雑誌とリンクしている情報は未だに多い。 大多数の人が意識していないところから たくさんの意外性のある情報が噴出していくような イメージを持っていたが、どうもそうでないらしい。 確か

          ソーシャル団欒

          インナーパブリック化

          「パブリックビューイング」という空間は、何とも不思議な空間だ。 サッカーのイベントでパブリックビューイングが設けられることが多いが、 通常、サッカーの試合観戦は、サッカーに関心のある人がチケットを買い、 スタジアムという空間で、試合を観て楽しむものだろう。 しかし、パブリックビューイングはそれとは少し様子が違う。 もちろん範囲やルールが設けられ、 その中でファンの人がサッカーを楽しむわけだが、 試合が行われているスタジアムの外部にそのスペースが設けられるために、 サッカーのフ

          インナーパブリック化

          最先端は古くなりにけり

          SNSの発達で、一つの事象に対して、 様々なデータや、専門家の意見を見ることは可能になったが、 専門家で意見が分かれてしまうような複雑な事象の場合、 門外漢には、その事象を適切に判断するのは難しい。 「正確なデータの積み重ね」は必要だろうが、 それはデータの解析能力があった場合に有効なところがあり、 専門外のデータの解析能力に不十分さがあるから、 専門家を頼るのであり、 専門家で意見が分かれてしまうと、 門外漢にとって、そこは袋小路である。 解剖学者の養老孟司さんが、本で

          最先端は古くなりにけり

          散漫律詩歌32

          音韻数:9・9・8・8 『アプリで完結し余ったはずの時が無為に過ぎてゆき葉が黄葉する』 ~「固陋オータム」より~ by 頑愚不退転

          散漫律詩歌32

          散漫律詩歌31

          音韻数:9・9・8・8 『紙より速くなった通信の速度に遅いとつぶやく秋の夕間暮れ』 ~「固陋オータム」より~ by 頑愚不退転

          散漫律詩歌31

          散漫律詩歌30

          音韻数:10・9・10・9・17 『突き進むだけでなく踏みとどまることも大事だというようなホバリングを見せるプエルトリコヒメエメラルドハチドリ』 ~「ネーミングメランコリー」より~ by ヨハン・寿限無

          散漫律詩歌30

          散漫律詩歌29

          音韻数:9・11・9 『ネズミキツネザルやネーミング詰め込まれた名を呼び君を指す』 ~「ネーミングメランコリー」より~ by ヨハン・寿限無

          散漫律詩歌29

          散漫律詩歌28

          『梅雨寒や酷暑のはずの道冷える』 ~「梅雨から梅雨へ」より~ by 内々定留保

          散漫律詩歌28